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プロローグ
たまに人生の『黄金期』を持つ者がいます。
『黄金期』とは、誰から見ても人生の絶頂としか思えない時期のことです。
例えば、小説家が芥川賞を受賞した時
例えば、何千時間と勉学を要する国家試験に合格した時
例えば、甲子園の舞台で優勝した時
勿論、このような栄光を掴めたものは極々稀にしか存在しません。
万人が持ってしまっては、『黄金』とは呼べないのです。
────ここはファンタジーの世界
現実の価値観とはまた違った形で、『黄金期』が定義されています。
そしていうまでもなく、
この物語の主人公である「レグザ」にもまた、
『黄金期』が存在するのでした。
魔王討伐
その偉業は、この世界の『黄金』の中でも最上の輝きを持つとされる、いわばダイヤモンドです。
そんな輝かしき歴史を持つ彼が、
59歳になってようやくこの物語は始まるのでした。