<第21話> 周りからの反応
私が小学生の頃とっても仲良しな友達がいた。彼女の名前は一花。私は人にあだ名をつけるのが昔から大好きだったから私がイチゴって名づけたの。一花だからイチゴなのセンスあるでしょ?
私は当時トキワに住んでいて近くの公園でイチゴや近所の男子と放課後集まって鬼ごっこやかくれんぼ、、、いろいろ遊んでた。私勉強は大っ嫌いだからさー学校終わって自分家に帰ることなく友達と公園で遊ぶのが楽しかった。この時は毎日遅刻しないで小学校行ってたんだよー。
特にイチゴとは学校から帰るとき、、お互い家への帰り道が分かれる交差点まで一緒に帰って、1週間に2回くらいかなどっちかの家の中で集まって恋バナしたり宿題したり。私は誰よりも男子だったから「カブトムシ捕まえに行きたい!」ってイチゴに言ったら彼女は嫌がる素振りを一切見せずに「ナナ!行こ行こ!」って近くの森まで自転車で、、、
あの頃は毎日楽しかった。大人になってもずっとイチゴと一緒にいたい!そう思ってたけど、、、
イチゴは突然引っ越ししちゃうんだ、、、隣町のミカサに。理由はお父さんの転勤って理由で。でもイチゴと離れ離れになってからもメールでやりとりはしていて「私立ミカサ中学校に進学するために受験勉強する」って言ってたなぁ。イチゴはやっぱりすごいよ。小学校からずっと頭も良かったしさー
イチゴが中学校に合格した時は一緒に喜んだよ!イチゴのお家でパーティしたんだから!!
、、、だけど突然イチゴのお母さんから電話がかかってきてすぐミカサにあるお家に向かったらお母さんが悲しそうに迎えてくれて何があったのって聞くと。
イチゴはジュウシン討伐作戦の事故に巻き込まれて死んじゃったんだって、、、
だけどそれ以外にも「ナナへ」と書かれた遺書みたいなのが見つかったらしくそこには
「私がいなくなっちゃってもナナの後ろをずっと見守ってるから」
、、、私はその日のジュウシン事故について全て調べたけどそのような内容の記事は一切存在しなかった。もちろん私立ミカサ中にも聞いたよ?そういうことはあったみたいだけど詳しいことは教えてくれなかった。アブトルには間違いなく隠していることがある。
そのあともう一度イチゴの書いた遺書をもう一度開いて見ると下のほうに小さく
「アブトルに来ればもう一度ナナに会えるかも??」
そうして私は親にミカサ中に入学したいって強くおねだりした、、、最初は反対もされたけど勉強と小学生枠のバーテックスにデビューして両方をうまくこなし親に迷惑かけないように全額免除の特殊推薦枠で入学したんだ、、、、
アブトルにはイチゴにまつわる情報をたくさん持っている。それが私やイチゴにとって良い情報か悪い情報かは分からない。私はその真実を知るために、、、
僕が目を覚ますと窓に光が差し込んでいた。あれは、、、昨日ナナミが言っていた話じゃないかと思いながらソファから起き上がりいつものように朝の支度を始める。今日も朝早くから練習だ
演習ルームから出て水分補給をしていると竹下がこっちに走りながらやってきて
「おーいミキ!!昨日の試合めっちゃかっこよかったぞ!!!」
「ありがとー!竹下も見てくれたんだ!」
「当たり前よ!!ところであのABDなんて言うんだ?」
「システムオーバードライブだよー」と言ってベルトを外して見せる。
「このABD、、、お前にとって最高の相棒かもな!!」
「本当??」
「いいなぁー。俺もミキみたいに自分のスタイルが見つかればなぁ。」
「お前以外にもおしゃれなんだな!!お前の戦闘服めちゃめちゃかっこいいって話題になってたぞ!あれお前が考えたのか??」
「あれは僕がこういうのにしたいっていったら白石さんが作ってくれたんだよ」
すると突然竹下が突然僕に近づいて、、
「白石っていう女の人ミキ絶対大切にしたほうがいいぞ。ミキの未来を大きく変えそうな予感がするよ。彼女にはみずみずしくてどこか不思議なところがある、、、」
竹下はどうやら白石さんの謎に少し気付いてるようだ。僕は竹下を信じて彼だけに
「竹下!!ミカンっていうオレンジ色の食べ物知ってる??」ととっさに質問してしまう。
「ミカン??何を言ってる?そんな食べ物聞いたことないよ」
そうミカンを知らないのは僕だけではない。最低でも子供たちには知っている人がいない。白石さんはなぜミカンっていう食べ物を知っているのか謎は深まるばかりであった。
僕は竹下と一緒に朝練を終えてすぐに教室へ向かった。
教室へ向かう途中いろいろな生徒がこっちを向いてにやにやしていていやらしい視線を感じる。皆あの試合以来僕に対する態度が180度変わってしまう。いろんな人が「かっこいい試合をありがとう!!」「あの試合以来ミキ君のファンになりました!!」とか負けたのにも関わらずいつの間にか人気者になっていた。
教室に入るとたくさんの人が昨日の試合を称賛してくれた。だが称賛されすぎるあまりちっともうれしくはない。事実僕は負けているから。クラスメイトの言葉を笑顔で返しているとその奥に一人座っていたのがいつも遅刻ばっかりしていたナナミだった。僕は囲まれていた民衆の輪を抜け出してナナミのところに向かっていく。するとナナミが僕の存在に気付いて
「ミッキー!!おはよう!!」
「おう!」
そのやりとりを見たクラスメイトは一気に散っていった。クラスメイトは僕とナナミの仲なんて知らない。一見ナナミは強そうに見えて(見せているが)意外と心はか弱くて繊細な一面がある。でも決めたことを誰が間違っていると言ったとしても自分の意思をたった1人で突き通そうとするその強さが周りのやつらみたい集団でいることでしか力を出せないマジョリティよりもナナミはとても輝いて見える。
「ミッキー!!ここ分かんないだけどー」
「僕も全然わからないんだよね」
二人の楽しそうな会話を聞いてクラスメイトは「クイーンビーとなにがあったんだ?」「あいつ強いってわかった瞬間に!仕事が早いんだよ!」とナナミの悪口を影で言い始めた。
「ナナミ。気になんないのか??」
「ミッキーに言ったでしょ?私強い人にしか興味ないから。アハハ!」
僕は自分と分かり合えそうな友達を2人も見つけたんだ。




