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<第42話> ボルテージ

僕のクライマックス「エネルギーエミッション」を難なくエリザベスに避けられる。その後足を掬い出されて目の前にはエリザベスの手の甲、、、ロストこそしてないが動いたら即殺される。戦闘は終わっていないが将棋言うなら王手を賭けられても肝心の「王将」を動かすことができない状態だ。つまり負けを認めるしかない。



「、、、負けました」



ブーーーー!!



今まで使ったことない敗北宣言、試合中にABDの電源を切る作業を行った。試合中ABDの電源をきることは降参を示唆する。



「、、、おい立てよ」



エリザベスに手を貸してもらって立ち上がった。ABDを使った技には見えない、、、なのにどうしてあれだけ強いんだ??あれはどうやってやるんだ??



「1度しか言わないからよく聞けよ。これはABDを使わなくてもできる必殺技だ。必殺技と書いて必ず殺す技だからな」



「、、、名前は『見切り』って言う。相手の行動をじっくり観察するんだ。その時に必ず呼吸を整えながら冷静な気持ちを忘れずに相手の行動に全神経を研ぎ覚ませ。相手が攻撃をしてきた隙に拳に力を入れろ!上手くいけば能力なしで回避することができる」



「その貯めこんだパワーをカウンターに使うのではなく相手の上げ足を取れ。相手は避けられて気が緩んでいるからあっけなく転倒する」



「とどめはパンチを当てるよりも手の甲を使って寸止めする方がいい。その方が相手を精神的に追い詰める事ができるし諦めざるおえない」





「遅れてすいません!!!」



「白石遅いな。まぁこいつと良い暇潰しになったから許すか」



「あんた私についてきなさい。ミキについて重要な話がある」



白石さんが第3演習ルームに合流する。おそらく第1種免許試験についての話だろう。



「できるだけ早く完成させるように。これが使えれば正隊員なんて雑魚だ」



エリザベスは別れ際に一言つぶやいて白石さんと二人で第3演習ルームを後にした。




必殺技『見切り』、、、システムオーバードライブを使わなくても相手をロストまで追い込む新しい手段。実際に奥田ミヤビのレプリカでエリザベスの言われた通りやってみる。



相手の行動をしっかり見る、、、深呼吸をしながら冷静な気持ちを忘れず



ふぅぅー



レプリカは終盤にまで試合を持ち込むために様子を見ている、、、ん今なら行けると思ったのか一直線に駒を進めてくる



レプリカがサーペンター<ナイフ>を僕の胸前まで運んできた、、、



今だ!!!!!



全神経をレプリカから自分の体に!!その瞬間サーペンターの動きが遅く見える!!!!



はぁ!!!!



シュパッ!!!



僕の首はサーペンターの刃によって真っ二つになっていた。全集中はできても力を入れた状態で冷静さを保つのが難しい。だが一瞬だけ『見切り』の感覚を味わうことができた。これが成功すると敵の動きが止まって見えるのだろう。



「はぁ、、、はぁ、、、」



この技は一回使うともの凄く疲労が蓄積する。『見切り』は1試合に1度しか使えないなと感じた。これを奥田ミヤビ戦まで完成させなきゃ!!






「ハルト君!!ちょっといい???」



白石さんの話を聞いて見るとどうやらバーテックス公式戦の戦闘服を作ってくれるブランドが何社も僕にオファーを持ち掛けたみたいだ。白石さんがその中でもプロモーション力の高いブランドを3社選んだらしい。その3社の中で自分が着たい戦闘服を選んでほしいと言うのだ。二人は演習ルームから個人ルームへと移動して話し合いを開始した。




「これがハルト君に着てほしい戦闘服の資料3枚ねー」



「1枚目は。スポーツブランドからね。この3本ストライプがトレンドマーク。実際着てみれば分かるけど着心地抜群で伸び縮みしやすいジャージ素材。デザインもおしゃれで機能性も最高。でもアブトル内でスポンサー契約している人が多い、、、」



「ほうほう、、、」



「2枚目。韓国に本社がある有名なブランドね。知名度こそあってハルト君が着たらかっこいいと思う!!けれど話題性は低いかも、、、あとハルト君ABD黒だし色的にも合わないかも」



「3枚目はニューヨークに拠点を置くブランド。高級感あって話題性は抜群!!私は話題性重視でこのブランドおすすめするよ!動きやすい服を作るようにはお願いするけど、、、スポーツ用に作ってないからそこは少し不安だけど」



