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東方転犬録  作者: レティウス
娘が頑張る妖々夢
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STAGE3

「さて、本当にどうしましょう?」


 余計なことで時間をかけてしまって、猶予があるような、ないような……


 ただ、本当に時間をかけすぎてお父様達が暴れ出したら……


 おぉ……怖い怖い。


 嫌な想像を頭を振って追いだす。


 たかが花見、されど花見です。というよりも、私も言われるまで気づきませんでしたが、毎年楽しみにしている行事を邪魔されるとなるとイラっときますね……あとりさんのお弁当……


「おーい、待てよ!」


「なんですか?」


 後ろから魔理沙さんと博麗の巫女が呼びとめたので仕方なしに振り返ります。というよりも、さっきから呼びとめられていて煩わしかったのも事実ですからねぇ。


「お前も異変を解決させるっつってたけどよー、お前妖怪だろ?しかも、天狗」


「正確には白狼天狗ですよ」


「細かいことはどうでもいいぜ!それよりも、なんで天狗が異変を解決させようとしているんだ?」


「ふむ」


 教えてもいいんですが、酷く個人的な理由ですしいかがしましょうかね。


 博麗の巫女をちらりと見ると、先ほどのやりとりを未だに引きずっているのか、こちらを睨みつけてきています。器が小さいですね、だから体も。


「あんた、今関係ないこと考えたでしょう?」


「さて、なんのことやら」


 ふむ、勘はいいようですね。そういえば、聞こえてきた話の内容のところにこの巫女の勘がどうのこうのとか言っていた記憶があるようなないような。


「おいおい、私を無視しないでほしいぜ」


「あら、いたんですね」


「ひでぇっ!?」


「何をいまさら」


「認めた!?」


 正直、家族以外の人はどうでもいいですからねぇ。気に入らないと言って突っかかってくる人もいなくはないですが、そこはそれ。喧嘩なら買いますよ精神です。


「ええと、理由でしたっけ?」


「こいつ、いい性格しているぜ……」


「むかつくわねぇ」


「知ってますし、照れます」


 お父様を筆頭に性格があれな人たちに囲まれた影響をもろに受けていると自覚していますし、何だかんだで知り合いも多いですから別段これといって困るわけでもないですからね。


「っと、おや?」


「ん?」


「どうしたんだ?」


 適当にあしらいつつ、異変の原因を探していると前方から誰かが戦っているような気配を感じていると、博麗の巫女も何かを感じたようですね。


魔理沙さんは分かってないようですが。


「誰かが戦っているみたいですよ」


「行くわよ、魔理沙」


「あ、ちょっ」


 原因を突き止められるかと思い、私たちは戦いの現場へと向かい、到着してみると、侍女服に身を包んだ女性が幽霊相手に戦っていました。


「ありゃ、咲夜じゃねえか」


「なにやってんのよ、あいつ」


 どうやらお二人とも咲夜さんを知っているようですね。そういえば、あの吸血鬼姉妹の侍女でしたっけ。


 それに、前回の異変はあの姉妹が起こしたものとなっていますから、ある意味で知り合いでも不思議ではありませんね。


「おーい、咲夜」


「あら、魔理沙に霊夢……椛さん」


「はて?なんで、私だけ呼ぶ時だけ恐々とするんですか?」


「いえ、別に……」


 歯に物が詰まった言い方ですねぇ。あまり関心しませんよ。言いたいことは言っていただかないと。


「そんで、なんで咲夜までいるんだ?」


「お嬢様と妹さまが『寒い・白い・飽きた・何とかしろ』とお命じになられたので」


「あ~、なんか納得したわ」


「同じく」


 咲夜さんの説明にお二人が納得していますが恐らくは、主の威厳を保つために簡潔に理由だけを述べているんでしょうね。


 きっと……『咲夜ー、寒い。手がしもやけになっちゃう』


 的な感じでわがままを言ったのでしょう。フランさんは……遊び飽きたんでしょうね。


「それで、なんでこっちに?」


「こちらのほうが暖かかったので」


 言われてみれば、ここもう冥界の入り口ですね……自分の山の裏手じゃないですか、やだー。


 寒いほうへ寒いほうへと向かったのが失敗だったとは……


 ふと、気づくと魔理沙さんと博麗の巫女がこちらをジト目で睨んできています。


「誰にも間違いはあります。ドンマイ」


「あんたに言われたかないわよ!」


「本当にいい性格しているぜ」


「はぁ」


 まぁ、ミスは帳消しにすることもできますしとっとと異変を解決してお花見をしましょう。


 四人で冥界側に進んでいくと、分かれ道が見えてきて、片方は階段、もう片方は別の場所へと続いていく道になっています。


「みなさん、こちらです」


 どちらに進んでいいか悩んでいるようなので、手助けの意味もこめ階段のほうへと一歩でます。


「なんで、そっちなんだ?」


「簡単です、そっちに言っても人の家ですからね」


「なんで知っているんだ?」


「知人なもので」


 知人……知人ですよね?友人ではないですし。


「そいつが犯人ってことは?」


「この季節ならありえません」


 いつ頃だったからは知らないですが、まだ冬となる幻想郷ではあれは寝ているはずです。


 よくよく考えてみると、そっちじゃなくても、こちら側でも知人のお宅ですね。


 私は二、三度しか行ったことありませんが、お父様はちょくちょく呼び出されるとかなんとか。


「さ、行くわよ」


「ですから、そちらでは」


「なんで、あんたの言うことを聞かなきゃいけないのよ。それに、私の勘がこっちに何かあると言っているわ」


 博麗の巫女が私が示した道とは別の場所へ行こうとしたので、注意したらそんな風に返されました。


 勘がいいと魔理沙さんはおっしゃいましたが、これで?


 いやでも……異変の原因が近くにいるのに眠りっぱなしとはこれいかに?


 そう考えると、なにやらムカついてきたので、私も博麗の巫女たちに同乗することにしましょう。一言物申さないと気が済みません。


 というよりも、軽くボコってからお父様たちに差しだしましょう。そうすれば、多少とは言え、お父様たちの機嫌もよくなるかもしれませんし。


「おい、なんだかあいつ、物凄く悪い顔をしているんだけど」


「触れないほうがいいですよ。というよりも、下手にちょっかい出したらやけどじゃ済まないわよ?」


 クスクス、なにやら魔理沙さんと咲夜さんが内緒話をしているんですが、どうしたんですか?まぁ、こちらを見ながらなので私のことなんでしょうが、これから起こる喜劇を想像すると、細かいことは見逃して上げます。


 さぁ、待っているがいいですよ……紫さん。









~階段の上で~


「誰も来ない……グス」


 白髪の少女が膝を抱えて、侵略者を待っているとかなんとか。



~どこかの妖怪の寝室~


「うーん……うーん」


「なんか、魘されているのだー」


「ザマァ」


 闇色と金毛の妖怪が魘されている妖怪をみてほくそ笑んでいるとかなんとか。

諸事情により、プリリバ三姉妹はカット+順番変更

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