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<第41話> 奥義

「ミキ君変わったねー。なんかいい出来事でもあったの??」



「今やらなければならないことが見つかって!!!」



理科や英語の授業中先生の目を盗んでこっそり第1種免許の過去問をひたすら解いていく。河野ちゃんにはすでに気付かれてしまったがそれ意義には案外バレないモノ。教科書と過去問を重ねて外から見ると真面目に教科書を熟読してるように見えるが実際は答え合わせを行う。



「ミキー。真面目にやってて先生感心するぞー」



まぁ真面目には勉強しているので、、、先生の話を聞いているとは言って無いけど。僕が熱心に勉強しているのを1番驚いたのはナナミだった。挙句の果てにはナナミが話しかけてきても耳に入ってこないほど。ナナミも気を使って勉強中は遠くから見守ってくれてるみたいだ。1時間目から6時間目までお昼休憩中も合間を縫って過去問の解説を読み込むなど。教室にいる間は第1種免許の勉強漬けの生活となっていった。





「ホームルームは終わり!また明日ね。さようなら!」



「よし!行くぞ!」



白石さんが帰りの挨拶をすると同時にホームルーム中に整理したカバンを背中に勢いよく背負い全速力で

廊下を走る。風を切る感じがとても心地よい!



「ほらーミキ君!!廊下は走っちゃダメでしょ!!!」



「さーせん!さーせん!」



白石さんとの接し方は学校にいるときは変わっていることに気付いただろうか。基本学校にいるときは少々やんちゃな生徒のような口調で話すようにしている。そうすることで皆と合わせることができて違和感がなくなるからだ。クラスメイトは白石さんについて「白石先生かわいいよなー」、、、「意外とおっぱいあるよな」、、「俺もあんな美人抱いてみてーよ!!」、、「ボンボンの娘って感じだよな、、、お花が好きそーな顔してるよ」、、「エッチはできなくても俺の彼女でいいから!」、、「、、、もしかしたら彼氏いるんじゃね??」、、、「あああ我らの天使が誰かのものなんて、、最悪だ。神様お願いします彼氏無しであってください!!」   こんな状況で僕白石さんと同居してますなんて言えるか。バレたら半殺しにされるぞ。やはり僕の思った通り彼女は男子からの評判が高い。あと彼女のゲーム好きはバレてないようだ。彼らのイメージを壊さないようにしておこう。できりだけ彼らに合わせて気付かれないように、、、



さぁさぁ急ごう!演習ルームへ!!



今日も奥田ミヤビのレプリカを使ったバトルだ。序盤は少し様子を伺いながらライデンで射程距離まで踏み込んでいく。真空波を出しつつ相手を動かしながらカウンター攻撃をしてきたところをさらにカウンターを仕掛ける。よしいい感じに自分のペースを保っている。相手側もガードをしないでわざと体で受けることがある。それは「ニューディール」を使って回復するので体力的には余裕があるからだ。ここのポイントは自分のペースを保ち続けること。「ペースクラッシャー」の異名を持つだけあってどこでペースを崩してくるか分からない。落ち着いて行動して相手の攻撃を無駄なく処理する能力が求められる。



「システムオーバードライブ!!」



ここでABD「システムオーバードライブ」を起動して試合中盤追い込みを仕掛ける。できればこの中盤で「ニューディール」を使うと嬉しい。完治させてもシステムオーバードライブなら少ない手数でロストまで運ぶことができるからだ。ここでクライマックス「エネルギーエミッション」を使ってエネルギー体<無敵状態>で背後まで詰め寄る。首の付け根を勢いよくパンチ!!!



ブーーーー!!!



よし!!奥田ミヤビレプリカに初めて1勝した。この後30本くらい試合を行った中、勝ったのは2,3本勝率10パーセントほどだ。勝率としてはまだまだ低いが事をうまく運べば大体勝利することが分かってくる。僕の計画した作戦は間違っていないことは事実だ。




休憩中自販機前のベンチに座っていると同じように休憩しにやって来た竹下が、



「ミキ!ケガ治ったんだね!よかったぜ!」



「お見舞いもありがとねー」



竹下は久しぶりに僕がやって来たことに快く歓迎してくれた。すると竹下が地下3階エントランスモニターに行こうというのでとりあえずついていく。練習ばかりの竹下にしては珍しいことを言う。



