<第15話> 1801
今日の授業はすべて終わりエリザベスが再び前の扉から教室に入って来た。
「んじゃホームルーム始めるから席に着きな」
「業務連絡!今日トキワでジュウシン討伐作戦やるから担当隊員は各自決められた場所に集合するように。以上解散!」
エリザベスが解散の宣言をすると教室は騒がしくなりみんな机から離れ教室を後にした。
僕は白石さんに手招きされ近づくと
「ミキ君ジュウシン討伐作戦見る?」と聞かれたので
「はい!見たいです!」と即答するとついてくるように言われた。
アブトルのエントランスに到着すると白石さんは中央にいる受付窓口に向かい受付の30代くらいの女性と会話し始めた。僕はその話を黙って聞いていたが何の話かさっぱり分からない。すると受付の人が
「君準隊員証出してくれる?」
というので何のことなのかとあちこち探していると白石さんが
「名札のことだよー」
と言ってくれたのでカバンからすぐ名札を取り出して受付の人に渡し
「、、、はいOK。1801小隊会議室入れるようにしといたから」
と言って名札を返してもらった。白石さんが「レッツゴー!!」と先のエレベーターへ向かった。
「白石さん。ジュウシン討伐作戦ってどういうことですか?」
「簡単に言うと実際にジュウシンが出現するところに小隊を派遣させて討伐するってことかな」
「つまりその町はあの怪物に破壊される可能性も十分にあるってことですか?」
「いいところに気付いたねー。でもその心配は必要ないよ。実はジュウシンの出現する場所時間帯にはある程度規則性があってねアブトルにあるスーパーコンピュータが出現場所・日時・時刻をすべて予想してくれる。あとその場所が予想できればジュウシンの出現を誘導する出現操作電波塔があるからそれを街の地下に誘導して街の被害や住民に危害を加えることなく安全に戦うことができるんだよ」
「アブトルよくできてますね」素直にすごいと思った。
「エレベーターが来たよ乗ろう乗ろう!」
そう言って白石さんは3階のボタンを押した。するとエレベーターは下ではなく上へ登って行く。
エレベーターが開くと目の前に見えたのが空港とかで便の行先とかを確認することができる電光掲示板みたいなのがある。そこには上から
1会議室 16:00 1703小隊 オオクラ・ジュウシン討伐計画 10分前
2会議室 15:45 1907小隊 トキワ・ジュウシン討伐計画 会議中
3会議室 16:20 4年生TE専攻 ABW開発に関する会議
と書いてある上から順に追っていると
7会議室 16:10 1801小隊 トキワ・ジュウシン討伐計画
「ミキ君7会議室行くよ!」
白石さんに案内されて長い廊下を進んでいき7会議室に向かった。7会議室前の扉で白石さんと一緒に名札をかざすと扉が開く。そこには僕たちだけではなく2人のクラスメートと別のクラスだと思われる人4人とエリザベス、佐倉カイセイ、河野ちゃんさらに藍田塾のスーツ眼鏡と見たことない若い男の人が座っていた。
「おーいミキ君ーー」
と言っているかのような、、、河野ちゃんがこっちに気付いて手を振ってくる。僕もそれに応え手を振り返した。なぜかそのとなりの佐倉カイセイは急に不機嫌になる。しぐさでしか分からないが佐倉カイセイは河野ちゃんに別の話を持ち掛ける。そっち二人は仲良くて楽しそうだが相変わらず山崎ナナミは来ない。
「お前も見に来たのかよー」
クラスメイトの男子が話しかけてきた。すると白石さんが
「私会議の準備しなきゃいけないからあとでね」そう言って会議室を出る。
僕はクラスメイトに「そうだよ」と返事をして二人の会話が終わった。
「、、、あいつ来てないけど始めるか」
