3、外は夜。気分は泥棒。(笑)
とりあえず慣れないドレスに違和感を覚えながら、なんとかカーテンのところまで歩いて行った。
これまた質のいいカーテンだなーー、なんて思いながら窓を開けてみた。
……………私の目はおかしくなったらしい。
目の治療失敗したんだと思う。(これも頼んでないけど)
だって、月が青いよ?
そんでもって、それが二つもあるよ?
いや、きっと目の錯覚だ。
外までもまるで『日本』じゃないみたいなんておかしいと思う。
それに、ここから地面までが遠いよ。
どんな病院?
改めてこんな場所が『日本』にあるなんて信じられない。
拉致られたりして、外国にいる…………とか?
いやいやいや、火事にあっただけだよ。
そんな他国巻き込んだ大事件とかに発展しないはず。
………………だよね?
でも、この時点で普通ではないことはわかる。
なんとかして、抜け出さないとやばいことになるかもしれない。
うん。
逃げ出そう。
そのあとで告訴する。
もしかしたら追っ手が来るかもしれないけど、その時は根性で逃げよう。
ここにこのまま居たら命の危険を感じる。
変装とかって一応した方がいいのかな?
この髪型とかじゃ目立ちそうな雰囲気がある。
この部屋に変装できそうな何かないかな。
………………………………あっ、クローゼットがある。
もしかしたら中に変装道具とかあるかもしれない。
そう思い、もう一度ドレスを着たまま歩いてそこまで行った。
……クローゼットにしては大きすぎないかな?なんて、近づいて行く度に感じるけど気にしちゃ負ける。
けど、、もしや、クローゼットに似た何かとか?なんてことは考えてはしまう。
中にナニカありそうな匂い漂ってるけど、怖すぎない?
背に腹はかえられない。
行くぞ!
思い切ってクローゼットの中を漁ってみた。
ガサガソガサガソ……………
なにこれなにこれ?
宝石がいっぱいあるんですけど。
これって取っていってもいいのかな?
だめか。だめだよな。
変装道具は…………あった!
ウィッグと、ちょっと豪華なメイド服があった。
ウィッグはいいとして、メイド服はちょっと抵抗があるな。
いいや、こういうのは気合いが大事だ!
目がどうにもならないのは辛いがフードで隠せばいけるのではないか。
ほんとに何でも揃ってるなこのクローゼット。
魔法のクローゼットか?
なんちゃって(笑)。