<第62話> ナナミの自宅
三木ハルト・四方エイジ
「エイちゃん今来たよ!!」
「ナイスミキ!!行くぞおお!!」
エイジのABD「ミナミ・ケイ」はABDの発熱を利用し全身に水蒸気を纏いそのエネルギーを利用し高速化、に加え圧倒的パワーでねじ伏せる物理攻撃タイプだ。
「一瞬で決めるぞ!!!」
「うん!!」
二人でシャドーアサシンを囲いながらお互いにクライマックス発動準備!
「ハルト君!!オーバードライブクールタイム終了!いつでも起動できるよ!」
「行きます!!オーバードライブ起動!!」
「俺も行くぜスチームパンク沸点到達形態に移行!!」
シャドーアサシンは2体の肉塊が変身したことにより隙を感じたのか手足と羽根の4本の刃を振り回す。そのままクライマックスに突入するぞ!!
「いけええええ!!エネルギーエミッション!!」
「終わりだああああ!!!水蒸気爆発!!!!」
ドガアアアアアンーー!!!!!
シャドーアサシンの体は粉々に消し飛び付近は緑の稲妻と水蒸気に覆われていた。
ブーーーー!!!
戦闘終了のブザーが鳴る。すると小嶋によるアナウンスが放送される
「戦闘終了!皆さんお疲れ様!今回の合同演習はこれにて終了します。家に帰って今日はゆっくり休んでください!!」
「ナイス!ミキ!エネルギーエミッションかっこいいなぁ」
「そっちこそ!!水蒸気爆発憧れるよぉ!!」
するとサヤカを中心に1801小隊と1802小隊が僕らのところに集まっていきそれぞれお互い「お疲れ様」の挨拶を交わす
「サヤカちゃん本当にありがとう!またの合同演習で一緒になれるといいね!!」
「河野ちゃん前より強くなった?それししてもこのアンドロメダ何度見ても痺れるわー」
お互いの隊長同士で最後閉めの挨拶をしてその場で解散となった。僕ら1801小隊は着替えるために隊員室に戻る。早歩きで隊員室に戻っている途中ナナミがある誘いを僕にしてきた。
「ミッキー。これから暇??」
「え。うーん、、、特にこれからの予定ないけど、、」
「本当!!じゃあ私の家寄ってく??遊びに来なよぉ!!」
「分かった!ナナミの家行くわ!!」
「OK!!じゃあ、、、15時にアブトルのメインエントランス前集合ね!」
4人は隊員室に到着して女子たちは近くの更衣室に着替えるための私服を持って隊員室を出た。
隊員室の中は僕と佐倉カイセイの二人きりだ。
「、、、お前ら放課後遊ぶのかよ」
カイセイがボソッとズボンを下ろしパンツを見せながら話しかけてくる
「そうだけど?どうした?」
「俺も河野ちゃんに誘いたい。けどその勇気がでねぇんだよ」
「はぁ、、、、」
全くウブな小学生か。その引き締まった体とは裏腹でお豆腐メンタルすぎるだろ、、、いつもカイセイに対して何か返答していた僕だったが思わず呆れてしまいそのセリフを無視した。
「おい!無視すんなよ!!」
「なんだよ、、、」
こいつマジでめんどくさいなぁ。こういうやつとは普通に友達になりたくないと確信した。
15時、ナナミの約束通り2階のメインエントランスで時計をちらつかせながら待っているとその数分後に
「待たせちゃってゴメン!行こ行こお!!」
「全然待ってないよ。何か今日雰囲気違うね」
「気づいたぁ?私普段はこんな感じだよ。学校では少し抑え目にしてるんだー」
一昨日から夏休みに入り学校に通う必要はないのでアブトルに私服で来ても全然いいのだ。私服姿のナナミは白っぽいシャツにオーバーオールという以外にもラフな格好。化粧こそ学校とあまり変わってないが髪の毛がストレートではなく巻かれている。ナナミのイメージがちょっと変わった。
「ミッキーもおしゃれだね!それどこのブランド?」
「これ?戦闘服のブランドと一緒だよ!この奇抜な色使いに惹かれちゃってさー」
「なんかあんたらしいわーー」
学校での出来事や周りの人間関係や悩みなどのくだらない話をしながら歩きでナナミの自宅まで向かっていく。以前河野ちゃんを観戦した時に行き別れたミカサ大学前の交差点を左に曲がると奥には商店街。その商店街の中央の交差点を今度は右に曲がった後、、、住宅地に到着する。細かい道を奥へ奥へと入っていくと、、、
「それなぁ!!佐倉絶対河野ちゃん本人に気付かれてるよね!今度聞こうかな!本当あいつ演技下手くそ、、、あ!ここだよミッキー私の家。このマンションの2階だよー」
ナナミの後ろに回り細い階段を上っていく。外装はとても綺麗で良いところに住んでいるなと思った
「家賃はアブトルの報酬で払ってる!ママとそういう約束で進学したからね」