エリザベスがリーダーを務めトキワ・ジュウシン討伐作戦の会議が始まった。すると白石さんが会議室に複数枚からなる資料を全員に配布する。エリザベスが今回の作戦の名前を読み上げ細かい内容の説明に入った。
「、、、ミカサからトキワまで移動時間30分くらいだから1階には17時までに出、、ってナナミ10分の遅刻!これ以上やると留年させるからな」
エリザベスが少し山崎ナナミに怒鳴るような口調で言う。山崎ナナミは特に謝りもせず自分の席に座った。この後も会議が続き難しい部分もたくさんあったがおおまか流れは17時にはアブトルを出て18時に作戦を開始できるようにしたい。ジュウシンとの戦闘時間は目標30分以内。出現するジュウシンは以前のような白い獣ではなくトカゲのような形をしていてしっぽから莫大なエネルギーを放つアブトルでは研究済みのジュウシンだということが分かっている。
「、、、会議は終了する。1801小隊は16時45分までに1階出撃ゲートへMG専攻は指令室へ向かうように」
エリザベスが会議終了の宣言をしてみんな立ち上がりすぐに会議室を出る準備を始める。
「どう?すごいでしょ」
白石さんが僕に話しかけてくる。僕が会議を見た感想はとても堅苦しく、聞いているのにも退屈だなと感じた。、、、この後白石さんは指令室に行かなければならないというのでここで白石さんと別れる。この時1階の出撃ゲートも見てくれば?と白石さんに言われたのでこの後も忙しくはないので45分になったら1階に行って出撃する瞬間を見に行こうと思う。クラスメイトはこの後用があるらしく「じゃあな」と僕に伝え3階を後にした。1801小隊はすぐにエレベータで下に向かい人に構っている暇なんてないようだ。
エレベーターで1階に降りてみるとそこにはたくさんの車や飛行機が格納されていてそれぞれの行先に行けるようになっている。会議で集合するよう言われていた13番出撃口に河野ちゃんと佐倉カイセイがいる。
「ミキ君ーここまで来てくれたんだー。カイセイミキ君だよ!」
「よぉ」とふてくされた顔で言う。
そうして佐倉カイセイが僕の近くに行き小声で
「お前と仲良くしたいとか1ミリも思ってねーから」
と言い元の位置に戻っていった。いちいち言動がうざったらしい。
「カイセイとミキ君実は仲良し?」と河野ちゃんが言って佐倉カイセイが「おう」と答える。
なんで河野ちゃんに嘘ついてまで仲良しアピールするんだよと思いながらも遅刻魔山崎ナナミがやって来た。当然誰にも話しかけず一定の距離を保ち別の方向を向いている。
佐倉カイセイは戦闘姿は以前戦った時とABDや武器は一緒だが制服ではなく青色の高級感があるおしゃれなジャケットに首には派手なネックレス真っ白なハイカットスニーカーに真っ赤に染めた赤い髪である。一方河野ちゃんは水色の戦闘服にショートパンツで高さ70センチくらいのスナイパーライフルを担いでいて水色のABDは他の人に比べ大きめ。薄く化粧をしてあって目元がキラキラとピンク色をしている。髪は青のメッシュだ。山崎ナナミは黒とピンクのボディを持つABD。こだわり抜いた配色のセパレートで腰には起動前の折りたたまれたアビス、両耳には大きめのイヤリングをつけている。学校にいた時よりも化粧が濃くなっていてアイラインが目尻の奥を突き抜けていて元から大きい目をさらに協調させている。唇は真っ赤。髪は金髪に染められていた。
「13番出撃準備をしてください」
とアナウンスが入り13番出撃口関係者以外立ち入り禁止になったのでこれ以上見るのは諦めエレベーターに戻る。正隊員たちを生で見てとてもかっこいい。正隊員になりたいと心から願うようになった。なんとしてでも佐倉カイセイに勝って正隊員のオファーを貰いたいと強く思う。
僕はすぐに地下3階の演習ルームに向かう。




