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<第39話> アクター

こっそりアオイを人気の少ない廊下へ呼び出す。



「アオイ!エリザベスにあの戦いの後何かされたか?」



「、、、たしかわたしにいろいろしつもんされたけど、、、」



「何て質問されたんだ?そして答えたのか?」



「ジュウシンをどうやってつれてきたとか。こきょうでどのようなきょういくをされたのか。それとそのABDはどこでてにいれたとか。そのほかにもいろいろしつもんされたけど、、、ぜんぶおぼえてないの!わたしはあのたたかいでまちをあらしたこととエリザベスとミキによってABDをはかいされたことそれいがいおもいだせないの!」



「あとエリザベスにがっこうへいかないかってさそわれた。しつもんされたけどたまにむずかしいことばをつかうからいみわからないところがあって、、、それをみつけたエリザベスががっこうでちゃんといちからべんきょうしようとていあんされて、、、ごはんまいにちだしてくれるみたいだからアブトルにすみこむことやくそくしてここにてんこうせいってかたちでへんにゅうしたんだ」



そう彼女の机に広げてあったのは小学生で習うはずの漢字ドリル。エリザベスは彼女の国語力を目の当たりにして学校に入れさせてあげようと優しさが芽生えたのだろう。その他にも彼女はアブトル内でもかなりの戦力になる。どうしてもエリザベスは彼女をスカウトしたかったのだろう。彼女は謹慎中のエリザベスに会ってるのか??



「エリザベスに会ってるのか??」



「うん。いまABDをつくってもらってるよ。ちか3かいのえんしゅうルームどうせうろちょろしてるとおもう」



エリザベスは彼女と僕以外に元々敵だったことは伝えてないだろうな。他の人にジュウシン軍のキングだったことを広められるのはマズい!!



「いいかアオイ!たぶんエリザベスにも言われてるとは思うけど元々ジュウシン軍のキングだったことは周りの人に絶対にばらすな!あとあの時はついつい言ってしまったがあれはあくまでも小学生枠のバーテックスで戦ったライバルって設定でいこう!演技できるか??」



「わかった。ミキのらいばるでいればいいんだね」



そうして二人で教室に入るクラスメイトは二人の様子にハテナマークを頭の上に生やす。



「ミッキー怪しい、、、絶対何かあるでしょー」



「ああ、、実はさあの、、小学生の時バーテックスやっててさ、、、アオイはそのときめちゃめちゃ強いライバルだったわけ、、、なかなかこいつに勝てなくて!!」



「アオイちゃん本当??」



「そうだよー。かおをみてこのチビどっかでみたことあるなっておもったらしょうがくせいのときたいせつにしていたABDをボコボコにはかいされたミキだったわ。むかしっからなにひとつかわってないーほんとうよわむしだからこのひと」



「でもアオイちゃんが言うなら本当かもしれないねー。アオイちゃんってめっちゃ強いの??」



「やべー!!、、、数人相手しても勝てないよ!、、、大人、、、いや子供二人でもね!!」



「ABDがかんせいしたらなんかのきかいでみさられたらいいけどね、、、たたかいならものすごくじしんあるよー」



皆納得してくれたからとりあえずこの状況は乗り切った。無表情で淡々と喋るアオイ演技上手すぎる。ポーカーフェイスすぎるだろ!しかも一言一言俺の心にボディブローを入れてくる。相変わらずのドS少女である。



「、、、、ミキえんぎへたすぎてぎゃくにあやしまれてたぞ」



次の授業は国語みたいだ、、、あ。白石さん大丈夫かな??



