隠される真実
[学校]
「里枝美、おはよう。」
「雅夜、……おはよう。」
〔どうして里枝美は急に別れようなんて言い出したんだ?何か原因があるはずだ。〕
昼休みになった。
「里枝美、ちょっと話したいことがある。ついてきてくれ。」
「…………わかったわ。」
[屋上]
「里枝美、……何で別れようなんて言い出したんだ?」
「…………言えない。」
「理由を聞かないと、俺は納得がいかない。」
「理由なんてないよ。」
「理由がないのに別れようとか思わないだろ?」
「……理由なんて必要ないよ。」
「……別れようと思ったことに、ひかりは関わっているのか?」
「…………ひかりちゃんは関係ないよ。全部私が決めたことだから。」
「……そうか。それを聞けただけでよかったよ。せっかくの昼休みなのに、時間を使ってごめんな。じゃあ、俺教室に戻るわ。」
「…………雅夜!!」
「……何だ?」
「雅夜は悪くないよ、悪いのは……全部私なんだから!!」
「そんなことねぇーよ。里枝美が別れようと思ったことに、俺は少しでも関わってるんだからな。」
「雅夜、……ごめんね。」
「もう謝らないでくれ。胸が苦しくなっちまう。」
「……うん。」
「じゃあ、俺先に行くからな。」
「うん。」
(雅夜は悪くないんだよ。悪いのは私なんだから…………。そう……全部私が悪いの。)