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魔法少女じゃありません  作者: 立木 剣
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空飛ぶ自転車

自転車をお乗りの際は安全運転でお願いします


思いっきり行き当たりばったりなお話しです!

果たして、完結するかは謎ですが、楽しい?読み物になればいいなと考えています。できれば感想や評価をお願い致します。残酷なシーンは出来れば書きたくないですが、なにぶん行き当たりばったりなのでチェックさせていただきました。

「遅刻しちゃう〜朝からパンクとか、もう最悪!」

ママチャリのペダルを立ちこぎで全速力する少女。

ありえないスピードで三丁目の角を曲がれば、少女の通う高校迄は後は長〜い直線のみ(緩やかな登り坂)のはずだった。


「ウソ」

目の前に現れた道は複雑に曲がり、大きくうねり、どこかの小さな遊園地の昭和なジェットコースターのようであった。

いつもと違うその未知なる道を今までの勢いのままに、なんの躊躇もなく少女はママチャリで登り始めた。

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

すると、アスファルトがまるでゴムのように柔らかくクネクネと動き始める。

「ウソ!」

アスファルトが大きく跳ね上がる。

次の瞬間、彼女のママチャリは空高く舞い上がる。

「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

彼女は必死に空中でペダルをこぎ続けた。

放物線を描き始めたその軌跡は、重力の力に負け落下の方向にシフトする。

「嫌~しぃ~ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」



『反転』

彼女の耳にどこかで聞いたことのある冷たい声が響いた。

目の前の風景が回転する。(彼女の自転車が上下逆さになる)

『こいで…ペダルをこいで』

声に導かれるまま、少女は必死にペダルをこいだ。

すると、逆さまのまま自転車は空中を昇るように進ん行く。

『もっとゆっくり…』

恐る恐る彼女はペダルをこぐスピードを緩める。

すると、ゆっくりと地上に近づいて行った。



ゴチン!

ガン!

逆さまのまま頭からアスファルトに衝突し自転車のサドルが彼女の股を強襲する。

「うっ……」

スカートがハラリとめくれ純白のパンティが現れる。

「…星?雷?電波?あぅ…」

彼女はそのまま意識が遠退いていく。

「遠野さん…とお」

先程と同じ声が聞こえる。

「生徒会長?」

そして彼女は意識を失った。ガシャ〜ン!

彼女を乗せた自転車が無事地面に生還したのは、その少し後の事だった。意識を失ない倒れこんだ彼女に駆け寄る一人の少女。

「見つけた…」

少女は誰に聞かれる事のない小さな声で呟く。

「魔法少女になってもらうわ…遠野楓」


少女が楓を抱き抱える。

「先生!遠野さんが自転車で転んで意識がないようなので、保健室に連れて行きます」

「頭を打ったならそのままのほうが…救急車を呼ぼう…近藤…近藤聞いているのか?おい!」

近くにいた先生の声を無視するように、生徒会長 近藤 司 は無言で彼女を保健室に運んで行った。


「うん…う、あっ」

「気が付いた?」

「えっ、痛たたたた」

黒髪ロングヘア黒渕眼鏡の少女が心配そうに楓の顔を覗き込むと同時に、楓は頭の頂上付近を両手で押さえ込んだ。

「大丈夫?じゃないか…」

「ここは…保健室?」

「ご名答、その様子じゃ思ったより大丈夫そうね…」

「生徒会長?」

「私がここまで運んだのよ」

「ありがとうござい痛たたた」

「じっとしてて…」

楓は白い天井を見つめながら話始めた。

「生徒会長?」

「司って呼んで…」

楓は面倒臭そうに眉間に皺を寄せた。

「司さん?」

「司って呼んで…」

彼女は眉毛が一文字につながってしまいそうな程眉間にさらに皺を寄せた。

「司?」

「何かしら?楓」

「私、空飛んで逆さまでそしたら地上にゴツンって…お星さまキラキラで…」

「えぇ、そうね」

「あっ、生徒会長の…」

「司!」

「司の声がして…一生懸命こいだら空飛んでた…」

「そうね…他には…」

「道路がクネクネしてた」

「道路の色は…」

「黒…って道路は黒じゃないですか?」

「それ…道路じゃないの…」

「はっ?痛たたた」

「そう、まったく痛い話よね」

「あの〜司さん」

話が22.5度噛み合わないまま進んでいく。

「あの道が黒龍で、私が魔法少女で貴方が魔法少女見習いとか言ったら、信じないわよね?」

「信じません」

「でも空を飛んだのよ、スカートがめくれてパンティ丸見えだったり、私にお姫様抱っこされたりしたけど、確かに楓は空を飛んだのよ」

「え〜パンティ丸見え?」

「純白だったわ」

「お姫様抱っこ?」

「意外と軽かったわ」

「自転車で空を」

「まるで映画のようだったわ」

「魔法少女?」

「そう、見習い、ね♪」

「皆見たの?」

「大丈夫よ♪楓は校門前でブレーキをかけたらジャックナイフをして転倒って事で皆の記憶はいじってあるから…心配しないで…」

「あの〜」

「なに楓?」

「パンティの件は?」


「ご免なさい私の力が足らなくて皆の記憶の書き換えが出来なかったわ(嘘)

「そうですか…」

楓の顔が真っ赤に染まった。

「大丈夫…貴方の虜、ファンが増えただけよ♪」

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