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<第49話> フェイト・オア・ディスティニー

一昨日ぐらいからエリザベスが1か月の謹慎処分からあけて担任に復帰した。エリザベスは生徒たちから「免停ティーチャー」とイジられる。それを彼女はいちいちマジギレし前方の教卓を思いっきり蹴っ飛ばす。なにも完璧で落ち度のない先生だと思っていたが実は相当短気でしょうもないことで激怒して授業放棄するとんでもない先生だったのだ。



「あんたらもう一度言ってみろ、、、その時はあんたの首を持って学校中引きずりまわしてやるからな!」



ガゴン!!!!(教卓を蹴っ飛ばす音)



「分かった???返事は!!!!」



「、、、はい!!」



「、、、授業始めるぞ」



久しぶりのエリザベスによる古典の授業が始まる。黒板に書かれた薄くて汚い字は相変わらず読みにくい。説明は適当だし生徒に圧力をかけて質問させないようにする。本当この人女性なのにガサツで品がない。何かの間違いで白石さんに戻ってくれないかな、、、



「じゃ佐倉。2行目の『なる』説明しな」



「断定、、、の助動詞、、連体形すか?」



「間違ってないな。それでいい」



エリザベスのテンションが低すぎてクラスの雰囲気は最悪だ。いつ再び教卓を蹴り飛ばしてもおかしくない状況。彼女が純粋な心で笑顔を見せるところは見たことは誰も無い。白石さんをあざ笑う時が唯一の笑顔で人を落としていることしか常に考えてないといわれるほど。指導者としては優秀でも人としては最悪。それがエリザベス。彼女のことが好きな人はまずいないだろう。



「、、、3日後のテスト頑張れよ。テスト内容は私の感情で作るから。覚えとけよ」



見た目もうそろそろ30代だろうにこの人は大人げない。基本彼女はSで人をいじめるのが大好きなのだ。



「ミキ君?勉強始めてる??」



隣の席にいる河野ちゃんが話しかけてきた。



「え?何もしてないけど??」



「ヤバくない?エリザベスの作るテストは激ムズなんだよ!0点だってたくさんいるのに、、、」



でもそんなことしてる暇なんてない。次のバーテックス勝たないと、藤原ルークに勝たないと除隊宣告、、、もう二度とアブトルに戻れることは無い。河野ちゃんもそのことは分かってるみたいだがテストも大事だよって言うことを伝えたかったらしい。




授業が全て終わり放課後。すぐに藍田塾へ向かい藤原ルークの戦闘データを取りに行く。テスト直前前よりもアブトルには行きかう人は減り。エレベーターに乗ればABD研究員に「期末テストはどうしたの?」と言われる始末。地下3階僕は風を切るように藍田塾受付に向かった。すると



「ハルト君!藤原ルークの戦闘データ作ってあるよ!!」



そう手渡されたのは白石さん専用のUSB。デザインが可愛らしくていかにも女の子の私物だ。USBには付箋が貼ってあり内容は「藤原君との対戦日は7月21日17時 場所は第1観戦ルームだよ! ハルト君頑張ってね! 白石<ミカンのマーク>」と書いてある。愛のこもった綺麗な字にうっとりしていると



「ほら!!早くいかないと!!」



「白石さん、、、実は次の試合勝てる自信なくて。エリザベスや白石さんも何で僕が次負けるかもしれないって言うのに焦らないんですか??」



「、、、これを言ったらやる気出してくれる??」



「え??」



白石さんが一つ秘密を話してくれた。それはエリザベスについてだ。



「前にシックスセンスについて話したでしょ?実はその事についてだけど。エリザベス先生のシックスセンス。それは他人の運命を読み取りその人にその先の運命を投影させる能力。相手の運命を読み取ってそのまま相手の視界に映しだす。運命は過去、現在、未来の行動全てのことを指す。何回かあなたも幻覚や夢でエリザベスが映し出したあなた自身の運命見たことあるかもよ?彼女にはすべてが見えている。私の運命もハルト君の運命も。7月21日までにバーテックスで1勝するっていう条件に同意したのは彼女にはもうすでに成功している様子が見えているのかもね」



「私はエリザベス先生の能力を信じる。あの人の言った予言結構当たるんだもんー。間違いないと思う。だからハルト君もエリザベス先生を信じて藤原君と戦ったほうがいい!!」



エリザベスのシックスセンス「運命を司る能力」、、、彼女が過去に見せた自信に溢れた発言。すでに結果が見えている。だからジョウホクが爆発したことや蘇るカドガウラの記憶は全てエリザベスにも分かっていたのか??彼女の謎がどんどん膨らんでいく。エリザベスとは一体何なんだ??

この国の名前っぽくないし出身地不明。プライベート不明。どこからかやって来たか不明。年齢不明(見た目は20代後半)。僕はエリザベスの謎について調べたくなった衝動に駆られる。彼女の正体が知りたい!!



「白石さんありがとうございます!エリザベスを信じて頑張ります!!!」



「私も応援してるよ!!ハルト君ファイト!!」



不思議なのが白石さんは本当のことを言ってるはずなのになぜか怪しいと疑ってしまう。なぜなんだろう、、、昔からそうだが全く怪しくない人から黒いものが見える。





戦闘データをいつものように演習ルームに運んでレプリカにデータを送り込む。そして戦闘開始!!藤原ルーク。外国人っぽい名前をしているが顔はいたってどこにでもいるような顔。少し堀が深いので外国人と間違える人もいるらしい。彼のABDは「ブリリアント」という名前である。能力は周囲の光を集めて殺傷能力の高い光の束を生成したり。エネルギー弾を全て跳ね返すABW, OT種の「リフレクターシールド」を利用して光の球でテニスをする。反射を生かしたフェイントショット。



極め付きはクライマックス「プリズム・スペクトル」周辺の光やエネルギーは一定時間分散しお互いにABDを使用することができない!最後の対戦相手にして非常に相性が良い。この戦いのポイントはできるだけ前半で藤原ルークを追い込み直接対決に持ち込めるか。タイマンだったら僕も自信がある。どっちが強いか勝負だ!!



藤原ルークは身軽で空中戦を好む。空中で体をひねりライデンの真空波を避けつつその回転を生かしながらビームを飛ばしてくる。ABWは「シード」と呼ばれる西洋剣を右手に持ちつつ「リフレクターシールド」でガードしながら付いてくる。小刻みに回転を入れその隙にビームを数発。階級<ナイト>ながらも全距離対応。立ち回りレパートリーが多く僕は藤原ルークに翻弄され続ける。特に回転コマのように回転しながら剣を振り回してくるのは脅威でしかない。しかし欠点もある。どうしてもパワーで負けてしまうところだ。システムオーバードライブを使えば細かい攻撃も全部跳ね返して直接攻撃することができる。



本当の問題点はクライマックス「プリズム・スペクトル」後だろう。彼は全体的に運動神経が高くABD抜きでの体力テストは1位と言われている。ABDなしの一騎打ちはそんな彼を倒すことができる大技を用意する必要がある。それこそが『見切り」だ。見切りはエネルギーを消費する技ではない。だから終盤は「見切り」を使用して倒すのが理想的と言えるだろう。



藤原ルークのレプリカとの戦闘記録は40試合中5勝。初回にしてはいい結果だ。



その後僕の体が朽ち果てるまで戦い続けた。



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