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東方転犬録  作者: レティウス
放浪篇
9/115

宴は・・・混沌のち死屍累々

 さて、神達の戦争が終わりとなり現在は洩矢神が普段使っているという神社へとやってきてそこで話し合いが行われている


 因みに、話し合いを行っているのが洩矢神と直接戦った八坂神ではなく、天照様というなんともいえない状況である

 

 更に言えば、天照様は洩矢神を抱っこして以来まったくおろそうとしないでずっと抱っこをしているようだ


 因みに抱っこしている時にポツリと「諏訪子ちゃんがこっちの味方なら私ががんばったのにねぇ」とか呟いていた。それを聞いた八坂神が泣きそうだったのは流石に俺も同情してしまった


「なんで私が妖怪と一緒に待ちぼうけなんだ?」


 思考に耽っていると八坂神がポツリと愚痴をこぼした。まぁ、こぼしたくなる理由もよく分かる。流石に天照様の八坂神に対する扱いがぞんざい過ぎる。といっても


「俺も天照様に招かれただけだからなんとも・・・文句なら直接本人に」


「出来たらとっくにしている!!」


おおう、凄い迫力で怒鳴られた


「まぁ、あの天照様を見ていると出来るわけ無いですねぇ」


「天照様は普段とても穏やかで優しいお方なのだが・・・こう、常に面白いほうに楽しい事にと持っていくふちがありお気に入りのものは飽きるまで話さない方なんだ・・・」


 まぁ、天照様が楽しいことが好きというのはわかる。神話にも天岩戸にこもった天照様を誘い出すために目の前で宴会をしたというものがあるしな


「ところでお前はなんであんなところで天照様と酒なんか飲んでいたんだ?」


「いや、実はですね」



~犬説明中~



「と言うわけでして」


「私達の戦いをそんな宴会の余興みたいなものに・・・」


 うわぁ、八坂神がなんか多少病んだ目でこっちを見てるよ。仕方ないじゃん、暇だったんだもん


「と言うかだな、見つかったら殺されたはずなのに良く来るな」


「いや、能力を使ってばれないようにしたんですが何故か天照様には見つかってしまいましてねぇ」


あれは、本当にショックだった


「・・・まぁ、天照様は色々と可笑しいから。噂によれば伊邪那岐様すらしばくと言う話だしな」


 え?実の親の伊邪那岐を?伊邪那岐って最初の神じゃないっけ?いや、この世界の最高神は龍神だったか?それでも、実の親をしばける天照様って何者?


「しかし、お前なんで首輪なんてしているんだ?」


「これですか?いや、先ほども言いましたが趣味の人間観察するときは人の姿より犬の姿のほうがいいんですが、如何せん犬なのでみな各々勝手な名前をつけられてしまうのでそれを防ぐために」


 いやぁ、犬の弊害だよね。犬と呼ばれるだけならまだマシなんだが、いつぞやへんな名前をつけられそうになってそれを防ぐためにどうしようか悩んでいたときに考えたのが今俺がつけている首輪とタグだ


 このタグは何かしらの金属を含んだ金属で錆びなく余程じゃない限り劣化しないという優れものだ


 故にそれをがんばって加工して、この時代の言葉で真理、少し先の漢字文化が入ってきた時用の真理と最後に英語表記で真理と書いてある


 大体の人間はこれを読んで俺の名を分かってくれる・・・まぁ、文字が分からないやつらの方が未だ多いけどそれでも分かる奴は分かるからな


 因みにまだこの時代に動物に首輪をつけるような真似はされないので、誰かの飼い犬という発想は生まれない


 ただ、それゆえに犬が首輪をつけてる+タグが綺麗なためそれを取ろうと考える奴は出てくるがそこは能力故にほとんどいない


「なるほどな、しかし誇りは無いのか?首輪は支配されているものがつけるものだぞ?話を聞けば大妖怪なのだろう?そういった奴らはみな誇りを大事にしているぞ?」


「よく言うことなのですが誇りなぞそこいらの犬に食わせておけばいいんですよ」


 誇りで暇が潰せるなら大事にするがな・・・まぁ、全く無いわけではないが


「面白いな貴様は」


「ありがとうございます。有名な八坂神にそう言ってもらえるならば光栄です」


 天照様に弄られている八坂神とは思えないくらいのカリスマで俺に語りかける八坂神。確かに人ならばこの姿を見れば畏れ敬うな


「ふむ、私の事は神奈子でかまわん。私も真理と呼ばせてもらう」


「分かりました、神奈子様」


「まだ硬いな・・・よし、私も普通に話させてもらうからお前も普通に喋っていいぞ?」


さっきまでのカリスマは何処へやら、今は親しみやすい雰囲気になった神奈子様


「いや、しかし」


「いいんだよ、私がいいって言ってるんだから」


「・・・分かったよ神奈子様」


 まさか、神様相手に溜め口をきく日が来るとは・・・この世界じゃ考えられんな。もし、知らない神にやってみたら速攻で殺されにかかられるだろうな


「あらあら、楽しそうに話をしてるわね」


「あ、天照様」


「お疲れ様です」


 丁度呼び捨てにする事に感慨耽っていたら天照様がやはり洩矢神を抱っこしたまま入ってきた


「それでどうなったのですか?」


「そうねぇ、説明するわね」



~神説明中~



 なんともまぁ、と言うのが俺の最初の意見だ。勝ったので信仰を貰うことになったとこの国(諏訪王国と言うらしい)というか村の偉い人一同に伝えたそうだが村人はこぞって勝った神奈子様を信仰することは出来ないというらしい


