特徴と姿
二人は出会った所から離れ、一番近い街『アルーシャ』へと向かう道中、司は先程聞き忘れた事を聞くことにした。
「そういえば、八種族あるとか言ってましたけども、それぞれの特徴とか、得意なこととかあるんですか?」
「ああ、言ってなかったわね。そうね、
人種族は私や貴方のような容姿で、策略に長けている所ね。
エルフは見た目は人種族と変わらないんだけど、耳が尖ってて、弓が得意で百発百中とか言われてるわ。
ドワーフは背丈は小さく、毛深いわね。色んな意味で。力も強いけど、製鉄などの技術は最も優れてるわ。
妖精種族は姿は5テライ(1テライ=1,5センチ)程で輝いてるけど数も少なく見かける事は難しいわね。戦闘は出来ないけど、特殊な力があるとか言われてるわ。
獣人種族は人間の姿に獣の耳を付けたような姿。単純な戦闘力は平均的だけど、『気功』という物があると言われてるわ。
魔人族は褐色の肌に小さな角が頭に生えてるわ。五感、特に視力と聴覚がとてつもなく優れており、第六感なる物があるとまで言われてるわ。
神族は人種族の姿に羽を生やし、頭に輪っかがあるような姿。数は少ないけれど戦闘力は100人の神族で100万の魔族を潰す事も可能とまで言われてる程の力ね。
この七種族が人間種族と呼ばれるわ。」
「長い説明でしたね。ってあれ?魔族は人間種族の枠組みには入れないんですか?」
「何というか、特殊なのよね。」
ミスティア曰く魔族は外獣の進化系のようなもので、知能があるらしく、喋ったり、狡猾な策略を考える事があるらしい。また、外獣を操る力があると言われている。
「さらに、伝説では、この魔族を統べる王、『魔王ギルサンダー』なる存在もいて、今は封印されているのよ。」
「はあ、魔王ですか。悪しき存在みたいなものですかね。」
「残念ながら分かってないのよ。伝説では人間種族相手に戦争起こそうとしている事もあれば、友好的な一面を見せる時もあるのよ。」
これまでの説明で司はふむ、と納得した。改めて彼女を下から上まで舐めるように見てみると、
(ミスティアさんは実に僕好みの姿ですね。)
と、説明に関係ない事を考えた。
確かに、高校生だった彼に彼女の姿は魅力的だろう。顔はツンとしながらも身体は出るところは出て、締まるところは締まる、つまりは
(エロい身体つき、ですね。好みにハマってます!)
そういう事だった…。
ミスティアの方は悪寒を感じながらも観察してみると、
(こんな女顔の上に弱そうな、先程の戦闘見てなきゃ盗賊とかに狙われそうな男よね。)
と思った。何せ、彼は女顔の上に華奢そうな見た目と言う、痩せてもなく、太ってもいない姿、言うなれば逢空 ◯太のかくラノベに出てくる主人公のような姿だった。
「いや、地の文、何言ってんの?伏字あっても大丈夫かわからないんだから、作家の名前出すのやめてくれない?」
「何言ってるんですか?ミスティアさん?」
「いや、何でもないわ。」
あ、もしかして………、そう言う?
「地の文は反応するな!というか、そう言うて、何のことよ!」
「誰と話してるんでしょう?ミスティアさん?」
疑問に思う司だった。