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東方転犬録  作者: レティウス
娘が頑張る妖々夢
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STAGE4

「ふふ、ふふふ」


 これからのことを考えると何故か心が躍ります。麻耶様やお父様をドSといつも思っていたのですが、私にもこんな一面があったとは驚きですね。


「滅茶苦茶機嫌が好さそうなのはいいんだけどさ、その分怖いんだぜ」


「同じく」


「知ったこっちゃないわよ」


 魔理沙さんたちがなにやら言っているようですが、機嫌がいいのできになりませんね。


「それにしても、こっちは羨ましいな。あったかくて気持ちがいいぜ」


「ここは年中暖かいですよ。暖かいというよりも、過ごしやすいと言ったほうが正しいですが」


「そうなのか?そういや、知り合いがいるって言っていたが、どんな奴なんだ?」


「私もここに来るのはそこまで多くないですがね」


 せいぜいがお父様が呼び出されたついでに一緒に程度でしょうか?一番、こちらに来ているのはあとりさんだったはず。彼女は藍さんと一緒にお料理研究をしているとか。


 後は、向こうが勝手にやってくる程度ですからね。何度言っても、中々玄関から入ってこなくては私に放り投げられていますが。


「っと、見えてきましたよ」


 私が指差すと見えてくる無駄に大きい邸宅。いつ見ても、無駄に大きいですねぇ。


「まちなさーい!」


 いざ、突撃をかけんと思ったら、後ろから声が聞こえ私を含めた四人が後ろを振り返るとそこには、見覚えのある顔がぷりぷりと怒っている表情でやってきました。


「こっからさきは、私たちの家となっています。用がなければお引き取りを」


 私たちの前に回り込み、丁寧に言ってくる橙。


「用ならあるわよ」


「へ?」


 そんな橙に博麗の巫女……めんどくさくなってきましたし、霊夢さんでいいですね。霊夢さんが橙をまっすぐと見つめ……あれは睨んでますね。睨みながら、指を突き付ける。


「異変の原因がこの先にある気がするのよ!」


 ババーンと効果音が聞こえてきそうな感じで宣言する霊夢さん。しかし、言われたほうはというときょとんとした顔になっています。


「異変?異変ってなんですか?」


 本当に分かってないようで、首を傾げながら尋ねてくる橙。藍さんほどではないですが、こういった無垢な反応はかわいらしいですね、本当に。


 お父様も何だかんだで橙には甘い部分がありますから……おや、そう考えるとなにやらムカムカした感じになってきますね。


「ぬおっ!?隣からどす黒いオーラが溢れてくるぜ!」


「ああもう!なんで、こいつらの周りはこうも厄介な連中ばかりなのよ!」


 おや?なにやら、となりがぎゃあぎゃあと騒がしいですが、いったいどうしたのでしょうね?


「しらばっくれる気なら、あんたをぶっ倒しても押し通るわよ!」


「だから、異変ってどういうことですか!?適当な理由で難癖つけられてもわかりませんってば!」


 ちょっと物思いにふけっていたら、霊夢さんと橙の言いあいは終わることなく続いていたようです。


「橙、今の幻想郷で何が起こっているか知らないのですか?」


「ほへ?あ、椛さん」


 このままでは無駄に時間を過ごすことになりそうなので、声をかけたのですが、私には気づいてなかったようです。寂しい限りです。


「どうやら知らないようですね」


「うぅ、この季節はあまりあちらにいきませんので……」


 そういえば、あのグータラが働いていないときは忙しいとか言っていましたね。


「そうですか……まぁ、理由は分かりました。分かりましたが、説明するのが面倒です。どきなさい」


「霊夢よりひでぇぜ」


「ぴぃっ!?」


 おや、鳥の雛みたいな鳴き声を上げてどうしたんですか?貴女は、猫でしょうに。


「ど、どどどどきません!こ、ここここから先に行きたくば、わ、私を倒してからに……」


 どんどんと口すぼみになっていく橙。しかし、今あなたは言いましたよね?行きたければ、倒せと。友人と戦うのは心苦しいですが、しかたありません。


「霊夢さん、やってしまいなさい」


「なんで、私に命令しているのよ!つか、この流れならあんたがやれ!」


「やりたいのは山々なんですが、私は一番奥に控えている方の相手をするつもりなのでここでの消耗は避けておきたいんです」


 ぶっちゃけ、実力で考えるならば私が勝てる要素は皆無なのですが、しかし、それでも人には成さねばならぬことがある。


「椛さん!ま、まさかあの方と戦うおつもりですか!?」


「当然です。今回の件について、きっちりと責任は取ってもらうつもりでいます」


「む、無謀ですよ!」


「今のあの人ならば、ぶよぶよの状態でしょう。ならば、私にも勝機がある」


 そう、他の季節ならばいざ知れず、今のこの状況ならば、可能性はでかい。


「一体何の話をしているのよ」


「おや、霊夢さんはこの先にいる人物はしらないのですか?」


「はぁ?何を言ってんのよ。知っていたら、ここがどこかなんてわかっているでしょうが」


「それもそうでしたね」


 しかし、管理者と巫女の関係は続いていなかったんですかね?清明さんの話では切っても切れぬ縁とのことでしたが。


「まぁいいわ。やる気のない奴なんて下がっていなさい」


「お、漸く霊夢が戦うのか?今までサボっていたんだから頑張れよー」


「黙れ魔理沙!あんたもついでに落としてやりましょうか」


「うへ、おっかねぇ」


 魔理沙さんのヤジともつかぬ応援に苛立たしげに答える霊夢さん。余裕がないから、他にも栄養がいかないんですよ。


「あんたもやってやりましょうか?」


「遠慮しておきます」


 いくら、妖力が回復したからと言って、無駄な消耗は本当に避けたい。


「さぁ、化け猫やるわよ!」


「あ、椛さんが相手じゃないんですね。おーし、張り切って倒します!」


 なにやら、元気を取り戻した橙。というよりも、私に怯えていた?


「なんで、私は怖がられているのでしょう?」


 分からなかったので、横に控えている二人に尋ねてみたのですが、フルフルと首を横に振るだけでした。


「まぁ、これで霊夢さんの実力を知れるのでいいでしょう」


「あの……お嬢様がやられたんですが」


「あてになりませんし、私が直接見た訳ではないので判断に困ります」


 話だけなら清明さんから色々と出ていますが、今一把握できていなかったので丁度いいですね。


 そんなことを話していたら、遂に戦いは始まりました。

※注 この小説は真理に関わったものの大半がいい意味でも悪い意味でもバグっています。

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