 聞けば今まで信仰してきた洩矢神を信仰しなくなればたちまちミジャクジ様に祟れてしまうと、故に神同士の約束だろうが自分たちは神奈子様を信仰できないということらしい


 確かに、祟り神として今まで信仰し敬っていたのにやめたら、そうなると思ってしまうわな


 では、どうするかと悩んでいると抱っこされていた洩矢神が案を出したそうだ


 なんでも今までどおり洩矢神を信仰することは変えず逆に信仰される洩矢神がその信仰を弄り表向きは洩矢神を信仰しつつもその信仰自体は神奈子様に流すというものである


 しかし、それでは幾ら信仰が神奈子様に流れていてもまるで情けをかけられている状態に見えなくもないのでそこで神社の名前を洩矢から守屋に変え二柱を祭るということだ


 この案に天照様も賛成しそこで問題が解決し解散となり今に至るということらしいが・・・


「天照様いつまで抱いているつもりですか?俺にも抱かせてください。ダメならせめて撫でさせてください」


「だ~め。宴会が始まるまでは私のものよ」


 なんだろう・・・最初にあったあの丁寧な天照様は何処に?今は完全にお母さんって感じだよね?


「あーうー、いい加減おろしてよ~」


手をパタパタと動かしながら抵抗している洩矢神だが・・・


「あーもー!可愛いわね!!」


だよねぇ、俺もキュンってきちゃったし


「天照様は色々なものに興味を持たれるんだがな、ことさら可愛いと思うものに目が無くてな」


 神奈子様の説明に納得する。完全に愛でるのに全身全霊を注いでほかの事は眼中にないって感じだ。洩矢神が困った顔をしているがそれも眼中にないようだ








「そ~れ!の~め!歌え~!」


 宴会が始まり、それぞれ大和の神・土着神達が酒を持って飲めや食えやの大騒ぎだ


 俺は一応御呼ばれと言った感じ+妖怪なので邪魔にならないように隅で静かに酒を飲ませて貰っているのだが


「お神酒うまっ!うまっ!流石お神酒というだけあってすげえ作りがいいな!」


 一人寂しく飲んでいると思ったか?その通りだがお神酒の味に大満足だ!罰当たりと思うが神奈子様相手にタメ口きいた時点である程度の畏れなぞ吹き飛んだわ!


「な~に、いい女が一人寂しく酒なんてのれりゅのよ~」


呂律が回らないような感じで俺にべとべとと絡んでくる神奈子様・・・ウゼェ、そして


「俺は男だぁぁぁぁぁっ!!」


「にゃ~に言ってるにょよ~、こんにゃ、綺麗な顔で男のわけないでしょ~」


そう言って体をまさぐる神奈子様・・・やっていい?と視線で天照様に聞いてみると


(やめてね?)


と帰ってきた。畜生


「べちゅに、胸なんてかじゃりよ~。だからひくちゅになっちゃだめよ~」


「しょうだ!胸にゃんてかじゃりりゃ!」


 胸が飾りというくだりで洩矢神が絡んできた。まぁ、あの体系じゃそれに賛同するしかないから


「むぅ、にゃんか変にゃ事考えたれしょ~」


だ・か・ら!何で考えが読んだよ!


「だーーーーっ!もういい、確認させてやる・・・おい!そこの酒注いでる神!お前よってねえだろちょっと来いや!!


 俺が一人の神を指名するとその神(男)はなにやら期待した目でこっちに来、周りはヒューヒューと口笛や指笛をしてまくし立てるがそんなのどうでもいい・・・


「おら、ちょっと来い」


そう言って、別の部屋へと連れて行って確認させる



~犬+神の確認~



 確認が終わり、神が泣きそうな顔で部屋へと入るとどうやら他の奴等も俺が女と期待していたのか凄い興味ありそうな顔をしていた・・・ぶっ飛ばしていい?この神社ごと無くなるけど?


(やめてね?)


