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<第46話> 第1種免許試験

あの後藍田塾にある自習室に戻って第1種免許の模擬試験を行う。3、4週間みっちり勉強したこともあり出てくる問題は既視感のあるものばかり


「これならいける!!」



僕は迷うことなく50問全て回答した。試験時間60分の中だいたい半分の35分くらいでマークシートに正解であろう番号を4つの中から選んで塗りつぶし終えた。そして結果は、、、



「ハルト君ナイス!!82点!!」



白石さんが採点した結果見事合格ラインにいった!!この調子で本番も乗り切るぞ!



家に帰ってから試験勉強の続きと間違えた問題の復習を繰り返して行う。2冊目の過去問も5周を達成しほとんどの問題を網羅したと自信をもって言える知識量。実際何回テストをやっても8割は安定していくようになり試験もおそらく合格するだろうと言われた。



最終確認に今まで間違えた問題や間違えそうな問題、分かりにくい問題を総復習して本番に備える。





試験当日



授業を終えた後机から一歩も動かず用語集を広げ今まで蓄積した知識を再度蘇らせると同時に気持ちを試験モードに切り替える。体調は万全で100%の成果が出せそうだ。教室にはだんだんとクラスメイトはいなくなっていて気が付くと僕とアオイの2人になっていた。アオイも第1種免許の取得のために勉強していたからな。



「よっ!じゃあ試験始めるからー上の時計で6時までな、、、」



「ちなみに、、、70点代は不合格だけど再試験この場でやるから。めんどくさいけど残ってな」



ようやく免許停止から復帰したエリザベスが試験監督として教室に入って来た。白石さんが言うにはエリザベスが担任として復活するのは明日かららしい。今日まで学校立ち入り禁止みたいだが完全にルール違反である。白石さんも忙しいので暇なエリザベスに任せる気持ちもわかる。



エリザベスは2人を先頭の席に座らせお互いに間隔を空けるよう指示をする。続けてエリザベスは問題用紙であろう2枚の紙を裏のまま机の左端においていく。



「、、、分かってると思うけどカンニングはするな。分かんなかったら適当にマークしろ」



その後解答用紙であるマークシートを問題用紙の上に置いていく。時間は16時55分。あと5分で試験が始まる。緊張をほぐすために深い深呼吸を入れる。




「、、、、試験開始」



その掛け声と同時に裏返しにしてある問題用紙をひっくり返してマークシートに自分の名前とクラスバングをマーク第1問から取り組んでいく



          ミカサ教育委員会指定第1種免許試験問題


              受験番号_______  名前_________________



<第1問> ABWの武器群の中で重量4キロ以上で定められる近接武器種の略称は次のうちどれか


1 GN 2 SR 3 SH 4 DH 


<第2問> ABDの正式名称に当てはまる番号をマークしなさい


1 アンチ・ビースト・ドライバー   2 アンチ・ビースト・デバイス

3 アドバンス・ビースト・ドライバー 4 アドバンス・ビースト・デバイス


<第3問> ABDはアブトル内の規定により定められたものを装備していなければならない。次のうちABDに装備しなくても規定違反にならないものを選んでその番号をマークしなさい


1 エネルギー噴出口  2 冷却装置

3 エネルギータンク  4 身体接続管理プロセッサー


<第4問> 緊急時のABD起動方法について正しくないものを選んでマークしなさい


1 指揮監督からABDの起動許可を貰ったのでABDを起動した。

2 専属オペレーターからABDの起動許可を貰ったのでABDを起動した。

3 目の前にジュウシンを確認したのでアブトル総指令室に出現報告をしてABDを起動した。

4 目の前にジュウシンを確認したので専属オペレーターに出現報告をしてABDを起動した。


<第5問> 第1級規定違反に該当しないものを選んでマークしなさい


1 わざと戦場の建物を破壊した。

2 準隊員がジュウシン討伐作戦や遠征に参加した。

3 所有者のABDを破壊した後も攻撃を続ける。

4 作戦終了時に提出する戦闘記録を出さない。



<解説は一番下にあります>




「試験終了。マークシート机の右端に置いてくれ」



エリザベスの指示通りマークシートを机の右端において手を太ももに付けた。エリザベスが2人のマークシートのを回収し終えて



「とりあえず採点してくるから。ここで待ってろ」



エリザベスは教室を出ていった。アオイの顔を伺ってみるとあまりできた顔をしていない。ちなみに僕は見直しを含め45分には回答は終えてた。9割はいかなくても8割では受かっただろう。



