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<第23話> 無力な自分

1801小隊隊員室でのパーティの後僕はいつものように演習ルームに引きこもり夜11時まで練習した。最近は人型よりも大きなジュウシンのレプリカと多く戦っている。当然ではあるがジュウシンと人とでは全然動きやパワーも違うし使ってくるし技がジュウシンのほうが迫力があったりと今までのように一筋縄でいくものではない。正隊員3人集まったとしても1体のジュウシンを倒すのにあれほど時間がかかるのだからそれはそうだろう。



僕は練習の疲れが筋肉に残ったまま少しフラフラしながら家へ帰った。部屋の電気はついていて多分白石さんは先に帰って来てる。あまりにも疲れたので風呂に入ってスッキリしたいと思って脱衣所に向かいパンツを下した。風呂の電気がついていたみたいだが僕は全然気にならない。



「よーしっ!風呂、、、、ぁ」



浴槽の中には白石さんが、、、驚いた顔をしてこっちを見ている。しかも僕は下のハンドガンをむき出しに、、、



「すいません!!!」すぐに扉を閉めた


白石さんはYシャツの上からでもわかっていた、、、何がとは言わないが細い体の割に でかい もう一度言う何がとは言わないがとりあえず でかい。すっぴんの白石さんは普段とあまり変わらなくというか肌がツヤツヤしていてめちゃめちゃきれい。白石さんはぎりぎり僕の角度から見て胸の先端とかそういうのは見えてないのでセーフかはたまたアウトだろうか。いやセーフではない。でももう少し見てみたいという欲求があるのも思春期だ。僕の中で理性の化身と欲望の化身が争い続けて混乱させている。



「すいません!!白石さんを見たかったとか!そういうつもりは一切ないんで」



僕はひたすら風呂の扉の前で謝り続けた。もう終わった。僕は白石さんに嫌われた。



「大丈夫ハルト君!もしそのつもりだとしても共同生活してる以上こうなることも仕方ないって思ってるから。ハルト君になら見られてもOKっよ!」



「ハルト君もそういう年頃だから見たい気持ちも理解してあげなきゃね。私だってハルト君に下品な人とは思われたくないから君に見せるのは少し抵抗あるよ」



「お許しありがとうございます!」



「一緒に入りたいなら呼んでー、私背中流すだけなら手伝ってあげるから」


許してはもらったけど僕が結局白石さんのを見たいみたいな展開になってしまった。そのつもりは一切ないのに(どこかで見たい気持ちは最初からあった)。背中流しか、、、白石さんのおっ、、、



まずい!ズボンの中で大暴れしている。




僕はTVを見ながら風呂の出番を待っていると白石さんが風呂から出てきて



「落ち込まないで。私そんなに気にしてないから」



こんな状態から立ち直れるわけがない。でも白石さんをネガティブな気持ちにはさせたくもないので明るく



「風呂入ってきまーす!」と言った。





二人で夕食を食べていると白石さんが突然



「ハルト君。今度のバーテックス公式戦の対戦相手決まったけど聞く?」



「本当ですか??知りたいです!」



「次の対戦相手は奥田ミヤビっていう名前の選手。何といっても耐久戦が得意で長時間走っても疲れないし傷ついた部分も自分で修復しちゃうのに結構パワーがあって後半戦にスパートを懸けて疲労している相手を襲う1803小隊のアタッカーよ」



「スパートを懸けるタイミングが重要って僕と似ていますね」



「ハルト君の短期決戦はここだ!っというところで使わないとその後は奥田君の思う壺だからね。だからと言って後半までABD温存させても彼は序盤でもそれなり決定力あるし前半で与えたダメージも自己再生して回復しちゃうし、、、ハルト君にとってやりがいのある対戦相手だと思うけど」



「公式戦いつやるんですか?」



「1週間後に予定しているよー」



僕は奥田ミヤビとの対戦に同意して夕飯の皿洗いを始める。明日からミヤビの戦闘データを調べて試合までに奥田ミヤビの戦い方を学習しようと思った。



明日も早いのでリビングの電気を消してソファの上で毛布をかけて寝た。





放課後に演習ルームのコンピュータで奥田ミヤビの戦闘データを見ていると慌てて白石さんが入ってきて



「来週の奥田君との試合中止!!」



「いったい何があったんですか??」と尋ねると



「今アブトル司令室から緊急連絡があってジョウホクに大規模なジュウシンの攻撃があるかもって。しかもその日が1週間後!!正隊員は全員その作戦に備えていろいろ計画を立てなきゃいけない。だから正隊員の奥田君は試合している場合じゃないの!!」



「ジョウホクにジュウシン??あそこってジュウシンと戦う要塞みたいなのありませんよ!!」



「アブトルは正式にジョウホクの非常用要塞を作るって発表したよ。もしかしたらミカサまでジュウシンがやってくるかもしれないとまで言われている。かなり私たちも切羽詰まらせているのよ」



「僕はその間何をしていればいいんですか?」



「とりあえずハルト君はアブトルでジッとしてて。この作戦に準隊員は出さないでと命令がでているから」



「、、、はい」



、、、僕はただただ悔しかった。あれだけ嫌いだった街が滅ぼされるかもしれないと聞くと悲しさと怒りでいっぱいになった。僕が準隊員だから守るべき故郷を守ることに参加することさえ許されない。悔しいけどジッとせざるおえなかった。



白石さんは要件を全て話し終えると急いで演習ルームを後にした。



僕は奥田ミヤビの戦闘データを見るのを止めてジュウシンのレプリカを出してひたすら戦った。結果は何度やっても負ける。佐倉カイセイのレプリカのようにうまくいく敵ではない。何度も何度も倒されては起き上がりタコ殴りにされてはまた起きる。僕は作戦に参加できない怒りを全てレプリカにぶつけた。しかし1度もジュウシンのレプリカを倒すことはなかった。システムオーバードライブを使っても。





僕は強くない。強くないから人を守れない。

そう思うようになってから僕は拳を強く握りしめることはだんだんできなくなってしまった。




タイムリミットまであと140時間

ついに第2章 戦い続ける子供たち が終了しました!!!


迫りくるジョウホクの大規模なジュウシン侵略までのタイムリミット


さらに正隊員に成れず自分は無力だと思い込み戦闘に距離を置き始める三木ハルト


ジョウホクやミカサを守るべく立ち向かう1801小隊やアブトル一同


エリザベスがジョウホクに舞い降りてエリザベスの戦闘シーンが公開!


ジュウシンが持つさらなる真実とは


次回ELIZABETH new generation <第3章> 積み重なる瓦礫   お楽しみに!!!



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