スキル上げPVP
また一周空いたけどテストが終わったからペースがUP…するかも?というか、します!
ユウはゴブリンの巣窟を出て直ぐにほしねこに連絡した。恐らく直ぐに村まで戻ってくると思い、村に向けて歩みを進める。
「シキはこれからどうするんだ?」
「取り敢えず寝て体力回復したからまだしばらくはINしてるつもりよ」
シキもユウとこの様に普通に話せるようになった。一体何がきっかけか分かっていない。
他愛のない話をしながら歩いていると直ぐに村に着いた。
「俺はちっと他の知り合いにクリア報告しないといけないから一旦此処までかな?」
「そうね。 私は図書館に戻るつもりだし」
「じゃ、また」
そう言ってシキと別れ、ユウは超広域索敵を発動させてほしねことチルを探す。丁度村の西門に2人ともいる事を確認して動く。ほしねこも超広域索敵を発動させているのか、ユウの方に歩いて来る。
「お疲れ。 で、太刀と幻影はどうなった?」
「太刀が100で幻影が74だな」
「うー…。 チルはナイフと拳銃どう?」
「ナイフが91で拳銃が78」
「もう2人にPVPさせるのが一番早そう…」
「「えぇ…」」
「面倒そうな顔しない」
マキシマムに面倒だと言う思いが顔に出ていたのだろうか、ほしねこがユウとチルに向かって呆れた様なため息を吐く。
「2:1でいい?」
「良くない」 「良い」
「おいチル、お前俺を--」
「殺す気」
「そーですか」
2:1のPVPモードなど存在しない事から単純なPKをする事になる気がする。一応他に参加できそうな奴がいないかどうかを調べるために友達リストに目を落としてもログイン状態はシキだけだった。珍しい事にアキがログアウト状態になっている。
「………」
流石にユウでも2:1では死んでしまいそうな気がするのでチルとほしねこに気付かれない様にシキにメッセージを送っておく。
そのメッセージに「了解」と返信が来るのを確認してウィンドウを閉じる。
「運悪く、誰もいないでしょ?」
「まるで仕組まれた罠の様な感覚がするな」
「流石に無理矢理の回線切断はこっちの信用度が下がる」
偶々最悪な条件がそろっただけ、ということらしい。
「兎に角此処じゃ他のプレイヤーの邪魔にしかならんから外行こうぜ」
「広い場所に行くから着いて来て」
ユウは内心舌打ちをした。広い場所に行く事によってほしねこの本領が発揮されてしまうからだ。
ほしねこの案内によって連れて来られた場所は相当広い草原の様な場所だった。 丁度敵が湧かないエリアの様で邪魔をするMobがいない。そこでほしねことチル、ユウの3人は距離を取って武器を構える。
「ふぅ…」
ユウは頭をPVPモードに切り替える。目をしっかりと開いて相手の一挙一動を見逃さない様にする。
そして、ありとあらゆる可能性を思考する。
「【ファイアボール・バースト】」
ほしねこが上空に向かって炸裂系の魔法を打ち上げ、それが爆発する。と、同時にチルが動いた。一歩遅れてユウも動く。
「【残撃】」
「効かない…!」
黒い剣気をジャンプによって避けるチル。勿論、ユウはその可能性も考慮していた。
恐らく、ここで普通にチルを迎撃しようとするとほしねこが何かをしてくるはずだ。例えば、相手の行動を阻害する様な魔法。
ユウはほしねこに向かって残撃を2発X字に打ち出す。勿論、同時に消すことは不可能だ。
「【縮地一太刀】」
「ぅあっ…!」
ほしねこが自身に飛んできた剣気を消している間にチルを斬り抜ける。少なくは無いダメージを与えてユウはチルとほしねこに挟まれる位置で停止した。
「【アイススピア】」
「【エレメンタルマガジン】」
「【幻自影・複】」
拳銃と任意発射魔法を向けられ、少しでも当たる可能性を減らすために大量の幻影を作り出す。だが、ユウはこれは消されることを前提に作り出した。
