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<第14話> クイーンビー

気づいたらもう朝で佐野カイセイを倒す方法を考えているうちに無意識のうちに寝てしまったみたいだ。リビングのテーブルの上には風呂敷で包んである弁当だけ置いてある。白石さんはどうやら先に学校に行ってるみたいだ。僕はすぐ制服に着替え部屋の戸締りをして出発した。





なんとか学校に間に合ったみたいだ。後ろの扉から教室に入り自分の席に座る。相変わらず2個前の机には誰も座っていない。



「おはよ!ミキ君。昨日の試合見たよ。正隊員に勝負を挑むってすごいよ!」



河野ちゃんだ。昨日の試合を見てくれたらしい。それを聞いた近くの席のクラスメートたちが僕の机を囲み始めた。その囲んでいる人と人の隙間から佐倉カイセイがこっちを見ている。だが佐倉カイセイはクラス外の友達に誘われてこちらを見るのを止めて友達とどっかへ行ってしまった。彼の友達はいかにも訓練で鍛え上げられていてで強そうな体格をしている。



「、、、ねぇ聞いてる?ライデン使ってみてどうだった?」



「、、あぁライデン?あれ強いよね!特に振った時に出る真空波見たときびっくりしちゃったー」



河野ちゃんに続いて僕を囲んでるクラスメートたちがいろいろ質問してくるので僕は一つ一つ丁寧に答えていく。



するとチャイムが鳴り始めた。みんなそれぞれの席に着き教室の前扉からエリザベスと白石さんが出てくる。


「よっ。んじゃホームルーム始めるから」



するとエリザベスが一人一人の名前を読み上げて出席確認をする



「あいつまだ来てないのかよ。今日実戦なのによー」



今日も一人だけ休みでたぶん学校に来てない僕の2個前の席のことを言ってるんだろうなと思った。エリザベスが全員の顔を確認して



「ホームルーム終わり。1時間目私の授業だからあんたら準備しな」



そう言ってみんな一斉におしゃべりし始めた。今日の学校がスタートする。



1時間目担当はエリザベス。教科は国語。あと河野ちゃんが教えてくれたんだが僕らの通っている中学校は高校とつながっているので学習スピードが速く中学3年生では普通やらない古文を進めていくらしい。



「三木。35ページの文章読んでみな」



「えっ、、」



、、、おいこれなんて読むんだよ。 ゑ って、る ではないしていうか魚の下部分の点々ついてるし。これひらがななのか?僕はいつものように分からなくて苦戦していると横耳から



「それ え って読むんだよ」



ナイス河野ちゃん。心のそこでガッツポーズしてるといろんな方向から35ページの文章と思われる読みを小声で教えてくれた。教えてくれた通りに声を出してなんとか文章の音読は乗り切った。



ーガラガラガラッ!!



後ろの扉が開いた音だ。僕は音に反応して振り返るとそこにいたのは髪の毛は黒髪前髪ぱっつんストレートヘアーで薄く塗ってある化粧。顔はとても小さく手足は非常に長い身長も女子にしては高め。スカートは校則で禁止されているアウトなゾーンで履いていて白肌のおしゃれに敏感な生徒だ。



「おいおいナナミ。30分も遅れてるぞー」



とエリザベスが言ってもそれを無視して僕の2個前の席に座った。僕の顔を見て不思議そうにこっちを見ている。その様子はちょっとにらみつけられている感じがした。



「あの子は私と同じく1801の正隊員山崎ナナミ。あの人朝はいつも機嫌悪いから気にしなくていいよ」



「河野ちゃんって正隊員だったの?」



「言ってなかった??後ろにいる佐倉カイセイとさっき言った山崎ナナミそして私。3人で1801っていう小隊組んでるよー」



その3人で小隊組んでいるのか。意外なのは佐倉カイセイと山崎ナナミは戦闘強そうな雰囲気をプンプンに出しているが河野ちゃんが正隊員っていうのが想像つかない。


僕は多くの人のサポートがあってか1時間目の国語は無事終えることができた。





休み時間にクラスメートが僕のほうへやってきて



「山崎ナナミとはあんま関わろうとしなくていいぞ、あいつ別名クイーンビーって呼ばれているから」



「クイーンビーってどういうこと?」僕は聞き返すと



「クラスの中ですごく騒がしくして、あいつとクラス外にいる友達と固まってクラス内で男子女子関係なく悪口言ったり学校のあちこちで悪さしたり。関わって本当良いことないから。ほっとくのが一番だ」



