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<第36話> 破壊と再生

今日の授業が全て終わった。白石さん曰くバーテックス公式戦が再開されるみたいで僕と奥田ミヤビとの対戦日時が3週間後に決まった。3週間も開けたのはまだ痛みが引かなくて練習するほどの健康状態ではないのとドクターストップもかかっているからだ。予定では5日すれば痛みも引き練習することができると言う。今日のクラスメイトは何だかせかしているような気がする



早速奥田ミヤビの戦闘記録を見に教室を出ようとするとナナミが近くに迫ってきて、、、



「ミッキー!今日のバーテックス公式情報見た??」



「え??全然見てないけど、、、」



「マジ??今日河野ちゃん出るんだよ!!チケット持ってるから一緒に見に行こうよー」



クラスメイトが急がせているのは河野ちゃんのバーテックスを見たいがためにか。バーテックスの観戦ルームは人気試合になると観戦ルームに入場制限がかかり抽選に当たらないと入れなくなる。確か僕と佐倉カイセイの戦いの時は第1観戦ルームは3.5倍,第2観戦ルームでも2.0倍だったとか。例え抽選に当たって観戦ルームに入れたとしても席は早いもの順なので取れるかどうか分からない。席は前のほうが勝者インタビューを目の前で聞くことができるため人気が高い。観戦ルームに当たったやつは席取りをするために急がせているのだ。



ナナミは同じ小隊の試合だということで特権が与えられ予約無しで観戦できるみたいだ。ただし同行者は一人までちょうどナナミは付添人を探していたらしい。普段は興味がなくバーテックス公式戦見ないらしいが無料で貰ったしミ僕と一緒に居られるなら見たいという、、、ことなので



「河野ちゃんか、、、バーテックス公式戦見てみたいな!」



「OK!早く行こー!!」





ナナミの持っているチケットは第1観戦ルームのものだ。実は第1観戦ルームはアブトルの中には無く校舎を出て右手を歩いて5分くらいの交差点をさらに右に曲がりずっと進んだところにある「私立ミカサ大学」の校内の一部らしい。言葉で説明されても全然理解できないのでとりあえず言われた通りナナミについていくことにした。



「ミッキーって第1観戦ルームの中入ったことある??」



「初めてだけど?」



「見たらビックリするよ!!」



色々なこと話しているうちに私立ミカサ大学に到着。正門の右手にある白くて大きな建物こそ「ミカサホール」。もう大きすぎて言葉が出ない。ここで有名アーティストがコンサートできるくらいの規模だ。大きなゲートをくぐると第1観戦ルームと第2観戦ルームのチケットを確認する係員が立っている。ナナミはその人にチケットを見せてその奥へと進んだ。




「ここが第1観戦ルームだよーすごいでしょ!!」



「すげー!!!」



ここに何人入るんだよ!500のキャパは確実にある。スクリーンに向かって備え付けの椅子が数え切れないほど設置してあった。2階席の中央には実況席と思われるDJテーブルや放送機材がドカンと置かれている。驚くべきことは人の数である。倍率は第1観戦ルームで1.7倍だったらしく今回の戦いはそこそこ注目度の高い試合だと言われている。もうすでに前後は先客によって占領されていて2階席でも残り3列しか空席は無かった。もっと前で見たかったが仕方がないので後ろから観戦することにした。




するとスクリーンが黒から白に変わり天井の照明は全て電源が落とされた。その瞬間第1観戦ルームの観客は一斉に熱気に包まれ爆音のBGMと歓声によって会場全体が一体感に包まれる!!



「ミッキー!そろそろ始まるよ!」



フウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!




「レディースジェントルルルルメエエエエエンンンン!!!バーテックス公式戦の時間がやって来ました!!!6月8日!梅雨の時期に入り雨ばかりで気分が晴れない人も多くいるみたいですが!ここ第1観戦ルームみんな気合と声援で雨雲を吹き飛ばしていきましょー!!!実況は私足立ユウスケでお送りします!!今回のバーテックスは女子!!現在女子バーテックス環境は選手とブランド契約に多くの対立や企業戦略が行われている激戦区でございます!!その中でもトップクラスの少女たち!まずは1605小隊より!氷の上を滑るように移動!彼女の足には要注意だ!!「フローズンレッグ」島崎レイナ!そしてチャレンジャー1801小隊より!放たれる青い糸は全てを再生と破壊を繰り返す。鬼に金棒!少女に銃!「ホワイトパルサー」河野マイ!!女子バーテックス公式戦まもなくスタートです!!」



おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!



ヒュウヒュウヒュウ!!!!!!!!!!



会場はナイトクラブみたいになって周りの観客は会場の雰囲気に飲み込まれてめちゃめちゃノリノリになっている。すごすぎる、、、これがバーテックスか、、、全身から興奮が抑えきれなくなりこの興奮はサッカー観戦以来だ!会場は試合が早く始まることを願う人が猛烈に発狂している!



巨大スクリーンにアブトル演習ルームが映し出されてそこには河野ちゃんと対戦相手島崎レイナが最終チェックとウォーミングアップを行っている!



