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<第47話> 起動衛星

「ハルト君!準備OK??」



今日でいつも着ていた戦闘服とはさようならだ。青ベースに緑色に輝く3本のストライプはかっこいいし周りからも好評だった。つま先からかかとにかけて青から緑色に変化するスニーカーも手放すとなると寂しい気持ちになる。今日のバーテックス勝てるかどうかは微妙だ。直前練習でも3試合全て負けている。これからのためにも<クイーン>選手の立ち回りを学習しよう、、、その気持ちで勝負に挑むことに決めた。



白石さんと通信機の最終チェックを行い。いつもの掛け声



「バトル、、、、」



「チャアアアアアアアジーーーー!!!!」



「いってらっしゃい!!!!」



対戦場所は地下3階の第2対戦ルームである。今回は出待ちの観客は少ない。僕サイドのファンは全くおらず。アツヤサイドの熱狂的な女性ファンがちらほらいる。アツヤは容姿端麗で大手アイドル事務所にいても浮かない程の甘いマスク。細い手足に程よくついた腹筋、スタイルも抜群。現実世界に舞い降りた白馬の王子に虜になる女性はとても多い。対戦ルームへ向かう廊下を歩いていると裏から甲高い黄色い歓声が聞こえる。振り返ればそこには当然アツヤがいる。彼の登場だ。彼はレッドカーペットを歩くかように手を振り返し女子ファンに向けてウインクや投げキッスを行う。彼はファンサービス旺盛で自他ともに認めるスーパーアイドル。そういうところも多くの女性から人気がある所以だ。



「ミッキー!ヤッホーこっちに来ちゃった!」



ナナミが珍しく対戦ルームに来てくれた。彼女は普段観戦ルームにいることが多いのだが、、、聞くまでもなかったな。彼女は勉強しないでテストに挑むつもりだ。



「アツヤ、、、顔はいいと思うけどね、、あいつのファンとは友達になれないわ」



アツヤのファンは熱狂的すぎて民度が低いことでも有名だ。アツヤを守るべく他の選手を攻撃したりアツヤの誤った行動に対して擁護せず被害者に謝罪を要求したりなど彼女らの非行は数多く浮き彫りにされている。



「ナナミ頑張ってくる!!」



「うん!応援するよ!!」



第1対戦ルームで先に待っていると黄色い観戦がどんどん近づいてくる。今日は対戦ルームの扉前に警備員が配備されている。



「これ以上は立ち入り禁止です!!!!」



アツヤ君ー!!!こっち向いてええええ!!


アツヤ君ーーー!!!私の名前呼んでえええ!!!


あっ君ーー!!!あっ君ーー!!!



「頑張りますから!!!ファンの皆応援ありがとう!!!」



きゃああああああああああ!!!!!!!



警備員が女性ファンの群れを必死に中に入れないよう抵抗する。人気がありすぎるのも大変だな、、、



「、、、ふぅ。よろしく僕の名前は菅原アツヤ。ミキ君だよねー。個人的に君のこと応援してるよ」



「僕の名前は三木ハルト。本気で戦わせていただくよ!」



あっ君ー!!!1分ロスト決めちゃえ!!



相変わらずアツヤのファンは相手側に攻撃をしてくる。アツヤの顔1発殴るだけで帰ってくる時ジュース缶やペットボトル思いっきり投げられるらしい。アツヤファンだけは気をつけなければならない。



「戦闘開始まで残り3分。ABDを起動して下さい」



「いくよミキ君!!オービット展開!!!」



きゃああああああああ!!!!!!あっ君-!!!あっ君しか勝たん!!!



アツヤの周りには赤く輝く複数の「衛星」が斜め左に彼の周りをグルグル回っている。



「ハルト君!スーパーノヴァを行うまでには段階があるみたい。私が随時その状況は伝えるから!」



「分かりました!!」



システムオーバードライブを試合中どのタイミングで起動するか考えていた。戦闘開始までの時間は刻刻と迫っている。僕はABDの仮電源だけ入れいつでもシステムオーバードライブを発動できるようにはしておく。



「戦闘開始まで残り1分。ABWを起動してください」



「ライデン起動!!!」



僕の相棒「ライデン」を起動する。緑色に輝く刃は如何なるものを切り裂く。呼吸を整え戦闘開始までじっと待つ。



「10!!! 9!!! 8!!! 7!!! 6!!! 5!!! 4!!! 」



「3!!! 2!!! 1!!!」



ブーーーー!!!!



きゃあああああああああああああ!!!!



戦闘開始のブザーが鳴ったと同時にアツヤは衛星を円軌道を描きながら高速発射!!全てにおいて計算された円軌道。どの方向にかわしたとしても2弾、3弾と追い打ちをかけられるように設定されている。しかも視界外からのビーム。真上からの放射。



シュッシュッ!!!



