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待っていても……
あれから1年が過ぎた。
1年経っても里枝美の行方は全くわからなかった。
雅夜はもう諦めていた。
もう二度と里枝美とは会えないと確信していた。
〔あれから1年か……。とっても長い1年だった。これから一生里枝美に会うことはないのかな……。〕
元気のない雅夜。
そんな雅夜を気遣う人がいた。
それは、ひかりだった。
「雅夜、1年経っても里枝美ちゃんのことが好きなの?……私じゃダメなの?」
「俺は…………今でも里枝美のことが好きなのかもしれない。俺は今とっても弱りきっていて、頼りないやつだ。でも、こんな俺のことをひかりは支えてくれている。……こんな俺でも好きだって言えるのか?」
「私は今まで、雅夜以外の人を好きになったことなんて1度もないよ。どんな雅夜だって私は受け入れるよ。私は里枝美ちゃん以上の存在になってみせる!」
「……ひかり。」
「だから、私だけの雅夜でいて!」
「……わかった。これからもよろしくな。」
「うん!よろしくね☆」