「ねぇ見てミッキー!!河野ちゃんの戦闘服めっちゃかっこいいよ!!」



河野ちゃんの姿は以前ジョウホク戦やトキワ戦の衣装とは別だった。上半身と下半身が一つになったドレス構造にABDのベルトで締めている。さらに右肩にはブランドロゴと思われるワッペン。紺をベースとした配色に袖や裾に赤いラインが施されており胸部分は10個以上のボタンで閉じられている。下半身のスカートは眺めで長い靴下と茶色いローファー。全体的に軍と学校の制服っぽいがその配色にかっこよさがある。メイクは薄く明るい河野ちゃんとは対照的に暗めのメイクである。明るい河野ちゃんのイメージが変わる姿だった。ここでアナウンスが入る!



「戦闘開始まであと30秒」



そしてスクリーンに数字が表示されると観客のボルテージは最大限となり実況席と観客が同時にカウントダウンを開始する!



「10!! 9!! 8!! 7!! 6!! 5!!、、、」



「4!! 3!!! 2!!! 1!!!!」



ブーーーーー!!!!!!



おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!




「戦闘開始いいいいい!!!!!河野選手ああっと!!距離を確保していく!!遠距離からの攻撃か??

島崎選手も負けじと間合いを詰めていく!!!」



よく見ると河野ちゃんが持っているのは頭突き抜けるほど大きい巨大なスナイパーライフルではなく背中埋まるくらいのアサルトライフルを背中に背負っている!



「ナナミ!!河野ちゃんの持ってる武器何か分かる???」



「あれ!!トリプルエックスカービンだよ!!個人戦だとスナイパーよりアサルトライフルのほうが刺さるかもね!!」



相手はABDの能力で地面を凍らしその上をものすごい勢いで滑っている!河野ちゃんはその動きをアサルトライフルの標準で追い彼女に向けて乱射している。河野ちゃんは間合いを詰めさせないで一方的に攻撃する戦術だ!



相手もやられっぱなしではいない。空中で回し蹴りをすることで氷の壁を発生させる。発砲した銃弾は氷にめり込んでいく。



「島崎選手!!河野選手リロード中に急接近!!どうする河野選手!!遠距離攻撃にはきつい状況だ!」



相手は河野ちゃん目の前で長い足を豪快に振り回す。河野ちゃんはすかさずABDのアンドロメダの能力でシールドを生成して回し蹴りを反発させる!!



「圧倒的にこの状況島崎選手のほうが有利です!!河野選手この状況を打開できない場合エネルギー切れに持ち込まれることでしょう!!島崎選手それが作戦だったのか!」



「河野ちゃん!!がんばれ!!がんばれー!!!!」



この状況もうひたすら打開できるように祈るしかない。正直河野ちゃんがやられるのは時間の問題だ。僕がああなった場合正直どうしようもできない。



「河野ちゃんまだ隠し持ってるよ!!」



相手は回し蹴りを連発して少し息が上がっている。相手は後ろに引き返して縦蹴りを河野ちゃんに入れようとする!河野ちゃんはそちらのガードに気を取られてしまい滑りこんでいた反対の足が河野ちゃんの右足に直撃!!その右足は一瞬にして凍結して動かせなくなる。滑り込んだ相手の体はそのまま河野ちゃんをすり抜けた。チャンスだ相手は背中を見せている!!だがリロードは相手に接近されたせいで完全にできていない



「ああ!!チャンスなのに!!!」



「いやミッキー!あれが彼女の作戦通りなのよ!!」



河野ちゃんはアンドロメダを相手の背中ににそっと置くように手放す。するとアンドロメダから無数の青い糸が出てきて彼女の体に結び付いていく。アンドロメダに縛られた彼女の体は宙に浮く。



「なんだ??なんだ???河野選手が持つ青い球が!!!!島崎選手の体を宙に浮かせて動けなくする!!これからどうなるのか!!!」



河野ちゃんは右足を引きずりながら青白く輝く相手選手の所まで歩いて行いく。相手は手足をじたばた動かし拘束から抜けようとするが河野ちゃんが人差し指をアンドロメダに触れると、、、



ぎゅいいいいいいいいいんんんんんんんんん!!!!!!



青い糸が物凄い勢いで河野ちゃんの左手に戻っていき演習ルーム内は青白い光が素早くピカピカと点滅している。相手の体が青白い糸を全て抜き去ると彼女の体は解放され地面に放り出される。彼女自身にケガは一切ないようだ、、、



「どうなってるんだよ、、、、」



「ミッキー!恐ろしいのはこれからだよ!」



河野ちゃんはアンドロメダから青い糸を一本だして自分の体に接続する!!すると凍結していた右足がだんだん溶けていく!!彼女の体は完治してしまったのだ。相手は接近しようとしても足から氷を生成することができない。



河野ちゃんはトリプルエックスにアンドロメダから取り寄せたエネルギーを全チャージする。青白く輝く銃弾は追尾機能も持っている。全エネルギーを吸い取られ身動きが遅くなった相手は全弾受けて倒れこんだ。河野ちゃんエネルギーを満タンにしたまま勝利を収めたのである。



「ここで試合終了!!!河野選手恐ろしすぎる!!クライマックスが吸血能力だ!!どんなに追い込んでもこれを一たび食らえば状況は大逆転!!相手のエネルギーを吸収して自分は全回復!!これは彼女の未来に期待です!!バーテックス女子1位の座もあり得るかもしれません!!!6月8日バーテックス公式戦実況は足立でお送りしました!!Have a Nice Day!!!」



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