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<第31話> 謎の少女

「なんで!!こんな状況に人間が??」



僕は思わず言葉を漏らした。交差点の中央でアスファルトや瓦礫を積み重ねてできた椅子に下を向いたま三角座りしている一人の少女がいた。黒い短い髪で毛一本一本が散らかっている、腕や足は青く腫れあがっていてうす汚い。土ぼこりを被って黄ばんでいるがボロボロの白い服を着ている。



「人型のジュウシンか???」



「分からない、、、だが警戒はしている」



僕はこんな状況で生存できるなんて人の形をしたジュウシンしかありえないと思った。エリザベスが恐る恐る少女に近づいていき



「ここは危険だ。立ち去ったほうがいい」



と話しかけ少女の腕に触れようとすると!前髪で隠れた少女の青く輝く目が姿を現してエリザベスを睨みつける。そして触れようとした左手を少女が両手でつかんでいる。しかもそのパワーはあのエリザベスを苦しめるほどのものだ。



「、、、あなた、、、だれ?」



交差点の上部には網目のように電線が張り巡らされている。一本一本の電線からその少女に向かってもの凄い勢いで稲妻が集結、電気は彼女の両手に溜まっていき繋がっているエリザベスの左手に流し込んでいく!!


んんああああああ!!



バァァァーーーン!!!



突然少女とエリザベスの間で大爆発が起こりエリザベスが爆風に吹き飛ばされる。空中で何回も回転したが体制を立て直してなんとか生き延びた。



「あいつは人型ジュウシンだ間違いない!!!」



「いや違う!!あいつABDを起動している!」



「ABD???どういうことだよ!!」



「体に触れたとき後ろに白い機械があった。たぶんあいつのABDに違いない。あいつはジュウシンじゃない私たちと同じようにABDを使う戦士だ!」



爆風の奥にはひび割れたアスファルトの上を裸足で立っている少女がいた。少女の周りで電線は火花を散らしていて空は白く点滅している。雷がセントラルクロスに何度も落ちている。



周りを見回すとバリケードや倒壊した電線に見ただけで帯電しているのが分かるほどだ。触れたら即死だろう。鳴り響く雷をバックにして少女が



「、、、このためにうまれてきた」



彼女が人差し指を立てるとアスファルトのかけらが宙に浮きだす。少女が人差し指を突き出すことでアスファルトが真っすぐ飛んでいき始めた。



「ハルト君!!危ない!!」



白石さんからの通信だ。僕はアスファルトのかけらを右にかわした、、、がすぐ横にはもうすでに彼女がいた。



んんああああああ!!!



僕は彼女に思いっきり腹を蹴られた。しかも蹴られる衝撃に加えて彼女の体の電気を僕の体に送り込まれる。その瞬間大爆発した!僕はギリギリ耐える、、



「、、、、なんだよ、、あの速さ、、」



「あいつ、、、自分自身を電気に変えて電線に潜り込んで高速移動している!、白石原因分かるか?」



「はい。エリザベス先生の言う通りです!!彼女自身が帯電可能、さらに電気に変身することができる可能性もは十分に高いと言えます!!」



「クソ!!どうやって戦えばいいんだよ!!」



こんなに追い詰められているエリザベスを見るのは初めてだ。そして多くの対人戦を見てきたが二人の戦士が一歩も手が出ないほど強い敵は初めて見た。こいつは普通の環境で育った人間じゃない



「こいつがキングの可能性は高い、どうやって倒すか考えるしかないな、、、」



とりあえず彼女の立ち回りを見てみることにした。少女は頭上に張り巡らされた電線を人差し指で断線させて出てきたワイヤーに触れることで自分自身を電気に変換することができる。電線移動時は乗り物が出せるスピードとかのレベルではない。光速で敵の死角に入り込む、、、



「エリザベス後ろ!!」



頭めがけて少女が飛び膝蹴りを入れようとするがエリザベスは左手から剣を生成させて振り向いて突き出す。その時には彼女はいなくなっていてる。またその後ろに、、、



少女が人差し指に電気で密集させた球を生み出して投げてくる!



エリザベスは難なく球を避けたが、、、その球は地面に当たり電気がはじけ飛ぶと電線を囲むように帯電していきエリザベスや僕付近に雷が高頻度で落ちてくるようになる!僕もシステムオーバードライブを使って逃げ回るので必死だ。残り時間1分40秒!



と僕の前には少女が、、、、少女は再び僕の腹に回し蹴りを入れる。僕は地面に倒れこんでしまった。



「ハルト君!!!しっかりして!ハルト君!!」



意識はあるだがさっきの蹴りで僕の体中に電気が回って手足が動かない。運よく頭に電気は回ってきてないので会話することができるみたいだ。




エリザベスが手にたくさんの武器を生成しても彼女は姿を消し光の速さで逃げ回るので苦戦を強いられている。



「は!!!!」



その時少女が逃げ回っていると自分の切った電線を目の前にして引き返したのだ!!



「エリザベス!!分かったぞ!やつの攻略法!電線を全て切るんだ!」




「どうしてだよ??」



「電線のなかでは光の速さで動けるが電気から生身に化けるまでにそれなりの時間を有する!!こいつは断線しているところで電気から生身に変換するよりも迂回する道に進んだほうがはやい!!だから全部電線を切ってしまえば走って移動するよりも時間かかるから少しでもライトスピードを抑制することができるはず!!!」



「わかった!あれを使えばいいってことか!!」



エリザベスが右手に光の棒を生成してそれを横に振ると地面から光の筋が出てきて枝分かれしていく。光の筋は逃げ回る彼女を追うが電線に引っかかってしまい。途中で消えてしまう。作戦通りだ。この手法で攻撃していくと電柱は全て倒れて電線は交差点でぐちゃぐちゃに散らばっている。



僕は倒れたまま動けない。



「白石さん僕は生きてます!!」



「ハルト君っ!!ハルト君っ!!」




「、、、うざい、、、しね!!!」



少女がぶつぶつと言っている。雷がうるさくてあまり聞こえない



エリザベスが取り出したのはあの時使っていた黄色に輝く光線銃だ。ハンドガンを右手で持ち後ろにあるレバーを引くとL字型の銃がまっすぐの棒に変形して銃口から黄色に輝く柱が出てきた。左手にはABDで生成した黄色く輝く剣だ。



「ちょこちょこ動き回って!!大人を舐めるなよ!!」


もう彼女は光の速度では移動できない。雷が高頻度で降り注ぐ地獄の交差点中心部でエリザベスと電気を操る謎の少女との一騎打ちが始まろうとしている。




タイムリミットまで残り15分

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