「無、駄…! 【エレメンタルマガジン・リリース】」
「【幻影交代】、【一刀六撃】、【幻影交代】」
チルに一番近い幻影の位置に移動し、1撃6HITのスキルを放ち、HPを削った後に七色の光が届く前にほしねこの傍の幻影に移動する。
「っ!」
直ぐに入れ替わった事に気が付いたほしねこがアイススピアを連射してくるが、アイス・エンチャントを付与し、的確に叩き落とすユウ。チルの七色の光は此方に向かない。流石にほしねこにあてるのは不味いと思ったからだろう。
「【アースクエイク】」
「…っ!」
地面を揺らしてユウの体勢を崩そうとしたほしねこだが、ユウの体勢が一切崩れない事に驚きながらもチルが近くにいないから、と詠唱省略した魔法を放つ。
「【エンシェントファイア】」
「【最上級ブレイズ・エンチャント】、【終之太刀】」
エンシェントファイアは基本地面から巨大な火柱が噴き上がる魔法だ。ユウは赤く光った地面に向かって最上級エンチャントを付与した太刀スキル100で習得した終之太刀を放つ。
「なっ…!」
「魔法は属性があってれば相殺できるって知ってるからな。 【一陣・風】、【月閃】」
「うあぁっ…!」
幾ら魔法職とは言え、防御が低いという事は無いほしねこのHPを7割近く削って後退する。
「【光突】」
「【一閃】」
突き出されるナイフを太刀で迎撃し、そこで失敗した、とユウは顔をしかめる。
「【極寒の精よ、全てを凍らせそれらを無に帰せ。 アイシクル・リンゲージ】」
「【ストームバレット】」
無属性の銃弾の嵐と氷の詠唱魔法をもろで受けてしまう。あの時にほしねこを仕留めるべきだったか、と後悔する。
詠唱魔法のダメージの4割近くをアキがくれた服がカットしてくれる。魔法防御というかこれって付加効果か何かかな、なんて思いながらもユウは息を吸い込んで…。
「シキっ! 【神速之太刀】」
「【一陣・鋭風】」
「「っ!?」」
ユウの放ったAGI関係最強スキルはチルに向けて。シキの放った一本の矢はほしねこに。
その2つは狙った通りに当たり、HPを全損させる。
「ふぅ…。 ありがとう」
「あ、あんなバケモノ相手に良く戦えるわね…」
「後、シキはさっさとここいら一体から逃げた方が良いぞ。 多分ほしねこがシキの事見てたからなんか言ってくるかも」
「それは困る。 さっき確認したけど、ユウ以外まともに話せなかったから」
「一体何故…」
「【スターシュート】」
「【複矢・嵐】」
飛んできた魔法に対して矢を放ち迎撃するシキ。だが…。
「ひっ…」
「ちょ!?」
鬼の形相のほしねこを見て怯えてユウの後ろに隠れるシキ。それを見たチルも鬼の形相で拳銃を向けてくる。
「【幻自影】、【幻影交代】っ!」
「どこにっ…!」
「シキ、走るぞ。 多分捕まったら死ぬ」
「(コクコクコクコク)」
必死に頷くシキを連れて近くにあったグランディオーソの森の中に飛び込む。勿論入る前にパーティーは組んだ。
「怖いわぁ…」
「ホラーね…」
IDに入ってもチャットで「出てこいー!」とか「運営軽権限でry」とかいろいろ送られてくるため、精神的に余裕が無い。
「そうだ、反対側から出れば…!」
「でも、回られてたらお終いな気がするわ」
「ほしねこがいない方に出れば逃げる事は出来るから…。 どっちから出たい?」
「うぅん…。 じゃ、こっち」
シキが示したのは元きた入口。ユウとシキは覚悟を決めてIDの青い光に飛び込んで--地面に押さえつけられた。
「welcome to the gravity」
笑顔でそんな事を言うのはほしねこだった。
最近PVPしか書いて無い気が…。
そうだ、次回はクエストを書こう(遅い)




