<第54話> 真のクライマックス
「な、、何ということでしょうか!!ルーク選手スーツを脱ぎ捨て姿現したのは作りこまれた肉体美!!これこそがルーク様の目指されたアート!!素晴らしい、、、素晴らしすぎるぞおおお!!!」
スパッ!!スパッ!!シュッ!キン!キン!
「堕ちろ!!三木ハルト!!!」
「、、、クッ」
体が身軽になったのか以前よりも格段にスピード性が向上し光の槍で何度も刺そうとする。僕は隙を見ながらダメージを与え3次元的な動きを繰り返し相手の意識を錯乱させる。
「いちいち回転しやがって!!うぜぇんだよ!!」
「食らええ!!ライトニングラビリンス!!!」
光の束から放たれる光線はリフレクターシールドに当たることで様々な角度へ屈折していく。それを放射することで周囲に近づけさせないようにする!!
僕は気持ちを1点に集中させると体はエネルギーに変化!!ネットのように張り巡らす光の軌跡をすり抜けながらルークに近づいていき
「エネルギーエミッション!!!!」
「お前ええええ!!!!」
僕は彼の顔面を地面に叩きつけるように上から拳を真下に振り下ろした。彼が気付いた時にはガードが間に合わず思いっきりその拳を食らった!
「おらあああああああああ!!!!」
ズゴーーーーンン!!!!!!
「、、、倒したか?」
ジュバァ!!!
光の束が飛んできた!!僕は自慢の反射神経で光線を避ける、、、まだ死んでいないみたいだな。
「あああああ!!!私の顔面を酷く汚してくれたみたいだなあ!!殺してやるよおおおおおお!!!」
システムオーバードライブの残り時間が分からないまま無我夢中でルークの攻撃を避けていく。ルークは血まみれの自分の顔を舌で舐めまわす。その姿は狂気に満ちている。光の束を突いて!突いて!突いて!落ち着く素振りを見せず大暴れるする牛のように獲物に真っすぐぶつかってくる!
サッ!!!サッ!!!サッ!!
「死ねえええ!!!三木ハルト!!!」
システムオーバードライブを使ってもその素早さに追いついてくるルーク。彼は自制心を失いもはや人間を辞めてしまっている。変わり果てた化け物は欲望のまま僕を殺すためだけ光の刃で刺し続けようとする!!その勢いに圧倒されて攻撃を返すことができない。
「お前の首は一番みんなの見るエントランスに飾ってやるからなあああ!!胴体は俺が晒し吊るしてやるよ!!」
ピッ、、、ピッ、、、
「マズい!!」
この音はシステムオーバードライブ残り時間10秒のサインだ。この先どうすればいいんだ!!ルークは今にも僕を殺す勢いで迫っている。仮想戦闘システム「バーテックス」。人はこんなに窮地に追い込まれると人格を失い殺伐としてしまうのか、、、これはスポーツではない。ただの殺し合いだ!
ピーーーー
僕のABD「システムオーバードライブ」は緑の輝きを失いクールダウンしてしまった。制限時間後、、、それはエネルギー切れ。ABDはもちろんライデンも起動できない!!
「エネルギー切れかあ??はははは!!!チェックメイトだなあああ!!!」
グサッ、、、
「あああああ!!!ミキ選手のABDは活動時間終了!!その隙にルーク選手左わき腹に渾身の一撃!!ミキ選手の腹は貫通しておりこれは再起不能か??立ち上がれるか??」
ルークは再び刺した刃を引き抜くとよだれを垂らしながらあざ笑い
「これが最高のフィナーレだああああああああああああああ!!!!」
ピーーーー
「ここでルーク選手もエネルギー切れだあああ!!!これは熱い展開になりそうだああ!!エネルギーが切れた者同士。泥水を掛け合う地獄の決戦!!これは歴史に残る戦闘の予感!!!」
右手に作り出していた光の槍は姿を消し去った。その瞬間ルークは腰に巻いてるABDを思いっきり地面に叩きつけうつ伏せに倒れこむ僕の体をつかみ取り顔を何度も殴り続ける!何度も!何度も!何度も!
「おい。俺のこと覚えてるか??、、、シンだよ。ずっとお前の戦い見てたぞ。、、、強くなったな。立ち上がれよ、、、運命はお前が味方してくれてる!!!!」
「エリザベス!!!!」
僕は目を覚まし体を起き上がらせたと同時ルークの体を地面に押し倒した!!体を精神力だけで維持させていて興奮のあまり体の痛みを全く感じなくなっていた。
「、、、ABDを捨てろ。最終決戦だ、、、」
ルークは拳を構えフットワークを行っている。僕も言われた通りABDを外し一呼吸をおく。
ここで決める。あの技を!!!
すぅーーはぁ、、、
タイミングを伺うために相手の行動を見極める。その瞬間時の感覚がゆがみ始める
ルークは左肩を正面に持っていきその反動で右手を直角に折り曲げる。右手を強く握ったことで手首には無数の浮き出た欠陥。血と汗と戦いによって染みついた汚れで皮膚を真っ黒にしたまま半円周軌道を描き。全体重を拳に込めた!!!
「今だ!!!」
全体重を後ろに持っていくことで体は自然と回転し拳から漂う熱気を冷ますくらいの素早さで避けつつ左足でルークの脛を掬い出す!!!
「、、、、!!!!!」
スパッ
「諦めろ、、、お前の負けだ」
仰向けに倒されたルークは目を見開いた時には視界いっぱいに三木ハルトの手の甲で覆われていた。
ルークは最後の力を振り絞ろうと全身を活用するが。顔を手の甲でふさがれている以上何もすることができない。
「、、、私のことが嫌いなんだろおおお!殺せ、、、早く殺せよおおおおお!!!!」
「、、、」
「その醜い顔で私の顔を粉々にしろよおおおおおおお!!!!!」
「諦めろ!!負けを認めろ!!!」
「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
ルークは失望しきった顔をしながら地面を這いずり自分のABDを掴むとサイドについてる「自滅ロストボタン」を押す、、、
ブーーーー!!!
「試合終了!!!エネルギー切れを起こし最悪な泥沼戦を制したのは「エネルギーデーモン」三木ハルトだああああああ!!!!これにより三木ハルト選手は正隊員に昇格が正式に決まりました!!!新たな舞台バーテックス<ポーン>級で新たな活躍ができることを期待しています!!!今回の実況は足立がお送りしました。この後三木ハルト選手によるインタビューが行われます。それだは次回のバーテックスもお楽しみに!!!Have a nice day !!」
「、、、やった。勝ったんだ!!!」
第1対戦ルームには大歓声が巻き上がっていた。




