『島』『リンゴ』『ゆがんだ可能性』
お題メーカーを別のものにしてジャンル指定も追加してみました(・∀・)
しかし「ゆがんだ」ってある時点で純愛要素無さげですよね・・・
「島」
「リンゴ」
「ゆがんだ可能性」
ジャンルは『純愛モノ』
* * *
例えば彼女が僕の存在を知ったら...
例えば彼女が僕と言葉を交わしたら...
例えば彼女が僕と友達になったら...
例えば彼女が僕と付き合うことになったら...
ありえない例え話をいくつも頭に浮かべては消していく。
そんな事起こりっこない。
だって彼女はみんなの人気者で当然恋人もいる。
とても僕では敵わない。
でももしかしたらって、少しでも希望を抱いてしまうのは彼女が優しいから。
誰も目も気にせず彼女と登下校をする
風邪を引いた僕に彼女がお見舞いに来ておかゆを作ってリンゴをむいてくれる
恋人と別れた彼女を僕が慰める
僕と彼女が誰もいない無人島に二人きりになったら・・・
今日もつまらない妄想を抱いてつまらない授業を乗り切る。
何をしたいとかじゃない。ただ彼女が僕を見てくれて、僕の存在を知ってくれればそれだけで十分だった。
それなのに、いつからだろう
いつからこんなにゆがんだ感情を抱くようになったんだろう。
僕以外を見て欲しくない。僕だけいれば十分だ。他のモノなんていらない。必要ないだって僕はこんなにも彼女の事が好きなんだから彼女もきっと僕の事が好きなはずだ
だってそうじゃなきゃ不公平だろ?何で僕だけがこんなにも必死なんだ
本当は二人だけになれる島なんていらないし彼女を取り巻くトモダチたちだっていらない
彼女が特別な笑顔を向けるあんな恋人なんてこの世からいなくなってしまえばいい。そうなったらどれだけ幸せだろう。
僕だけを見て
僕だけを想って
僕だけの為に生きて
そうして一緒に死んでくれたらどれだけ幸福だろうか
そんなゆがんだ感情を押し殺すように今日もゆがんだ可能性についてどれだけ実現するか計算する。
時間を無駄に浪費しているもの分かっているしこの考えをやめることも出来ない。
いつから彼女についてこんな考えを持つようになったのか分からない。
これが恋ってやつだろうか。
そうしたら、この気持ちをいつか彼女に伝えることができるだろうか?
いや、そうじゃない。
この気持ちは彼女に伝える為にある。
だから伝えなければならない。
そうじゃなきゃ僕はいつまで経っても幸せになんてなれない。
だから彼女に気持ちを伝えなければ──