つまり山崎ナナミっていう人はこのクラスをまるで自分がスクールカーストの頂点のように振る舞うらしいから女王バチからとって英語でクイーンビーって呼ばれているみたいだ。



とはいえ山崎ナナミから何も酷いことされてないので特に嫌ったりもせずにそのクラスメイトに「ありがとう」だけ伝え2時間目の準備をした。少しでもクラスメートのことを知ることは大切だ。



昼休みのチャイムが鳴る。昨日は誰も一緒に食べてくれる人がいなかったが今日は近くの男子が「ミキ!一緒に飯食おうぜ」と言ってきてくれたのでそっちのグループにお邪魔してもらってそこで食べることにした。



「おい!その弁当美味そうじゃないか!!お前の弁当愛が詰まってるなー」



今日の弁当はオムライス。卵の上にハートのケチャップが、、、ってさすがに友達がいるんだからハートはやめてくれよ!!!勘違いされたらどうする!!!、、、、後で白石さんにハートはだめと伝えておこう。



「もしかしてお前彼女がいたりすんのか?」



そういった瞬間「なになに?」って言って河野ちゃんたち女子グループが近くに寄って来た。以前白石さんと共同生活を始めるとき僕と白石さんが一緒の部屋で暮らしていることを他の人に公開してはいけないと約束したの思い出す、、、とりあえずこの状況を切り抜けなければ!!



「あぁ。母ちゃんなにやってんだよ!弁当にハート書くなってあれほどいったのにー」



「そうだよな!ミキに彼女いるわけないよな!」



僕のいる男子グループが「仲間!仲間!」といって僕をからかっていると廊下からものすごくうるさい笑い声が聞こえてきた。すると教室の後ろ扉から違うクラスの少し山崎ナナミと雰囲気の似た感じの女子が



「三木ハルトっていう推薦君いるー?」



「、、、やめとけミキ。あいつのところ行ってもろくなことないぞ」



そのクラスメイトの言葉で山崎ナナミの仲間だということを確信した。



「僕行ってくるよ」



クラスメイトからは「やめといた方がいい」と言われたがずっと僕の名前を呼んでいるので何か言いたいことがあるのだろう。とっととあいつらを黙らせたいので迷いなく廊下へ向かう。廊下は僕が来た途端静かになり山崎ナナミに似た雰囲気の4人の女子が僕を待っていてその1番後ろに山崎ナナミがいた。



「あんたが佐野カイセイとバトっていた三木ハルトよね」



「そうだけど、何の用だ?」そう答えると



「ふーん、、、あんたが推薦枠とかエリザベスの目腐ってるのかしら?」



といい女子集団が一斉に大きな声で笑い出した。そしてこっちを山崎ナナミが見て



「私 強い人にしか興味ないから」



笑いながら廊下を立ち去った。心の中にもやもや感がすごく残っている。あいつらああやって人を呼び出して囲むようにして悪口を言う。あまりにも酷すぎる。僕は彼女たちと逆方向に行き教室に戻った。



「ミキ大丈夫か?お前すごい笑われていたぞ」



「大丈夫。僕のこと弱いって言ってきただけだからそれは事実だし」



「あいつと付き合ってきた元カレみんな年上のバーテックストッププレイヤーだから。俺たちみたいな普通の隊員は興味ないんだろうね」


僕は少しもやもや感が残っていたがそれ以上に河野マイ、佐倉カイセイ、山崎ナナミでチームを組んでいる1801がどんな感じなんだろうかとても気になって仕方がなかった。

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