「ミキ?しけん出来た??」



「試験??まぁ、、、そこそこな」



「わたしかん字読めなくてー。もっとべん強しなきゃ」



アオイも少しづつであるが簡単な漢字は読めるようになってきてるようだ。すごいな彼女は戦闘力から見ての通り努力家なのは間違いないだろう。





「よし。採点終わったぞ」



エリザベスが現れてこの後合否の発表。心臓がバクバクいうようになる。1発合格、、、



「ミキ何期待してんだよ?いねぇよ合格者!!」



「ミキが76点、アオイは44点。ミキは残れもう一回やるぞ。アオイは漢字練習しなさい。漢字読めればあんた普通に合格するよ」



うわー76点!!ギリギリやっちゃうやつ、、、あと2問って。仕方ないもう1回やるか、、、ここでアオイとはお別れして別の問題で再試験を行う





「ミキ74点。あんた、、、はぁ、、、あのナナミでも3回目で受かったぞ。分かる、、、ナナミは過去2回25点とかふざけた点数取ってたから正直あいつは論外。ミキはなぁ、、、なんていうかついてねぇんだよ。4回目やるか、、、」



3回とも70点台、、、ただただ悔しい。分かっているはずなのにあと一歩。エリザベスが4回目の試験も付き合ってくれるらしいから今度は21時まで試験をやる。





「、、、試験終了。頼むぞもう受かってくれなミキ」



もう受験者が一人しかいないのでその場で採点する。



「、、、よかったな。82点合格だ」



「、、、はぁ終わった」



もう喜ぶ気力すら残っていない。やっと見飽きたこの教室から解放されると思う嬉しさでいっぱいになっていた。試験に合格した喜びなんてとうに消え失せていた。とりあえず第1種免許は取得した。あとはバーテックスで1勝するだけだ。




今日は疲れたのでアブトルには行かず直接家へ帰った。家の明かりはついていて白石さんが帰ってきているのだ。



「、、、ただいま」



「お帰り!!!試験受かった??」



「はぁい、、、4回目で」



テーブルの上には温かいご飯が乗っていて一緒に食べようという。目が死んだまま「いただきます」の挨拶をして



「、、、そうなんだ!!!ドンマイとしか言えないねー」



「もうテストなんてこりごりですよ!!」



白石さんのご飯を食べたら体力が一気に回復する。白石さんの料理には人を喜ばせる効果と癒してくれる効果もあるようだ。こんな人が奥さんだったら毎日幸せなんだろうな、、、




この2週間第1種免許合格後期末試験シーズンに突入したようだ。アブトルには人がてっきり来なくなってしまった。みんな勉強の方が大事だからみたいだ。河野ちゃんはコツコツ勉強するタイプで試験前になっても変わる姿をみせることはない。前回のテスト順位は学年4位だそうだ。佐倉カイセイは普段やらないし自分でも「勉強しないから」という癖に実は陰で勉強していてさりげなくテストの点数を取っていくタイプだ。学年でも上位30パーセントに食い込んでいく。河野ちゃんの存在が強すぎて目立たないだけであいつは普通に頭いいし努力をする。



ナナミは、、、聞くまででもないだろう。彼女が勉強するわけがない。この世から消えてほしいものランキング1位勉強らしいからな。彼女には彼女なりのポリシーがあるのだろう。それ以来竹下もアブトルで顔を見せることが無くなった。竹下を知っているクラスメイトから聞くとあいつも結構頭がいいらしい。練習を真面目にこなすタイプのやつは勉強でも真面目にやる。そのことを風刺されてるような気がした。



