【第3話】
連続投稿です。
この画面には・・・『汝が威を示せ』という文字がありその下にはカメラマークが、ついていた。どうやらこのアプリは写真を撮るだけのようだ。
『なんだ、写真を撮らせたいだけのアプリか・・
ふざけんな俺は今警察に連絡しなきゃいけないんだよー!くそ、、、この!、、、おりゃ!!・・
なんだよこのカメラ撮る以外何もできないじゃん。』
何度もホームボタンやら何やらを押すが一切何も反応しない。
『こうなったら電源落とせば・・・・ナニ⁈電源が切れないダト⁈』
不思議なことにに電源ボタンも機能してくれないらしい。こうなったら物理的手段に講じるのが世の常であるがそれをやると連絡手段がなくなってしまう。
仕方なく、本当に仕方なくアプリの要望に応えてみる事にした。
(これが、コンピュータに使われる人間の気持ちか、なんだか人間としてのプライドを全て踏みにじられた気持ちだな。)
ひとまずこの状況を写真に撮ろうとしたがただ撮るのは癪に触ったので自撮りもしてみることにした。
(これが人間様の小さい反抗よ、どうだ思い知ったか⁈)
と考える、機械と争う器の小さい人間が其処にはいた。
まずは、地面や、壁などの砕けたコンクリートをバックにして自撮り。
続けて飛び散った血痕を舐めとるように自撮り。
最後に顔面ドアップの自撮りを取った。
(ナンテ、カッコイイんだ、俺。・・・・・・・・
ついついや調子に乗って黒歴史になるやつ撮ったけど後で消せば問題ないよね、、)
【メール送信完了】
そう思うや否や撮った写真は勝手に何処かに送られてしまったようだ。
(俺の黒歴史が〜〜〜〜!!!)
青木 和人のいる地球から遠い遠い世界。其処では次なる勇者を決めるべくとある場所でとある王とその秘書の話し合いが行われていた。
『先日の召喚も先々日の召喚も先々々日の召喚も先々々々日の『クドイ』失礼しました。ですがこれまでの召喚ではどれもあまりパットしない者ばかりが召喚され国の財政が傾くばかりか送還の儀を行えという者もいる始末。我が国の財政ではあと1人しか召喚する余裕がありません。』
『そんなことは、分かっている。しかし、我が国も後がない』
『果たして召喚した勇者を経済回復への手段として本当に利用できるのでしょうか?・・・第一まだ魔王の存在すら確認されていないのですよ。』
『いや、魔王は存在するこの古代王朝時代から受け継がれてきたこの【ガラケー】なるものにもしっかりと記されていたらしい。今となってはもう本来の機能が無くなり形だけが残されているが言い伝えにはしっかりと残っている。
【魔王現れしところ巨悪なモンスター現れ人々に様々な最悪もたらす。人々は、飢え、苦しみ、絶望の淵に立たされる。人々は願う、飢えや苦しみからの自由を与えてくれる者を、絶望を希望に変える者を、巨悪の根源『魔王』を倒してくれる者を。人々の願いは、届き天は我らに『勇者召喚』の儀を授けてくださった。召喚に応えた勇者巨悪なモンスターを次々倒し、最後に魔王を倒し世界に希望をもたらした。】と言われておる。しかし最近の学説では、元々は先に勇者が召喚され、後から魔王なる者が現れたという説が出ておってな。次回の召喚の後必ず魔王が現れるとワシはふんでおる。』
『それで本当によろしいのですね、貴方の選択でこの世界は滅びるかもしれないのですよ。それを国の財政が傾いたと言ってこのような勇者召喚を行うなんて歴史に残る大罪ですよ。しかし我が国も今まで通りいかないのも明白ですね、援助してくれそうな隣国などいませんし世界的にみても何処の国にも他国に援助できる余裕もなさそうですし、これも運命なのでしよか?』
『違いあるまい、世界中の国々で行われている社会保障制度や年金などのシステムも限界がきてしまい今はどの国も他国に借金がある状態。これでは、まともに経済発展できぬではないか!』
『それでは、最後の儀式に取り掛かります。・・・・・心の準備はよろしいですね。私たちが今からする事は歴史に残る大罪、これから私たちはこの罪の重さを背負っていかなければなりません。』
『構わん、やるしかあるまい。願うは、勇者が作り出す希望の未来』
二人の会話は終わり秘書は部屋を出て儀式の間に向かっていった。
王は、窓から王都眺め深いため息を吐いた。その姿は、未来に対する不安のようであった。