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彼女がいなくなった日常
次の日から里枝美は学校に来なくなった。
里枝美の家に行ったが、そこはもう空き家になっていた。
「雅夜、里枝美ちゃん……転校したんだってな。」
「……あぁ。」
「どこに転校したんだ?」
「……知らない。」
「……雅夜、お前だいぶ腑抜けたな。」
「……あぁ。」
「そんなんだから、里枝美ちゃんがお前から離れていくんだよ!」
「お前に何がわかる!」
「わかるさ。お前のことはよくわかる。何年親友やってると思ってんだよ?」
「……そうだよな。俺が悪かった。」
「俺も言いすぎた。ごめんな。……これからどうするんだ?」
「里枝美がどこに行ったかわからないから、どうすることもできない。」
「とりあえず、待つしかないってことか。」
「……そうだな。」