本当の実力者
「イヤイヤイヤ、何でそうなるのよ。この二人はあの男たちに襲われてたのよ?何処をどうしたら強いのよ!」
「まあ、伏線が無かったので予想とかは読者さん達も出来なかったと思いますが…。」
司は一度区切り、説明を始める。
「まず、腰に下げてる刀。普通の刀にしては傾きがおかしいので。おそらく小太刀の二刀流といった所でしょう。」
少女の片方を指差して語り、もう一方にも指を合わせ、
「次に彼女の服の弛み、普通とは違います。恐らく暗器の類を使うのでしょう。」
「弓持ってるわよ?」
「ミスティアさん、覚えていてください。目に見えるものだけが真実じゃない。弓持ってるから武器が弓とは限りませんよ。それは同人誌だから18禁の物と言うような先入観です。」
「ごめん、言いたいことはわかるけど例えがわからないわ。」
「そして3つ目!冒険者ランキングの表で一位の所に名前と写真が有りました!」
「ここにきて理由それ?簡単すぎない?」
「そして4つ目!」
「まだあるんだ…。で、何よ。」
「強者のオーラとでも言う物がさっきの五人組よりも遥かに濃いんですよ。」
「!なにそれ!ここにきて感覚なの!」
「事実です。どのくらい違うかと言うと、五人組を同人誌だとすると、この二人は原作のようなものです!」
「それ内容の違い?わかり辛くない?」
「そして最後!本当に弱いのならランキング100と言っていた五人組とクエストの取り合いになったりしませんよ!」
司が高らかに宣言すると、パチパチと柏手の音が。
「大!正!解!お兄さんよくわかったね!私達キャトル姉妹がそれだけの実力者だと!ご褒美に自己紹介!私はレイア・キャトル!貴方の言う通り小太刀の使い手!」
「わ、私は…クトリア・キャトル。…暗器使い……。」
「そして!私達の戦闘力は!」
「二人……合わせて。」
「「40万!(…)」」
「弱い振りをしていた理由は何ですか!」
「弱い振りをしていたんじゃない!クトが人見知りだから弱く見られやすく!絡まれやすいだけよ!」
「あ、そうなんですか。」
「そうなのよ。」
「あうあう………」
一同は納得し、一瞬間が開き、
「「何そのオチ!!!」」
司とミスティア二人のツッコミが重なって大空に消えてった。