1、走馬灯かな?
「んんっ、」
身じろぎをして『私』は目を覚ました。
『私』はいつの間にか柔らかい枕と、質の良い布団ふかふかなベットの上にいる。
「うっ、頭、痛っ。」
頭痛の原因はきっと記憶のせいだろう。
何故か知らないが、『私』が無理に何かの記憶を思い出そうとしている。
でも、『私』は意図的にはしていない。
それに、『私』の記憶は別に消えている訳ではないし、普通に覚えている。
一体どういうことなんだろう。
考えれば考えるほど頭が痛くなっていく感覚がする。
「ここはどこだろ?」
いや、『私』があの状況から考えていくべき場所は一つ。
病院である。
………はずなんだけどなぁ。
えっ?いつから病院ってこんなに豪華になったの?
キラキラすぎでしょ。
壁一面金色なんて趣味悪すぎない?
お金持て余してるとしてもこれは無い。
どこのお金持ちの病院ですか?
こんな『日本』じゃ無いみたいな異空間作り出せるのってもはや才能なのでは?
そんな才能ほしく無いけど。
そもそも、アレから『私』が助かるのなんて不可能に限りなく近かったと思う。
流石に死んだな、って思うくらいには絶望的だった。
それと、放火魔さんはニュースによると他のところにも火をつけていたらしい。
『私』の記憶がある限りは救急車とかの音は聞こえていなかった。
たとえ、周りの人達が彼らを呼んでくれたとしても辿り着くまでにそれなりに時間はかかるだろう。
あと、パン作りで火を使っていたから、火の廻りも、呼吸がしづらくなるのも一般的には早かったのでは無いだろうか。
とまあ、死ぬ原因は結構あったから、助かるなんてっありえないなと思っている自分がいる。
とりあえず頰を引っ張ってみよう。
うん。
…………………………痛い。
絶対生きてるな自分。
自信を持って答えよう。
だって、死んだ後も痛みがあるなんて地獄を生きなければいけないような悪い事したことないし。
跡残んないかな?
じゃあここは病院か。
『日本』にこんな趣味悪い病院あるなんて信じられないけど、そんなこともあるんだろう。
お医者さん来ないかな?
患者さん起きたんだけど。
「ナースコールとかないのかな?」
そう思って『私』はおそらくあるであろう枕の後ろ側を振り返った。
だがしかし、そこにあった大きな鏡。
部屋全体が映るほどの大きな大きな鏡。
そこに部屋の中心にいる『私』が映らないはずもなく。
鏡には大きな目を見開く『私』の姿が映っていたのである。
基本アバウトなので、皆さんも軽い気持ちでお願いします!