<第44話> 目覚める力
第1観戦ルーム
「ミッキー頑張れ!!!ファイトファイト!!!」
「ヤバい、、、ミキ君かなり追い込まれているよ、、、」
「奥田ミヤビはこの後が半端なく強い。俺も一度公式戦で負けたことがあるからな」
会場の熱気は最高潮。お互いにクライマックスを発動していよいよ試合中盤戦。若干ミッキーが追い込まれている感じがするがまだ初勝利のチャンスはある。私も含め1801小隊一丸となってミッキーを応援する!!ミッキーファイトーーー!!!!
「ここで!!!奥田選手ニューディールを発動!!!圧倒的パワーで崖っぷちに追い込んだシステムオーバードライブでさえ体の傷が水の泡のように消え去っていきます!!!まさに合法チートおおおお!!!!」
「ハルト君!気持ち切り替えて!システムオーバードライブ解除してもう一度チャンスを伺おう!!」
「、、、分かりました」
「そろそろ行かせてもらうよ!!」
制限時間残り1分残しABD「システムオーバードライブ」を解除して僕もライデンを展開する。ミヤビは左手にライデンを持ったまま肩や胸をグイグイ自分の間合いに押しこんでくる。
うううう!!!!ううううう、、、、
体格が大きいので腕のリーチが長い勝つパワーも尋常じゃない。カウンターをしようにしても相手の胴体まで届かないし僕のライデンじゃ力によって押しつぶされるのも時間の問題。時間が経てば経つほど強くなるのは相手だから
「白石さんアウエーキングの起動時間は??」
「残り4分!!!そろそろ決めに行かないと!!」
「だけど、、、タイミングが、、、」
僕はライデンで太刀打ちすることで精一杯。次の発展技に移行することが難しい状況。身動きすらとれない、、、ライデンがこすり合うにつれ刃と刃から火花を散らす。劣勢である僕のライデンに少しづつひびが入る。相手は余裕の顔を見せて時間稼ぎをしているようだ!!!
ううううう!!!!!!くうううう!!!
パキン!!!
「三木選手のライデンがここで折れてしまった!!!マズい!!だんだんペースを奥田選手に持っていかれるぞ!!!」
「クソ!!!」
「ハルト君!!イチかバチかシステムオーバードライブを使うしか!!!」
「分かってますよ!!!」
折れた瞬間!右手を後ろ腰に当て最後のエネルギー「システムオーバードライブ」を起動!!ミヤビはとどめの一撃を腹にぶっ刺そうとするがそうはさせない!!すかさずエネルギー体になり緊急回避!!
「活動限界残り30秒!!ここで決めるしかない!!」
「、、、分かりました!!」
全身のエネルギーを右手に注ぎ込む。すると右手は緑色に輝き肥大化する、、、この状況を打破、、、つまり逆転勝利するには必殺技『見切り』成功させるしかない。
ふぅ、、、、
緊迫と白熱、、興奮に包まれた会場でただ一人冷静な状態を生み出す空間に入りびたる。目を閉じて、、集中しろ相手が来るまで待つんだ、、、
「俺のABDが完成したみたいだな!!アウエーキングの力見せてやるよ!!!」
もうすでに左肩のABDは蒼く染まり彼の手足の筋肉は最大限に膨張してこれをまともに食らったら再び立ち上がれないことは分かる。最後の最後は力試しをしようじゃないか!!!
「おらああああああああああああ!!!!ギガントマグナム!!!!!!」
目を閉じたままでも風を切る音と漂う熱気でこちらに向かってくることが分かる!!
「、、、、、、今だ!!!」
その瞬間目を見開くと筋骨隆々の巨大化した手が目の前まで接近している。拳に力をため込んだまま後退し微動するギガントマグナムを回避、、、、、ハッ!!!
「マズい!!!」
途中で取り乱してしまった!!空中で体制を立て直して!
「エネルギーエミッション!!!!」
ミヤビが後ろを振り返り!
「まだまだまだああああああああああ!!!!!!」
ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!!!!
「ハルト君!!あと5秒!!!」
ううううううううううううううううううううううう!!!!!
ああああああああああああああああ!!!!!!!
おりゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!
ズドーン!!!!!!!
「ああこの展開どちらが勝ってもおかしくなああい!!!三木か??奥田か??」
カサッ、、、、カサッ、、、、
「はぁ、、、はぁ、、、アウエーキングのパワーしてもここまで張り合うとは、、、」
「試合終了おおおおおお!!!!!!勝者は圧倒的パワーでねじ伏せた「ペースクラッシャー」奥田ミヤビだあああああああああああ!!!!!今回も熱い試合をありがとうございます!!!!残念ながら敗北となってしまった三木選手も大健闘を見せてくれました!!!SNS注目度1位おめでとうございます!!!勝敗がつくのは仕方ないことですがお互いの株が急上昇した注目度の高いマッチということには変わりありません!!1万人の観戦者へご視聴ありがとうございました!!この後勝者「奥田ミヤビ」選手からインタビューを行いたいと思います。今回のバーテックス実況は島田がお送りしました次回の試合にまたお会いしましょう!!Have a nice day!!!」
「、、、ミキ立てるか??」
「ありがとう、、、ミヤビ」
ミヤビはうつ伏せで倒れこんでいる僕に手を差し伸べて立ち上がらせた。
「お前強いな、、、よかったら1803番小隊に遊びに来いよ。これからも仲良くしてくれよな!!」
「ありがとう!!!」
戦いに負けたけどミヤビの清々しいスポーツマンシップを尊敬しこの場で握手を行い先に演習ルームを後にした。
「ミキ!!!次は頑張れよ!!!」
「今日もかっこよかったな!!!!」
「ミキ君の来ているブランド教えて!!!」
今回も負けてしまったが称賛の声は佐倉カイセイの2倍以上で僕の注目度はまた上がったような気がする。着替えるために同じ階の男子更衣室に早歩きで向かった。観客を相手にしてるほど体力も残ってないし負けてる身だから今すぐ引き返そうと思う。勝ってからこういうのは盛大にやりたい。
更衣室に戻ると目の前には1801小隊の3人が
「ミッキー超かっこよかった。次頑張ろう!!」
「ミキ君!すごい人気あるんだね!!」
「ミキまだまだだな。情けないぞあの負け方」
「えー。カイセイ??本当にミキ君と友達??」
「、、、ああつまり伸びしろがあるってことだよ」
みんな見てくれてありがとう。僕はひたすら頭を下げる。感謝感謝。
ABDや戦闘服の片づけを終えて更衣室からでると白石さんが目の前で出待ちしていた。
「白石さん通信機の電源切ってごめんなさい。あの時は興奮してて、、、」
「いいのいいの!!結果オーライだったじゃん!!今日も最高の試合ありがとうね!」
今日は二人で雑談をしながらゆっくりとお家へ向かった。その時は少しかわいい彼女とデートしている雰囲気を味わっている心地がした。




