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<第48話> 水泳学習

奥田ミヤビ、菅原アツヤに負けて、、、残りは1戦。藤原ルークとの戦いに勝たなければ除隊が宣告される。何としてでも勝たなければ、、、エリザベスから教えてもらった『見切り』を習得しなければ。ずっと気になっていたのだがエリザベスはこれから僕に訪れる絶望的な未来について恐れを見せず謎の自信でアドバイスをしてくる。ジョウホク作戦の時も僕を戦場に行かせることで除隊処分が下されることも、本人がクビになりかけたことも最初から分かってたはずなのに、、、どうして僕をバイクに乗せたのだろう、、、彼女には僕の運命が見えているのか??いやそれが彼女自身のシックスセンスだとしたら!!!



彼女は思い通りの運命を導くために仕組んでいるに違いない!!エリザベスは何を企んでいるのか??



、、、『見切り』は運命を切り開く鍵なのかもしれない。エリザベスは藤原ルークとのバーテックスを既に見添えていたということもできる。彼女は一体何者なんだ!!!




「ミキ、、、お前どうしたんだ??」



「え?、、、今どういう状況??」



「次の授業!プールだよ!!早く着替えようぜ」



「う、、うん!!」



7月に入って体育の時間は水泳に切り替わった。今回で3回目の水泳で学校にある25mプールで競泳をメインで行う。うちはアブトルの一部ということもあって水泳にはとても力を入れている。そしてクラスの男子にとって年に一度のビックイベントでもある。クラスの女子の貴重な姿を脳裏に焼き付けようと必死である。



もちろん水泳の授業では競泳用水着というものが必要になる。それが必要なんだとは白石さんには言えなくて「学校で必要なものがあるからお金をください」とだけいってこっそり水着を買いに行った。さすがに白石さん」に水着を選ばれるのは恥ずかしい。



教室で男子が、更衣室で女子が別れて着替える。制服を脱ぎ捨て海パンを履こうとする。するとある男子がこんなことを言い出した。



「女子の更衣室覗きに行っちゃおうぜ!!」



「、、、おいおい見つかったら大変なことになるんじゃねぇか??」



「大丈夫だ。俺には考えがある、、、」



「、、、なるほどな。それはバレないわ」



どうやら更衣室に侵入するのではなく窓やドアの近くに進路を塞ぐように立っているだけ。あとは空いてる隙にこっそり覗けばいい。ドア付近は男子の群れによって込み合い出ずらくなっているので長時間ドアが開けられ見放題。多い人数でやればやるほど一人当たりに圧し掛かるヘイトも少なくなるし。女子も笑って許してくれるだろう。考えられた作戦だ。僕も少し興味がある。ある男子が手あたり次第参加するクラスメイトを探す



「ミキ、、、やるか??」



「ーーーん、、うん」



「カイセイは??」



「興味ないな」



嘘つけ。カッコつけやがって。河野ちゃんはプール普段入らないから話に乗らないだけだ。お前彼女のパンツたまたまな見ちゃったとき顔真っ赤にしてニヤニヤするほどのムッツリスケベなの知ってるんだぞ!クラスの男子ギャフンと言ってやれ!!



「お前知らないんだぁ、、、河野ちゃん今日久しぶりに入るみたいだぞー」



「話が変わった。何としてでも成功させるぞ」



佐倉カイセイはクールな口調で作戦に同意した。そのギャップが変態紳士のようである。



「よし、、12人いれば問題ない。作戦開始!!」



早速更衣室へ向かった。僕は窓の前で3,4人ぐらいで集まってチラチラと更衣室の中を見る。その様子はご想像にお任せするが柔らかそうな白い肌と発育途中のあれに男子たちはとても興奮した。最高だよぉ、、、他のやつも別の角度か顔をチラチラさせて中をこっそり覗いている。しかし佐倉カイセイに関しては河野ちゃんガン見してるけどな。作戦は守るように。



「やべ!!逃げろ!!」



一緒に行動してた男子が更衣室の中にいる女子と目が遭ってしまった!男子たちは何事もなかったように颯爽と茂みの方へ逃げ隠れる。マズい!僕がそのタイミングに出遅れてしまい他の男子は自分の視界からいなくなっていた。結局僕は更衣室の窓前に取り残されてしまった。、、、終わった。クラスの女子にボコボコにされる、、、更衣室の窓に向かって影がどんどん近づいてくる!



「あれミッキー??ここで何してるのー??」



なぜかナナミが出てきた。彼女はすでに競泳水着を着ている。



「え??何でもないよ、、、」



「ふーん、、、何か隠してる?正直に言いなよー」



「本当に何でもないから!!ね?この話止めようよな?ナナミ??」



「言っちゃいなよ、、、言った方がスッキリするよ??」



「なぁ話聞いてよ??な??ナナミ??」



「正直に言った方が良いよ、、、言わないと、、」



ナナミが握りこぶしを上にあげる。ああ女の子は恐ろしい!!!



「すいません!!!女子のことが気になっちゃってついつい見に来ちゃいました!!!」



「うん知ってた!正直でよろしい!」



「え?」



ナナミは急に笑顔になって優しい口調で話し始める。どういうわけか女子たちにその場を許してもらい僕はプールサイドへ急いで向かった。





「はぁ、、、あんたら何やってるんだよ?」



女子たちは覗きに働いた12人の男子たちを摘発したようだ。プールの授業が終わった後職員室で12人の男子とナナミも含めた目撃者の女子複数人でエリザベスに叱られていた。



「誰がこんなこと考えたんだよ??」



「、、、ミキがやろうって」



「はああ??」



考えたやつが僕に責任を押し付けてきた。そして小声で「お前が見つかったらからこんなことになったんだ責任をとれ、、、」と言ってくる。僕が見つかったことで事件に発展したわけだし、、、



「、、、そうで」



「ミッキー??ミッキーは覗きに参加してないよー。廊下にクラスの女子のタオルが落ちててそれを拾って更衣室まで届けに来てくれたんだ。優しいくない??」



ナナミがミキは無実だと嘘をついて全力でフォローする。どうしてそこまで助けようとするのか?



「、、、そっか。ミキは教室に戻っていいぞ」



「はい」



職員室の扉を開けて振り返りながらお辞儀するとこっちを向いていたナナミは小さく舌を出していた。





この後1時間ぐらいかけて男子たちに説教したらしい。授業の休み時間に佐倉カイセイが



「お前ふざけるな!ナナミに守られたからって調子に乗るなよ!次のバーテックスで殺すぞ」



よくよく聞いて見ると佐倉カイセイがガン見していた時点でバレていたらしい。女子の口から語られることはなかったが戦犯は佐倉カイセイらしい。



僕はクラスメイトの男子から追いかけまわされる。僕だけ助けられるのが羨ましいのか「お前が女にモテるとかふざけるな!!」とか嫉妬にしか聞こえない。その醜い追いかけっこを見てナナミは大爆笑している。



「はぁ、、、はぁ、、なんだよ、、今日は最悪だな」



「ミッキー?私のおっぱい見て褒めてくれたよ!!、、、もぉミッキーはおっぱい大好きなんだからぁ」



「大きい声で嘘を言うなよ!!」



「えー本当だし。私に直接言ってくれれば見せてあげるから!ミッキーの大好きなお・っ・ぱ・い!」



てめーふざけなんなよ!!! 絶対に殺す!! ミキのこと絶対に応援しないからな!!



「誰かー助けて!!!!」



「あはははははは!!!!ミッキー最高!!!!」



僕はこの日クラスの男子ほぼ全員を敵に回した。


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