<第20話> エネルギーエミッション
「ハルト君!システムオーバードライブ活動停止まで残り2分!」
「おおーっと!!!三木ハルトぉぉ??武器をしまって素手で戦うのかぁ?システムオーバードライブその能力とは一体??」
システムオーバードライブを起動すると体がものすごく身軽になる。それと同時に集中力をとても多く必要とするので周りの声などが一切入ってこない。佐倉カイセイが
「なんだ??面白い!!真っ向勝負しようじゃねーか!!」
佐倉カイセイが太ももに竜巻を生成し竜巻のエネルギーをバネに変換してこちらに突っ込んでくる、、、が僕の目の前で後ろに回転!
「ハルト君!今!!」
んんりゃあああー!!
佐倉カイセイが思いっきり両足で僕の腹を蹴ろうとする同時に僕は右手を思いっきり前に突き出した。
「これは!佐倉カイセイと三木ハルト!!男の衝突!!どちらがバーテックスにふさわしいか力比べだ!!!」
だが僕の拳はシステムオーバードライブによってエネルギー体で構成されている。佐倉カイセイの両足蹴りに対してバランスを崩すことなく右ひざを押しつぶしている。
佐倉カイセイが三木ハルトの拳にバランスを崩してその拳が足をすり抜け顔面に直撃した。
ダァァァァーーーン!!!!!!!
佐倉カイセイが強く地面を打ちその辺りの地面は大きくひびが入った。目の前に砂ぼこりが舞うと奥から立ち上がる黒い気配が見えて
「ハルト君!よけて!!」奥からオレンジ色の球が!!!
僕はオレンジ色の球に一極集中する!!今だ!!!!その瞬間僕の視界の周りには緑の空間が広がり始めた。オレンジ色の球が目の前に通るのを貫通して真っすぐ抜ける。
「なんだ?なんなんだ??三木ハルト!拳による重いパンチの後!!三木ハルトの体が小さな緑の粒に変化したぞ!!!いったい何が?三木ハルトは無事なのか??この状況を誰か説明してくれ!!」
数秒経って瞬きすると目の前に佐倉カイセイがいた。
「久しぶりに楽しくなりそうだ!三木ハルトお前を馬鹿にしてすまなかった!」
「三木ハルト!!この勝負絶対勝たせてもらうからな!!」
佐倉カイセイは今出るマックスのスピードで突っ込み蹴りを連発した。僕はそれに負けじとパンチを繰り出しお互いに打撃をくらい互角といえるくらい接戦だった。拳と蹴りがぶつかり合うたび付近は衝撃波が発生してアブトル中で大きく揺れ動いたらしい。
「、、、ミキ君!さっきのエネルギー分散で残り時間30秒減少!残り1分!!」
「もうそろそろとどめを刺さなきゃ!!」
「なるほど!!お前の弱点はそう長くないところか!」
佐倉カイセイは長く生き残る耐久戦法に切り替える。僕は早くとどめを刺さなければと焦り始めて必死に拳を繰り出す。佐野カイセイはひたすら避けていく
「ハルト君残り20秒!!」
「ここで決める!!!」
僕はバク中で後ろに下がり全エネルギーを右手に集中させる。僕の右手は緑色の稲妻が身にまとい始めて、、、チャージ完了!!!!。
「残り10秒!」
「9!!」
「8!!」
「7!!」
「6!!」
命燃え尽きるまで!!!エネルギーエミッション!!!!!!!
佐倉カイセイの顔面に右手を勢いよく運びエネルギーを全て拳に込めて鼻の先に向けて思いっきり殴った。佐倉カイセイがそれに左足で対処して僕の拳を全力で阻止している。
「5!!」
おおおおおおー!!!
「4!!」
佐倉カイセイの左足がだんだん押しつぶされていく。
「3!!」
おおおおおおー!!
「2!!」
おおおおおー!!!
「1!!」
おおおおおおおおおおおおおおおおーー!!!!