例え避けたとしても上からレーザービームによる雨が降り注ぎ。辺りをダッシュしても円軌道上からビーム弾が炸裂。近づこうとすれば「アステロイドトラップ」あちらこちらに小惑星が散らばめられていて一歩も近づけさせようとしない!!



ビビビビビビビビ!!!



「クッ、、、手が出せない!!!」



被弾は少なく抑えているがこのままじゃエネルギーがもたない!!早めにアクションを起こさないと何もせず終わってしまう!!



「スーパーノヴァ。発動可能まで残り50パーセント!!システムオーバードライブそろそろだよ!!」



「分かりました!!システムオーバードライブロック解除お願いします!!」



「了解!!!」



流星群のように降り注ぐ赤い星々。アツヤは余裕の顔を見せる。圧倒的な強さにファンは大興奮していた。



「準備完了!!展開できるよ!!!」



「システムオーバードライブ起動!!!!」



まず弾幕の嵐をどうやって抜け出していくか、、、よし!!エネルギー体に変化しよう!!



左手を右ひじに添えて念力を加える。視界は一瞬にして緑色になり飛んでくる弾幕は一気に見えなくなる。その隙にすいすいと彼のいる場所まで一直線!目の前までやってきて実体に切り替える。今だ!!!



「エネルギーエミッション!!!!」



「嘘だろおおおお!!!!」



ドガアアアアアアアアアアンンンンン!!!!



アツヤの顔面を猛烈にパンチ!!!ものすごい勢いで吹っ飛んでいく。まさかやったか??



はああ???あいつマジで許さない!!!


あっ君の顔を傷つけるとか最低なんですけど!!!!


その不細工な顔でアツヤ君を殴るとか何様なの??本当死ね!!!



「やるな、、、ミキ君。だが、、、これからが本当の戦いだああ!!!!」



「マズい!!スーパーノヴァが一気に発動可能に!!!早く仕留めないと!!!」



僕は焦りを見せながら彼の腹と足にダメージを入れていく!!彼の体力もあとわずか!!血と汗が滲む熱い戦い衝突が勃発する。彼もやられっぱなしではいられない。アツヤは体中の衛星を僕に飛ばしていき体がどんどんボロボロになる。2人の体力は同じくらいだ。お互いの体に傷を入れ両者一歩も引けない状況に、、、どっちが勝ってもおかしくない!!



「菅原君から高エネルギー反応!!!!スーパーノヴァが来る!!!!!」



「終わりだあああミキ君!!!!!!」



激しく密着する体をアツヤは僕の腕を思いっきりつかむ!!必死に抵抗しても離れない!!!2人の体は宙に浮きだし始め非常に熱い高エネルギーが引き寄せられているのを感じる



んんんんんんああああああ!!!



「無駄だよ!!!そんなことしてもおおお!!!!」



アツヤの体に纏わりつく衛星は彼の体にどんどん吸い込んでいく。彼は体を丸めると熱く膨張して周辺に散っていたエネルギーが彼に吸い寄せられる!!周辺は激しい熱風が吹き荒れる、、、、抵抗しても離れることができない!!!



ぎゅいいいいいいいいいんんんんんんんんん!!!!!!



、、、、、、、



「スーパーノヴァアアアアアアア!!!!!!」






丸めた体を一気に反り返すと巨大な火の玉と化したエネルギーを周辺に大放出!!!エネルギーの結晶は宙を舞い。波紋のようにエネルギーが広がる中僕は激しい高エネルギーの光を無防備の状態で浴び続けていた。



「危なかった、、、ミキ君思ったより強かったな」






「、、、、ミッキー大丈夫???」



「ナナミ!!」



「、、、強いなぁスーパーノヴァ。私でもあれはキツイよー」



再びナナミに手を貸してもらい立ち上がる。どうやら僕がアツヤの顔を殴ったことで対戦ルーム前はすごいことになっている。



「私がミッキーの応援してるとアツヤのファンからゴミを投げつけられたから。マジであいつらクソだよ!!!」



演習ルームに出ればアツヤファンから罵倒の嵐。女の悪の部分が垣間見える。アツヤは試合を終えて更衣室に戻っているためここには選手は僕しかいない。アツヤファンは彼がいた時には決して見せなかったどす黒い声で暴言を吐き続けている!!



てめーぶっ殺すぞ!!!


準隊員の分際で粋がっているんじゃねぇよ!!!このカスが!!!


あっ君と二度と戦わないで!!!あっ君がかわいそうだから!!!



「ミッキー気にしなくていいよ。こいつらゴミみたいなやつらだから」



僕はさっと対戦ルームの廊下を抜け出して更衣室に駆け込んだ。

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