「お待たせしましたああ。本当ホームルーム出れなくて申し訳ありませんでしたあ」



教卓の上で深くお辞儀する白石さん。相当慌てていたのかいつもたなびくほど綺麗に整った前髪も少し散らかっている。クラスメイトたちは先生が来たことによって自分の席に座りだした。



「ねぇミキ君!ミキ君が遅刻すると一緒に白石先生も一緒に遅刻することが多いのはなぜ??もしかして白石先生と仲良し以上の関係なの??」



河野ちゃんが僕にツッコんではいけない恐怖の質問をしてくる。ああどうやって返そうか、、、



「それなー。聞いて河野ちゃん!ミッキーね佐倉カイセイとのバーテックスあと白石とハグしてたよ。本当にオペレーターと選手の関係かなぁ??どういうことなのミッキー??」



おいおいナナミそれはマズいって!!もう白石さんとの同居生活は終わっちゃうのかな、、、



「え。だとしたらさ、、、弁当も白石先生に作ってもらってるわけじゃ!普通に考えて母ちゃんがオムライスの上にハート書くか??ミキまさか、、、、」



マズいマズい!!!全部事実だ!!!どうするどうする僕!!!



「はーい先生!!ミキと先生って実はやっちゃってる聞いたんですけどそれってガチっすか?」



そんなわけないだろ!!そんなデマ流すんじゃねーよ!このままいったらバレるのも時間の問題か、、、



「ん??私とミキ君??オペレーターと選手。先生と生徒ですけど??」



「なんか噂っすけどーミキの弁当白石先生に作ってもらっている話聞いちゃったんすよー。ミキと白石先生の弁当箱見せてくださいよー。同じようだったら黒確定っすね!!」



それはアカン!!!絶対中身同じだろう!だって弁当の中身夕食作りすぎたやつとか入ってるよ!!間違いなく一緒だ、、、あぁ終わった、、、



「おいおい待ってよ皆!弁当の中身一緒だったからって黒とはか、、、」



「いいよ!弁当の中身見せるよー。本当に私とミキ君はそれ以上の関係ないから。中身が違かったらもうミキ君と私の関係について疑わないこと約束してくれる??」



「分かった。約束するよー」



白石さん一切動揺した顔を見せず笑顔のまま質問に答えていく。しかも落ち着いていて本当に大人の対応だなって感じた。心の底ではどう思ってるかは知らないが彼女の立ち振る舞いは僕らよりも上品に見えてまた白石さんに惚れてしまう。



弁当箱を職員室までに取りに行くために白石さんが陰で工作しないために後ろに2人の監視役を付けた。白石さんの自信はどこから出てくるのか、、、この時心臓がものすごいスピードで動いていることが体の底から感じる。待ってる間他のことについて一切考えられなくなり放心状態になっていた。この状況白石さんはどうやって切り出そうとするのか、、、



「ミッキー??体固まっているよ??」



「あ、、、そうだな。白石先生とそういう関係とか実際疑われてみると結構恥ずかしいなーって思って、、、ヘヘへ!」



相変わらずナナミは痛いところを突いてくる。僕のことになると結構ムキになる



「お前もやることやってるんだな」



珍しく佐倉カイセイが褒めてくる。まぁ彼自身も河野ちゃんとやることやってるしな。少しは共感できるのだろう。



「おおおと!白石先生のご登場だ!!」



いぇえええええいいい!!



僕は教卓の上に自分の弁当を置く。同じように白石さんも職員室から持ってきたであろう弁当を教卓に置いた。僕の弁当箱は長方形の箱2段である。しかし白石さんのものはボウルの形をしている。



「さぁ開けちゃってください!!」



僕は手を震わしながらゆっくりと弁当箱を開ける。周りには生徒がここぞとばかり中身を確認しようと集まっている、、、ありがとう神様、、、、



「嘘だろおおお!!!!」



「ええええええええ!!!!!」



僕の弁当の中身は昨日のパーティで作りすぎたであろう唐揚げとポテトを中心にポテトサラダと目玉焼きにご飯が入っていたが、、、白石さんの弁当の中身は野菜をふんだんに乗せたスパゲッティサラダである。僕はこの瞬間その顔でバレるだろうというくらい驚いている。クラスで一番驚いているのは僕だった。



「ね。言ったでしょ?私とミキ君は付き合ってもないしそれ以上の関係でもない。あくまでも一人の担当選手であり生徒なのよー」



「マジかよ、、、疑ってすみませんでした!!ミキもすまんな!」



「いいのーいいのー!!皆席ついて授業しよ!!」



アオイのポーカーフェイスもすごいが白石さんの絶対に真実を見せようとしない演技力にすごさを通り越して恐怖を感じてしまった。

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