「速報です6月6日に起こったジョウホク襲撃事件においての新たな情報が入ってきました。死者は推定500人ほど行方不明者は現在700人弱と見られています。さらに政府によりますと1年以内に新型生物兵器「ジュウシン」が攻撃してくる可能性が高いとして出現地から半径10キロ圏内は危険区域と指定されこの危険区域への一般住人は立ち入り禁止を発表しました。ジョウホク内に住む住人は現在危険区域外にある仮設住宅で避難生活を余儀なくされており。幹線道路沿いでは住人によるデモや反対運動が相次いでいます」




「、、、、あの事件以来、、ずっとこのニュースだよ」



「『ジョウホクを返せー!!!』『俺たちの故郷に帰れないのか!!』『いつまでこの生活続ければいいの!!!』、、、中継ですこちら6番街奥の幹線道路沿いご覧のように左手にバットのような凶器を持った市民とか暴動を阻止しようとする警察が、、、このようにお互い一定の距離を保ち睨み合い緊迫した状態が昼夜続いてます!!深夜2時反対運動に参加していた男性が警察に火炎瓶を投げ込む様子がインターネットにアップロードされました。その中には男性が複数の警察官に拘束される様子も、、、」



その様子は地獄絵図。平和なミカサの向こうでジョウホク付近では大混乱の中死闘を繰り広げている地域が多発していた。自分たちの権利を守るため。明日を生きるため。僕らは安易にジュウシンから攻められないようにと正しい選択をしたつもりで爆発を選択したがTV中継を見るとこれが正しかったとは一概には言えないと思う。僕は酷く罪悪感に見舞われてしまった。正しい判断でやったつもりがこんな酷い状況を生んでしまうなんて、、、




頑張って気持ち切り替えて今やるべきことやらなければ。竹下とそう誓いお互い演習ルームに戻っていった。この責任をいつか償う必要はある。一戦士として戦う責任というのを重く受け止める必要がある。簡単な気持ちで戦士をやってはならない。





「はぁ、、、はぁ、、、」



奥田ミヤビのレプリカと何度も何度も勝負を挑み続け何時になったか分からなくなる。



ウィーン!



演習ルームの扉が開いた。普段使っている3番演習ルームには基本僕が入って練習しているのでみんな集中している僕に気を使って特別なことがない限り入ってこない。いったい誰なんだ??



「頑張ってんなミキ」



「エリザベス!!!」



「ちょっと顔を貸しな!あんたに教えたいことがある」



免許停止となって暇人のエリザベスはアオイの言う通りアブトルを徘徊しているようだ。エリザベスはポケットから携帯電話を取り出して



「白石??地下3階第3演習ルーム15分以内に来なかったらどうなるか分るよな」



ピッ



「あいつが来るまで私とイチャイチャしようよ。ほらABD腰に巻いて!!」



「、、、どうしてここに来たんですか??」



「私は教師。普段あんたなんかに構ってる暇なんてないの。私今日イライラしてるからサンドバックになりなさいよ!!」



「、、、白石さんの言う通り教師として最低ですね」



「、、、あはははは!!冗談だよ!!あんたがバーテックスに命懸けてるようにあんたが1勝してもらわないと私自身の人生も終わるんだよ!!、、、いいかあんたに必殺技教えるから見とけよ」



エリザベスは左手でこっちに来いよと挑発してきた。僕は迷わず突っ込んで彼女の右肩をライデンで切り裂いた。エリザベスはなぜかノーガード。右腕が動かなくなっている。



「システムオーバードライブ!!!」



僕はここでスパートを懸ける!!!エネルギー体<無敵状態>で目の前まで詰め寄り彼女の顔面に向かって



「エネルギーエミッション!!!」



だがしかしエリザベスが!!



「ここだ!!!!」



エリザベスが高速で後ろにスピンして体制を立て直す。あのエネルギーエミッションを避けられるだと!!!



エリザベスが利き足で僕の軸足を薙ぎ払う。僕は」その瞬間体は足元を掬われたことにより体制を崩し地面に勢いよく叩きつけられた。




スパッ



仰向けに倒れこむ僕の顔をエリザベスは指の第1関節と第2関節を折り曲げ熊の手の平ような形にして手の甲を僕の鼻の目の前で寸止めする。



「、、、、やめろ。これ以上は無理だ」



ABDの破壊やロストさせることなくエリザベスは僕を試合終了まで強制的に追い込んだ。

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