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<第38話> 転校生

その後白石さんとマ〇カートを何サーキットくらいかやっても彼女の車を追い抜かすことができない。僕は明日のこともあるので悔しい思いをしたままリビングに戻ってソファの上で寝た。





「ふうあああああー ゲッ!!!ヤベ!!!!」



慌てて起き上がる!!目をこすり何度も時計を確認する間違いない朝8時だっ!!



「どうしたのハルト君、、、、ハッ!!!寝坊じゃん!!!!」



「ヤバいヤバい!!絶対エリザベス先生に怒られる!!!深夜ゲームしてたとかバレたら、、、、」



「とりあえず顔と髪を綺麗にして制服に着替え行きましょう!」



「ハルト君弁当!!忘れないで持っててね!!」



急いで顔と髪を洗う。あまりのスピードに少し雑のような気がするがそんなのはどうだっていい。ともかく制服に着替えて、、、と危ない歯磨きを忘れるところだった。あと弁当持ったか確認しなきゃ!!




「白石さん準備出来ましたよ!」



「先行っててー!戸締りは私がするから!」



僕は玄関扉をものすごい勢いで開ける!マンション外廊下をスタスタと音を立てながら走る。いつもはエレベーターを使うがいつまで経っても来ないから仕方なく階段で滑るように降りる。この時点でかなり息が上がっているがヤバいあと15分しかない!急いで中学校に向かった。



この時間は交通量がとても多い。車で通勤中の会社員や大学まで自転車で行く学生。登校班で列をなして歩いている中学生。これらの施設は中学校の間反対にあるので歩道を走っていると彼らに当たりそうになり全速力で走るなんて高度の技術力と注意力がない限り不可能だ。時にはぶつかって相手から嫌な顔をされる。すいませんと返しつつ合間合間をスーッと抜けた。



校舎の壁に掛けられた時計は15分をとうに過ぎて8時20分を指していた。紛れもなく大遅刻である。急いで昇降口に入り自分の靴箱を確認しつつ自分の所属する教室まで全力疾走した。



3年1組はやはりホームルームが始まっていた。前には言ってなかったがエリザベスは2週間教員免許停止を食らっているので学校に来ることは許されていない。その代わりを副担任の白石さんがエリザベスの担当科目国語の指導責任を急に課せられてしまったみたいだ。しかし今日は白石さんも遅刻。代わりに理科の小嶋が教卓の上に立って喋っている。僕は昨日と同じように後ろ扉を少し開けて周りの視線を確認しながらそーっと知らん顔で自分の席にすっと座ると、、、



「ミキ君また遅刻???」



「あぁ今日は普通に寝坊しちゃってさー」



「今日はバレてないみたいだ。小嶋先生の目は節穴だからかなー」



理科の小嶋は見てるようで全然見えてない。だから周りのやつらは授業中違う教科の勉強したり別の宿題やったり昼寝したりなどとにかくやりたい放題。周りのクラスメイトは僕が来たことに気付いたようだ。河野ちゃんに詳しく聞いてみると今はホームルームではなく普通に1時間目らしい。僕が時間割普通に間違えてたようだ。エリザベスも白石さんも学校に来てないことでホームルームからずっと代わりに小嶋がベラベラ永遠と喋っているらしい。しかも自分語りで本当に面白くない。



「今日のニュース!!転校生来たよ!!」



「マジで!!どこだよ!!」



「あっちだよー」



河野ちゃんが斜め右前の方向を指さすと後ろ姿であるが本を広げて体小さめ。髪が肩にかからないかで一本結びの少女がいた。授業中前を向いているのでこっちには顔が見えない。



「名前は何て言うの??」



「確かアオイ、、、神田アオイだっけなー」



「そうかー後で確認するわー、、、言い忘れた河野ちゃん昨日の試合とてもよかったよ!」



「ありがとう!!勝った記念にジュース奢ってよね!」



「それはやめときます」



もう完全に河野ちゃんは僕のこと財布目線で見ているような気がした。小嶋の授業聞いててダルいのでこの時間ゆっくり昼寝でもするかー、、、、、



キンコーンカンコーン!



「ふああよく寝たぁ」



今日の授業も終わったー。右前でクラスメイト達が囲っている、、、そっか神田アオイだ忘れてた!



「ミッキー今日も遅刻??このペースだと私の遅刻記録に並ぶんじゃない??」



「余計なお世話だ!ナナミよりも自己管理できている自信はあるぞ!」



「、、、ミッキーも転校生気になるんだー。私も顔くらいは見ておきたいな、、、早速行こうよ!」



「待って待って!!」



ナナミに手を持っていかれどんどんクラスメイトの合間合間をすり抜けていく。そして神田アオイの机前に着いた。



「神田アオイちゃん紹介するね!あなたと同じ特殊推薦編入枠の三木ハルトだよ!最近来た転校生だからミッキーと気が合うと思うんだー!!」



「よろしくねアオイちゃん、、、」



アオイの顔は色白くて少しつりあがっていて透き通った青い目。全体的に顔が幼いしそして無表情。目を細めてジッと見つめる中僕の顔を見た瞬間目を見開いて!驚いた顔で!



「おまえ!!あのときの!!りべんじしなさいよ!ずっとくやしかったんだから!」



クラスメイトはみんな驚いた顔をしている。まさか僕がこの転校生と親密な関係じゃないかって



「おいミキ!アオイちゃんと知り合いなのか??」



「いやー。アオイちゃんとは初めましてだけど、、、」



「うそいうな!わたしのABDはかいしたくせに!!」



「ああああああ!!!!」



こいつもしかして!!あのジョウホクのセントラルクロスの交差点中央でアスファルトのかけらの上で下を向いて座っていた雷・電気使いの少女!あの時は髪が長くてボサボサで目見えてるのか見えてないのか分からなかったけど!全体的にきれいになって全然気づかなかった。ABDを破壊したって間違いない!神田アオイはジュウシン軍の元キングだ!



「アオイちゃんもしかしてあの時の!!」



そうだ言われてみれば。栄養失調ぎみの小さな体格。教育をまともに受けてない幼稚な話し方と罵倒表現。あの戦いをアブトルの中で知っているのは僕とエリザベスだけ。他の人たちがアオイを知らなくて当たり前だ。どうしてここに入学させた?エリザベス何を考えてるんだ??



「、、、結局ミッキーとアオイちゃんは知り合いなわけ??」



「いや赤の他人ですけど」 「いやあかのたにんですけど」



エリザベスの企んでいることがますます分からなくなってきた。




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