佐野カイセイの左足は拳の勢いに押されて体ごと勢いよく吹き飛びその瞬間部屋一面中に巨大衝撃波が発生!白い壁はボロボロになり照明のガラスは木っ端みじん。剥がれ落ちたコンクリートで砂ぼこりで舞い始める。
「砂ぼこりが舞い生存状況が確認できません!!果たしてどちらが生き残っているのか??佐野カイセイか三木ハルトか???」
、、、砂ぼこりの中から一人だけ立ち上がる男がいた。その男は左足を引きずりふらふらしながらまっすぐただまっすぐ歩いてくる。その男が倒れこんでいる影を見て首に剣を何度も刺した。
砂ぼこりから出てきたのは、、、、、ボロボロになった佐野カイセイである。しかし三木ハルトは一切傷ついてなく眠りにつくかのようにただ地面に倒れこんでいるだけだった。
「ここで試合終了!!!勝ったのは佐野カイセイだ!!正隊員やはりその力は計り知れない!!だが新人なのに佐野カイセイを倒すギリギリまで追い込んだ三木ハルト!彼もそう遠くないうちに正隊員になること間違えないでしょう!!今後の三木ハルトを我々は応援していきます!以上で5月25日バーテックス公式戦実況は足立でお送りいたしました。Have a nice day!!!」
この試合はアブトルでも歴史に残るくらいの名試合となった。
「、、、ミッキー大丈夫??」
僕が目を覚ますとそこにいたのはなぜか山崎ナナミだった。辺りは僕と佐倉カイセイが争った跡か壁一面がボロボロになり照明のガラスがあちらこちらに散らかっており。すごく荒らしてしまったんだなと申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。
「今まで本当ゴメン!これから私と仲良くしてね!」
廊下で言われた時とどういうわけか口調とか態度がものすごく変わっていて僕の知っている山崎ナナミとは別人だ。
「別に気にしてないからいいよ。っていうかミッキーってなんだ?」
「ミッキーはミッキーでしょ!そう呼んじゃダメかな??」
「名前言ってなかったよね!私の名前は山崎ナナミ!ナナミって呼んでー」
「君の名前前から知ってるよ」
「え?そうなの?ミッキーに名前教えた覚えないのにー」
僕はナナミからに肩を貸してもらって立ち上がり演習ルームを後にした。そこには多くの人が僕を称賛する声であふれており目の前にそれを聞きつけた記者が駆けつけて
「公式戦を行ってみて感想とかありますでしょうか」と聞かれ
「あのー邪魔なんでそーゆーの後にしてもらえませんかね?」
ナナミは記者の質問を無視して肩を前に進めた。その奥には白石さんが、、僕の胸に飛び込んでいき
「ハルト君!!よかったぁー。とてもいい試合だったよ」と抱きしめてきた
「負けたのが少し残念でしたけど、、」
「そんなのどうでもいい。今回の試合でハルト君の株価めっちゃ上がってるから!」
「あれ山崎さん?お友達だったの?」
ナナミは違う方向むいて知らないふりをする。
「知らないふりしなくていいよ。私この後対戦申し込みでいろいろ忙しいから山崎さんハルト君を家まで送ってあげて!」
ナナミは白石さんの優しいフォローも全てガン無視した。
僕は白石さんとはそこで別れて再びナナミの肩を貸してもらう
「あの女とどういう関係なの?」
「オペレーターだよ!」
「ふーん。オペレーターのくせにずいぶん馴れ馴れしいのね」
ナナミがボソッとつぶやいてエレベータに乗り込んだ。
「ミッキーってさどうしてこの学校選んだの?」
学校をでて家に帰る途中ナナミからの気になる質問が一つあった。
「僕の両親はジュウシンに殺されたんだ。僕がなにかしらの方法でジュウシンに立ち向かうためにここに来たんだ」
「やっぱ免除金で来ているのか、、、私とミッキーは一緒だね!!ミッキーといい友達になれそう!!」
僕が「え?」と返すと
「私も家にお金がないから特殊推薦枠でここに来ているの。だけどねここに来ている人どっかのお偉いさんの息子とか娘が多いから私そういう人たちに飽き飽きしちゃって、、要するに話が合わないんだよ。だからクラスにミッキーみたいな人が一人いるだけでなんだかほっとするし私も学校に来ようってなる!!」
「ナナミはどうしてこの学校にやって来たんだよ?」
「私が小学生だったときに大親友のイチゴがいなくなっちゃってそのアリカがジュウシンと深い関わりがある場所に眠っているかもって聞いたから入学したのー」
「絶対に他の人には内緒だよ、、、」
その後大親友イチゴとの過去を話してくれた。
そうするとマンションの前まで着いたので「ここからは自分で行くよ」と言って
「ミッキー!明日学校で会おうね!!」
「じゃあなー」
彼女も僕と同じようにジュウシンの秘密やアリカを探ろうとしてるんだと思うと僕は彼女に同情する気持ちでいっぱいだった。




