レインの悲劇そして奇跡
すみません遅くなりました。
私は水魔。
聖女と崇められた存在。
私は、それが嫌だった。
だから師匠に聞いた。
「私は聖女が嫌です。許嫁も特に大嫌いです。どうすればいいんですか」
師匠は少し驚き、すぐに微笑んだ。
「水魔、私は魔女で水魔は聖女なの。私と違って、きっと誰かが救ってくれるわ。あと、私の勘ではクァイレスにいった方がいいわ。それで、最初に助けて貰った人についていきなさい。もう、ワイバーンがキュレルジェスタに来てもおかしくないの。だから、先に逃げて?例え苦しくても…。わかった?」
「絶対、強くなります。師匠いってきます。」
──ドンっ!ドンっ!ドンっ!───
「水魔、いるんだろ?出ておいでよ。我が許嫁よ。」
その声は吐き気を催し、姿は醜い。
まだオークの方がかっこいいと、言い切れるほどだ。
名を、カオナ=サンヒ
この男は、手当たり次第に女を食らうやつだと、師匠から聞いている。
ちなみに、あいつが勝手に許嫁といっているだけである。
そして必ず師匠が城に飛ばすのだ。
「さ、今のうちに逃げなさい。」
「はい」
そして私は、裏から出てクァイレスに向かって駆けたのである………
…………が、盗賊に目をつけられてしまいました。
「ん?おぉ!いい女じゃねぇかw俺らといいことしようぜ。ヒヒッ」
「…俺はどちらでも構わん。」
「オイッ!テメェ!逃げんじゃねぇよ!ゴルァ!」
私は今、必死に逃げています。
ですが、もう、体力が……。
「あっ」
もう、私はダメみたいです。
「待てやゴラァ!!」
「…もう逃がさない」
「さてどうしてやろうかなっ。ヒヒッ」
神様、助けて……。
─────カツン──────
私の隣で、靴底が地面と接する音がしたた。
横目で見ると体型は、少し細めで髪の色は、黒に近い銀色。眼の色は血のような真っ赤に燃え上がるような灼眼。
彼は少し驚いたような顔をしていました。
しかし、そんなことをいってられません。
この瞬間を逃せば、きっと私は愛玩奴隷として一生を過ごすことになります。
……私は藁にもすがる想いで助けを求めました。
「…だ、だれか…助けて」
私は、小さな声でしか言えなかった。
きっと私は気付かれずに、奴隷となってしまうのだろう。
次の瞬間
パァン!ギィィィンッッ!ガシャン!
私は目の前の光景に眼を疑いました。
なぜなら、目の前で盗賊が二人、気絶していてリーダーらしき人の黒い鉄のようなものがバラバラになっているんです。
およそ、2、3秒の間で。
そして、リーダーらしき人が筒状のものを投げてきました。
あれは確か『ぐれねーど』ってやつです。
師匠が、厄介だといっていたのを覚えています。
ですけどなんでしょう?この『ぐれねーど』ってやつはピンみたいなのがついています。
確か、ピンを抜かなければ大丈夫。
と師匠がいっていましたね。
一応持っておきます。
そこに、助けてくれた男の人……亜人ですか?雰囲気が違います…が近寄ってきました。
多分、あそこで横になっているのがリーダーらしき人ですね…。
「大丈夫か?怪我とか無いか?」
私は、はじめて感じた。
これが、一目惚れってやつですね。
でも正確には、二目惚れです。
「はい、だ、大丈夫です。助けてくれて、その、ありがとう、ございました。お礼をしたいので名前を聞いていいですか?」
「俺は、ヴェリウスだ。君は?」
ヴェリウスさん。よし、魂に刻みました。
「私には、名前はないの。名前の代わりに、得意な魔術の属性で呼ばれてたから…。例えば、水魔とか…。」
正直いって、水魔という呼び名があまり好きではありません。
唯一好きだったのは、師匠ぐらいです。
「へぇ。水魔法が得意なんだ。髪の色が水色なのはそういうやつか?」
確かに、私の得意な魔法は水魔法だ。
他には、風魔法が使えるけど…あまり使わないし。
「え?か、髪の色は関係、ない……と思う。だから、えと、好きに呼んでください。」
どうせ、名前をつけてもらえるなら、私はこの人につけてもらいたい。そう思った。
「んじゃ、遠慮なく。…そういえば、君の髪質って雨のようなショート・ストレートだな、………うーん。よしっ!決まった!」
「な、なんでしょうか?」
変な名前ではありませんように…。
「今日から君はレインだ。よろしくレイン。」
レイン─雨粒の流星の如く、時に恵みを、時に災いを及ぼす使者とあれ─
?少し女の人のような声が?
まぁ、今は、いいや。
「レイン、えへへ。名前をつけてくれてありがとう。お礼に、この街の案内させてください。ヴェリウスさん。」
「おう、どういたしまして。あと、よろしくな。」
そしてヴェリウスさんが、この街の案内をしてほしいといってきたので、私は一日ヴェリウスさんと行動した。
そして時は夜となった。
「…何でこうなったんだ?」
部屋について第一声がこれです。
「え?しょうがないじゃないですか。人が多いんですから。」
ここら辺に、家を構えることのできるのはお金を持っているぽっちゃり貴族ぐらいです。
「あぁ、確かに人が多いよ。だけどな、さすがに二人一部屋はヤバイんじゃないか?」
なぜヤバイのでしょうか?冒険者等なら同じ部屋で泊まるのは当たり前。
と師匠がいっていました。
それとも、私の覚悟が足りてないのでしょうか?
「大丈夫です。ヴェリウスさんなら、私のすべてを預けられますから、何せ命の恩人なので。」
その夜、どうにかこうにか夜を迎え、気付くと寝ていて、朝でした。
ズドォォォォォンッッ!!!!!!!!
ものすごい音が、城壁の方からして、私は気が付くと
………ヴェリウスさんの腕の中………
正確に言うと、お姫様だっこってやつです。
そのまま外にいって、ヴェリウスさんがぼーっとしていました。
そうですよね。
ワイバーンが出ればそうなりますよね。
「あの、マ…ヴェリウスさん、どうしたの?」
つい、昨日メイドになりたいといって、マスターと呼びたい。
といったら、ヴェリウスさんが、寝惚けて「ん、いいよ」
といっていたので、マスター連呼していた名残が出そうになりました。
「あぁ、何でもない。気にしないでいいよ?」
もう抑えられないです。
「はい!マスター!」
いっちゃった。
「…え?」
「あれ?昨日言いませんでした?メイドになりたいって」
もうごり押しでいくしかない。
「いや、さっきまでヴェリウスさんだったじゃん。」
「あ、すみません。勢いで///」
ずっとそばにいたい。
ヴェリウスさんが顔を寄せて私に一言
「レイン、少し待ってて?ワイバーンのとこいってる来るから」
なぜか、私の中にはヴェリウスさんの敗北という未来は見えませんでした。
「はい!わかりました。気を付けてくださいね。」
ヴェリウスさんは、強い。
いや、もっと強くなる。
そんな予感がする。
「ありがとう、わかったよ。」
─────ヒュゥゥゥンッッ─────────
気が付くとヴェリウスさんは、城壁を登り、飛び降りたかと思いきや、城壁の上に戻りました。
そして気が付くと、黒い棒のようなものを片手に、帰ってきました。
速いです。
そして、かっこいいです。
そしてヴェリウスさん、いえマスターは帰ってきて言いました。
「ただいま、レイン」
次は、騎士編ですね。
(やっと、ヴェリウスの姿を描写できた)