僕は演習ルームに全力で「菅原アツヤ」の対策を練っていた。しかし1戦も勝利を収められない。アツヤは僕の実力とは歴然の差があった。戦い続けちょくちょく戦闘スタイルを変えても、、、、ダメだ。やはり彼は強い。




気が付けば2週間後、菅原アツヤとのバーテックス公式戦を迎えてしまった。テスト前とあって実況はなしさらに人気は低下。倍率は第1,2観戦ルーム両方とも1.0倍を割った。こればかりは仕方ないことである。



「ハルト君!!勝つことを意識しないで<クイーン>選手の立ち回りを勉強するためにも頑張ろう!!」



白石さんは僕をポジティブな気持ちにさせるためにフォローしてくれる。勝てる気はしないが明日のバーテックスに備えた。






<ミカサ教育委員会第1種免許試験問題・解説>


<第一問> 『4』


問題文より総重量4キロは両手で持って軽く振り回せる重さである。さらに近接武器と書いてあるので選択肢は3と4に絞られる。両手で持てる武器なので正解は4番の「DH・ダブルハンド」である。ちなみにその他の選択肢は1番「GN・ガンナー」 2番「SR・スナイパーライフル」 3番「SH・シングルハンド」これらも覚えておくとなお良い。


<第2問> 『2』


ABDが何の略称か答える問題。ABDはAnti・Beast・Deviceのそれぞれ頭文字をとった造語である。カタカナで読むと「アンチ・ビースト・デバイス」になるので正解は2番である。ABDの日本語読みは「対ジュウシン装置」でありこれも頻出問題なので覚えよう。


<第3問> 『3』


ABDに装備しなくても規定違反にならないのはどれかを選ぶ問題。正解は3番の「エネルギータンク」である。エネルギータンクは持久戦に持ち込みたい時や膨大な量のエネルギーを消耗したりエネルギーの消費が激しい隊員が自主的に持っていくものなので持っていかなくても規定違反でもないしABDが動かないわけでもない。その他の選択肢は装備してないとABDが起動しなかったりABD使用者が危険に瀕することになるので必ず装備する必要がある。


<第4問> 『4』


ABD起動許可に関する問題。誤ってる選択肢を選ぶ問題なので各選択肢しっかり吟味し正誤判定する必要がある。1番は正 指揮監督の許可が下りてる場合はABDを使用しても良い。2番は正 専属オペレーターの使用許可が下りている場合はABDを使用してもよい。しかしあくまで専属オペレーターのみであって専属外のオペレーターからの使用許可が下りても使用できない。間違えやすい問題なので注意しよう。3番は正 指令室に状況を報告している場合はABDを使用しても良い。4番は誤 専属オペレーターに報告してもABDを起動できない。必ず指令室に報告する必要がある。よって間違ってる選択肢は4番なので正解は4番


<第5問> 『1』


第1級規定違反に該当しないものを選ぶ問題。第1級規定違反とはアブトル内で決められた規定を破ることである。規定違反には1級と2級の2種類があり。1級の方が与えられる処罰が多く最大で除隊命令が下されることがある。この問題も選択肢をしっかり吟味して正誤判定する必要がある。1番は誤 わざと戦場の建物を破壊しても規定違反にはならない。や無負えないこともたくさんあるので厳しい処罰が与えられない。自分の欲求で破壊行動を起こした場合でも最大で第2級規定違反にならない。ただし戦場外の建物を破壊すると最悪の場合第1級規定違反となる。間違いやすい問題なので注意しよう。2番は正 準隊員はいかなる理由があっても戦場や遠征に行ってはならない。3番は正 無防備の相手にABDやABWで攻撃してはならない。4番は正 作戦時の戦闘記録の提出拒否は絶対にしてはならない。よって間違ってる選択肢は1番なので正解は1番





第3問から第5問は作中でも登場してない内容を多く含んでいます。3問当たればすごいと思います。



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