3つのブランドを見たけどイマイチピンと来るのが見つからない。これを着てみたいってなるようなセンスが高い服はない、、、



「白石さん3社以外もありますか??」



「ん??気に入らなかった??一応あるけど、、、」



白石さんから4枚目の資料を渡されて小さい欄に並べられた服を一つずつ確認する、、、



「なんだこれ???」



そこに描かれていたデザイン案の服はジャージ素材の長袖シャツと半ズボン。自分の体格にあってないほど太すぎる袖、膝まで隠れるズボン。シャツの縦は非常に長い。デザインは黒をベースに緑と青が無造作に散らばめられて、、、なんというか配色が絶妙でかっこいい!!!



「白石さんこのブランドにしたいです!!」



「え???これはストリート系のブランドね。知名度があんま無くて、、、アブトル中でも来てる人いないブランドだよ??、、、ん着る人の個性出るっていうか、、、話題性は高そうだけど、、、ダボダボだと動きにくいと思うよ?私はあまりおすすめしないー」



「これがいいです!!全社見ましたけどこのブランドの服を着て戦いたいです!!」



「分かった!!このブランドに注文しておくね!できるのは7月前半くらいだよー。楽しみにしててね!」



「あとハルト君!!この先のバーテックス対戦相手!!6月29日奥田ミヤビでしょ、次は7月9日に菅原アツヤでしょ!で7月21日に藤原ルークね!!合計3回チャンスあるよ!!絶対勝ちにいこう!!!」



「ありがとうございます!!!」




残り2週間日中は第1種免許の過去問をひたすら解いていく。最初使っていた過去問は鉛筆で回答しながらを1ページ1ページめくったことによってだんだん黒くなっていった。解説文に直接補足を書き込んでいたので元の文章はもう読めなくなっていた。マーカーで文字を引きまくって裏ページまで跡が残る。表紙カバーはいつの間にか外れバックに入れた衝撃か表紙はボロボロでもう何が書いてあったか分からない。5周くらいはしたかな?今は違う過去問を使って勉強をしてる。



たまにどれくらい理解しているかチェックテストをする。7割までは安定して取れるようになった。しかし合格ラインの8割まであと一歩届かず。基礎知識は出来てるはずなのに、、、覚えてない単語や知識を過去問で確認する。できない問題を少なくしていく。正直期末テストは眼中に無かった、、、



放課後はエリザベスに教えてもらった「見切り」の習得と奥田ミヤビの攻略を繰り返す。「見切り」は一瞬動きを止められるがその後のアプローチまではいかない。その後に近接攻撃でロストに持っていかれる。成功する可能性は低いにで本番では「見切り」は使えない。しかし日を重ねていくうちにレプリカ戦の勝率は8割。問題ないあとは奥田ミヤビがどのように対策してくるのか、、、裏の裏を読まなければならない。ここがバーテックスの難しいポイントである。




5日前白石さんがオペレーターとして参加して通信機を用いた指令とタイミング調整を行う。佐倉カイセイ戦や共同生活もあってか息はピッタリ。オペレーターとの息が合うと自分の実力以上の力を発揮して過去に大逆転勝利を収めた選手もたくさんいる。他の人はこういう事をしないみたいだが僕みたいにイチかバチかを狙うにはここまで徹底しないと勝利できない。大逆転勝利はいつやってくるか分からないから、、、







「ハルト君!!いよいよ明日だね!全部確認した??」



「まだですー」



「戦闘服よし!スニーカー持ってる!ライデンは、、、動くね。ABD、、、システムオーバードライブも問題なし!OKです!!」



「よし!明日は勝利って言うと気が重くなるから、、、思いきっり楽しもう!!前以上の最高の試合にしよう!!」



「はい!!!」






2020年 6月29日 17時30分




ヒュウヒュウヒュウヒュウヒュウヒュウ!!!



おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!



「今日もやって来ました!!!!バアアアアアアアアテックスウウウウウウウ!!!!6月29日公式戦、、、、」



演習ルームの中央でたった二人でこれから死闘を繰り広げるとは思えないほどお互いを称える。このとき僕と奥田ミヤビはアドレナリン全開だ!!!



「よろしく!!!三木ハルト!お前と会えるのを楽しみにしてたよ!!」



「ミヤビ!!!残念だけど僕が勝たせて貰うよ!!!!」



 つづく




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