さよならを言わせて……
雅夜は公園へと向かっていた。
その間にいろいろと考えていた。
〔俺は、自分の想い・考えを里枝美に伝えることができるのだろうか?もし、里枝美に会うことで気持ちが変わってしまったら……、俺はどうするんだろう?〕
そんなことを考えているうちに、雅夜は公園に着いた。
公園には、ベンチに座る里枝美の姿があった。
里枝美は、1年前と変わらずにとても可愛かった。
「雅夜……久しぶりね。」
意外にも里枝美の方から声を掛けてきた。
「久しぶりだな……里枝美。」
「……今日言いたいことって何?」
「今日言いたいことってのは……お前がいなくなってから、変わってしまった俺の気持ちだ。」
「…………。」
「俺は、お前のことがホントに好きだった。お前の秘密を知ったところで、俺の気持ちは変わることはなかった。だが、そんな俺のことを信用せずに、お前は俺の前から姿を消した。」
「別に信用してなかったわけじゃない!ただ、……雅夜の近くに居ることが辛かっただけ。私みたいな人殺しが、恋愛なんてしてはいけなかっのよ!」
「過去に何があっても、誰にでも恋愛をする権利はあるだろ?お前は、自分の過去から逃げてるだけだ!なぜ過去ばかりを振り返るんだ?なぜ前を見ようとしないんだ?」
「………………。」
「いつまでも過去に囚われるな!」
「うぇ~ん、雅夜ぁ~。」
里枝美は急に大きな声で泣き出した。
俺は、そんな里枝美を抱きしめることしかできなかった。
「…………やっぱり裏切るんだね。」
(……グサッ)
「うっ……。」
何か声が聞こえたかと思った瞬間に、俺は激しい痛みに襲われた。
「……いやぁーーー。」
里枝美が悲鳴を上げていた。
「…………どうしてなんだ……ひかり?」
「どうしてって、雅夜が私を裏切ったからよ。私を裏切らないって言ったじゃない。それなのに、あなたは私を裏切った。だから、私はあなたを刺したのよ。」
「……俺は…………。」
雅夜の目の前は真っ暗になった。
(…………雅夜)
〔遠くで誰かが俺の名前を呼んでる気がする。〕
ゆっくりと雅夜の目が開かれた。
「雅夜ぁ~。よかったぁー。1週間も目を覚まさなかったから、もうダメなのかと思っちゃった。」
目の前には、涙ぐんだ里枝美がいた。
「俺……助かったのか?」
「私が携帯で病院にすぐに連絡したから助かったんだよ。あと少しでも連絡が遅くなってたら、死んでたかもしれないって言われたんだよ。」
「そうか…………今、俺が生きているのは里枝美のおかげだな。」
「そういうこと。」
「ありがとな。ちょっとテレビを観ていいか?」
俺は急にテレビが観たくなったからテレビをつけた。
「次のニュースです。今日の朝、〇〇〇公園でバラバラにされた女性の遺体が見つかったそうです。身元はまだわかっていません。」
(プツン)
「おい里枝美、何でテレビを消すんだよ?……あの公園って、俺がひかりに刺された公園だよな?それに、バラバラにされた女性の遺体って…………まさか!」
「…………そうだよ。あの遺体は…………ひかりちゃんだよ。……私が殺したの。」
「……どうして?」
「こうするしかなかったの……。雅夜…………サヨナラ。」
(グサッ)
今まで『俺の彼女は〇〇〇〇〇〇』を読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました!!
今回で完結です。
意外な展開で終わらせました。
自分でも予想外です。
次回作も、またよろしくお願いします。