事の発端は自殺
まず結論から言おう
今日死にます!今会社の屋上だぜ!!
これじゃ話が終わるから理由だけ言っとこう
今から3年前の話だ
日本一...いや世界一の企業「WORLD」
色んな業界に手を出し全てにおいて業績1位
2位と圧倒的な差をつけ、他の追随を許さない。
まさに世界一。誰もが入社したいという企業である。
そんな世界一の企業に入社した俺 柊木 梓
特に上げるとこもない平凡な人間
小中高と成績は平均より少し上、人望も普通
高校を卒業した後、地元のなんら凄くない大学に入学
こんな俺がどうして世界一の企業に入れたかというと...
あれだ。努力です。
この平凡で童貞な自分を何とか変えたいと思い、死ぬ程勉強した
WORLDは世界一にも関わらず、ただ試験での成績が優秀であればとりあえず入れてしまうのだ。まぁ、その優秀の基準がとんでもなく高いから入るにも入れないんだけどね。
そんなわけで平凡な人生から一気にエリート街道まっしぐらと思われる人生のレールに乗った俺だったが、それはただの地獄の始まりだった。
とんでもないような量の仕事を出されるのだ。
無休で頑張っても終わらないような量。死ねと言われるのと一緒だ。
それでも最初は頑張った。必死になってやってたんだ。けど終わらせても終わらせても仕事がどんどん寄せられてくる。家でも寝る間を惜しんで仕事、仕事仕事仕事...なにも家のことが出来ない。
そんな生活が3年。俺は激痩せしていた。目の下には常に隈。髪は白髪になり最近はよく抜けるようになってきた。
そうだ、死のう。もういやだ。無理だよこんなの。契約書によって辞めることも出来ないんだ。よし、もういい。死んだ方が楽だ。
で、今に至ります。
さ、死のうか。俺は会社の屋上のビルの柵から出る。
飛び降り自殺だ。俺がここで死ねばこの会社の酷さもわかるってもんだ。遺書も書いておいた。ざまぁみろ、潰れればいいんだこんな会社!
よし、飛び降りるぞ、飛び降りるぞ~......
......怖い...なんでだ...飛び降りれない...
最早生きてても意味が無いのに...クソッ...
その時、屋上の扉が開いた。この深夜0時にだ。会社には俺しかいなかったのは確認した。えっ?と思って後ろを振り向いたんだ
「何をしているんだい?」
この声は...会社で業績No.1の社員 先輩の神ノ条 真
名前からか神さまと言われている。
おかしいな、この人は定時で帰っていたはずだ。
「どうしてこんなとこにいるんだ?」
どうする、まさか 死ぬところです。 なんて答えられない
どう言うべきだ...!? ......いや、この人に理由を話してどうにかしてもらおうか、業績1位だから影響力はあるだろ...
かなり精神的に追い込まれてた俺は気が狂ったのかそう思って話してしまったのだ。
「今から死のうと思うんです。もう仕事が出来ない、辛すぎるんです」
「ふーん...いいんじゃない?それも一つの選択だ。」
......は??え、何言ってるのこの人。後輩が死のうとしてんだけど...?止めないの!?え?え...?なんで?
「と、止めないんですか...?」
「なんで?それは君の決めることだ。死にたいなら死ねばいいじゃないか。僕が止めるべきことじゃないだろう。」