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7.アントマン

 日曜の朝、私は目を覚ました。

 一昨日、夏帆の体内に異形の因子を植え付けられた。

 獅子は同胞とか言っていたが……。

 プルルルル、と携帯が鳴る。

 私は電話に応答する。

「私」

「私って?」

「夏帆だよ」

「どうしたの?」

「なんか、体が変なの」

「変?」

「うん。なんかね、ライオンみたいな姿してるの」

「今そっち行く」

 私は夏帆の家に急いだ。

 家に上がり、夏帆の部屋に入ると、ライオンが立っていた。

 女性だからなのか、たてがみはない。

「夏帆なの?」

「うん」

 と、頷くライオン。

「夏帆も変わっちゃったんだ?」

 私はチータスに変身する。

「これってなんなの?」

「アニマル戦士だよ」

「アニマル戦士?」

「私たちは異星人と戦わなきゃならない使命があるんだ」

「そんな……」

「それより、元に戻らないとね」

「どうやったら戻れるの?」

「イメージするだけでいいの」

「イメージ?」

「深呼吸して、心を落ち着かせるの。興奮すると変身しちゃうからね」

 ライオンが深呼吸をすると、夏帆の姿になった。

「夏帆、散歩でもしよう」

「で、でも、こんな状態じゃ……」

「だからだよ」

「うーん……」

 私は夏帆を外に連れ出す。

「ねえ、聡美」

 夏帆が私に声をかけた刹那、背後に何者かの気配を感じた。

「誰?」

 私は振り返るが、誰もいない。

「どうしたの?」

「今、誰かに見られてるような気がして」

「行こう」

 私たちは歩き出す。

 背後から足音。

「夏帆、走って」

「え?」

 私は夏帆の手を取って走り出した。

「ちょっと、なんなの?」

 すると、背後の何者かも走り出す。

 私と夏帆は路地裏に入り込み、茂みに隠れた。

 何者かも路地裏に入ってくるが、ターゲットをロストして戸惑っていた。

「なにあの怪物?」

 怪物はアリのような姿をしていた。

 コードネーム、アントマン。

「夏帆はここにいて」

 私はアントマンの背後に飛び出した。

 驚いたアントマンが振り返る。

「お前は侵略者なのか?」

 アントマンは無言で襲いかかってくる。

 私は攻撃をバックステップでかわす。

 地面に着地し、反撃に出る。

「は!」

 アントマンの腹部に蹴りを入れ、その体を吹っ飛ばした。

 アントマンは数メートル先の壁にめり込む。

 私はアントマン目掛けて突進し、高く飛び上がって強力な蹴りをお見舞いした。

 必殺のアニマルキックが決まり、アントマンは四散した。

 私は人間の姿に戻り、夏帆の元へ移動した。

「あの怪物が倒さなくてはならない敵よ」

「無理無理! 私、戦えないって!」

「今すぐになんて言わないわよ。少しずつ覚えていけばいいから」

 茂みから出てくる夏帆。

「帰ろう?」

 私と夏帆は、家へと戻った。


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