「そうなんだー」
白い外壁の廊下をスタスタ歩いていくとナナミは204号室の前で立ち止まり鍵だと思われるカードを取り出した。家賃どれくらいするのだろうか、、、一人暮らしの学生にしちゃ良いとこ住んでいるなぁ。
「お邪魔しますー」
ナナミが扉を開けると目の前には玄関、扉を挟んで奥にはリビングがある。1LDKのリビング7畳の1人暮らしにしては十分広い部屋である。玄関で靴を脱ぎ揃え奥の扉を押すと、、、
ナナミの匂いがする想像通りの白を基調としたリビング。奥はベランダへと繋がる窓ガラス、左手にはベッド、左斜め後ろにクローゼット、右には小さいTVとロッカーで見た4人組のガールズグループのポスター、中央にテーブルとカーペットとちゃんと綺麗にしてある住みやすい部屋だった。そういう僕の自宅も綺麗にしてくれてるのは白石さんなんだよな、、、
「ミッキーに聞いてほしいのがあるんだ!明日のバーテックスで使う戦闘曲変更しようと思ってさー」
そういいナナミは棚からタブレットとイヤホンを取り出す。イヤホンの先をタブレットの穴に刺し電源を入れた。僕はネットとかそういうのに使い慣れてないので驚きを隠せないままでいる。するとナナミは赤と白が基調の動画を投稿するサイトを閲覧し始める。僕は彼女が何をしているのか全く分からない、、、
「ミッキー知らないの??逆にすごいわー」
そうして彼女が検索にかけたのは海外の4人組女性グループ。そのMV??というやらを押した。
「ミッキーはい!これを通信機と一緒!耳に付けて!」
僕はナナミからイヤホンの左耳の部分を渡されてそれを右耳につける。ナナミは左耳にイヤホンの右側部分を装着して動画再生ボタンを押す
するとタブレット画面から動画が動き出しイヤホンから通信機同様音楽が流れ始める。するとステージの上には4人がダンスを始めると何か座る描写に切り替わる!情報弱者の僕には全く分からない、、、
するとピンク一面とチェスの背景に金髪の女性が王冠を被り犬を抱きかかえる姿。次のシーンはナナミの推しと言ってた金髪の女性がインコを抱え、日本刀を持ち、ピコピコハンマー??、、、何なのかサッパリ分からない。かなり独特なファッションをしているだけは分かる。
次は赤い髪の女性が白いドレスを着て台座の上に乗り黒い服の同じ女性と向き合っているシーン。まるで意味が分からない。その次は車がひっくり返って燃えてる中、傘をさしている黒服の女性、、、僕個人的にこの人が一番美人だなって思った。そして最後に4人全員で激しいダンスをする、、、
(2番に続きますがカット)
「、、、どうミッキー?戦闘曲これにしようと思ってるんだけど?」
「ごめん、、、音楽聞かないからこういうの良く分からないけど。曲はすごい良かったし良いと思う」
「うん!じゃあこれにするわー。ありがとう!」
イヤホンを取って周囲を観察すると棚の所にあの動画でも出てきた黒とピンクのピコピコハンマーがある。
「ナナミー。これピコピコハンマーだよね。あの曲でも出てきたけどこれ何ー??」
「これ!!公式が出しているペンライトだよ!」
「えーーー!!!ペンライトなの!!へぇーすげぇーな、、、」
「ミッキーは動画見てみてどの人が一番好き??」
「え。、、、んーあの人かな。傘さしてた黒髪の人、、、一番かわいいなとは思ったけど」
「へぇー。あのオペレーターといいミッキーって相変わらずおねぇさん系好きだね。絶対年上のおねぇさんタイプでしょ!!」
「、、、そんなことないと思うよ、、、ハハハ!!」
正直図星である。昔から何でもやってくれる頼れる年上お姉さんは好きなのだ。とりあえずナナミにタイプがバレないよう誤魔化し笑いをしておいた。
ナナミの家で楽しく雑談して夕方に差し掛かるころくらいに家を出たナナミとはそこで別れた。15分足らずくらいで家に到着してその後ゆっくり白石さんと楽しい話をして1日を終えた。
白石さんにパソコンを貸してもらいナナミの言ってた4人組のガールズグループを検索にかけて
「白石さん。この人たち知ってます??」
「うん知ってるよ!!私SNSフォローしてるもん」
「マジかよ、、、俺かなり流行に遅れてるんだな、、、」
「これこそ!!白石さんこの動画サイト知ってます??」
「え。ハルト君逆に知らなかったの??最近の学生は皆当たり前に見ているものだと思ってたけど、、、知らない人もいるもんね。私このサイトでマ〇カーのゲーム実況とかいつも見てるよ」
「マジかよ、、、、」
体は若くても最近の流行についていけないおじいちゃんでした。