 またもや、天照様のストップがかかったのでやめる。命拾いしたなテメエら。そして、神がその事実を発表した


「・・・お前等」


 その神の何処までも思い言葉に今まで騒いでいた連中全員が騒ぐのをやめて部屋の中が静寂に包まれた


「お前等・・・神は死んだ!!」


『ウソだーーーーーーっ!!!?』


 ちょっと、待てやコラ。お前等が神だろうが。まぁ、男に裸体を見せた俺も若干ダメージは残っているが何で神が死んだなんだよ


「ウソだー!!こんな綺麗な奴が男のわけねぇえ!!」


男だよ


「俺の嫁より綺麗なのに、何で男なんだよぉ!!」


 おい、お前の後ろにいる神(女)が嫁じゃないのか?でっかいハンマー持ってお前の頭を潰そうとしているのを回りにとめられているぞ


「てか、ウチの神奈子より綺麗だろアレ!!」


「ちょっと表でろやてめえ!」


 神奈子様より綺麗という発言で神奈子様の酔いは飛んだのか切れた神奈子様が発言した奴をヤクザ以上の怖い声で怒鳴り散らす


「ウチの諏訪子様なんて幼女なのにそれじゃあんまりだ!!」


「幼女言うな!!それとどう意味だゴラァ!!」


洩矢神もまた発言に切れていた


『てか、天照様除いた女連中より綺麗だろ!!』


『ぶっ殺すぞテメエら!!』


 男神の女神全員的に回す発言で女連中全員が切れて男神どもを駆逐していっている


「・・・何このカオス?」


「ほんとに男なのねぇ・・・女になる気無いかしら?変えてあげるわよ?」


『それだーーーっ!!』


「・・・殺っていいまじで?」


「我慢できないかしら?」


「俺の数少ない誇りの男であるというのがさっきから崩壊して怒りがこみ上げてきて仕方ないんだが?」


「しょうがないわねぇ」


天照様は突如としてカオスの現場へと向かうと


「あ、目を閉じていたほうがいいわよ?」


「どういう・・・まぁ、了解」


言われたとおり目を閉じると


「逝くわよ~」


逝くというなんとも危ない言葉が聞こえたので俺は更に空間を弄り絶対領域を作り備える


「天照フラァァァッシュッ!」


『ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!』


 突如として強烈な閃光が起こりそれが晴れるとその場には全員倒れ付していたのだが天照は関係ないと言わんばかりに説教しだした


「もう、みんなやんちゃも少しはいいけどやりすぎはダメよ?じゃないとアレしちゃうわよ?」


『!!?』ガタガタブルブル


『???』


 大和の神たちは天照様のアレ発現で振るえ、土着神たちは分からずに首をかしげていたがあまりにも大和の神たちが震えるものだからよほどの事と思い同様に怖がり出した


 そういや、昔誰かが恐怖は伝染するといっていたが本当だなぁ。当事者ではなく第三者視線で分かる日が来るとは


「うん、皆反省したようで何よりだわ。それじゃ宴会を楽しみましょ」


『おー!』


ま、いっか。俺も毒気抜かれちまったので再び酒を楽しむとしよう


「えっと、さっきはごめんよ?」


現れたのは洩矢神また脇で酒を楽しませて貰っていたら来てくれたようだ


「いえいえ、大丈夫ですよ。洩矢神こそよろしいんですか?あそこに戻らなくて?」


 指差す先には洩矢神を探す天照様・・・てか、仲いいな大和の神と土着神って。確か上下で言うならば土着神は大和の神の下だったような気がするが・・・まあ、宴会中は無礼講か


「いや、別にね撫でられるのは嫌じゃないんだよ?この見た目だから諦めたし・・・ただ、その、抱っこが恥ずかしくてね」


はははと乾いた笑みを浮かべる洩矢神


「それはそうと聞いたよ神奈子から、趣味が人間観察なんだってね」


およ、もう仲良くなったのか。まぁ、これから二人でやっていくんだから当然か


「ですねぇ。面白いですよ人間って」


「私もそう思うよ。それで、今までで特に面白かった人間はいたのかい?」


「そうですねぇ・・・」


 こうして俺は今までで面白いと思った人間を教えていった。特に反応が大きかったのが卑弥呼や神子についてだったな


 そして、いつの間にかいた神奈子様と諏訪子様(話途中で神奈子様にはタメ口で私は敬語かい!ってしかられたのでタメ口で話すようになった)は俺の尻尾を掴んで寝ていた(途中で取り合いになりそうになったので増やした)


「ひでぇ有様だ」


「仕方ないわよ、皆戦いが終わって漸く落ち着けたんですから。戦争すると決まってからみんな気が気じゃなかったのよ?」


いつの間にか隣にいた天照様が説明してくれる・・・あ、朝日が見えてきたな


「さてと、私は帰るけどとりあえずは当分いるんでしょ?」


「分かります?」


「ええ、貴方今とても充実している顔してるもの」


まさか、人間だけでなく神でも面白い存在があるとは思わなかったからなぁ


「それじゃあね。幾ら神奈子ちゃんや諏訪子ちゃんが寝ているからって悪さしちゃダメよ?」


「ねーよ」


「ふふふ、それじゃあね」


 最後の最後にわざと敬うことなく素で返したがそれすらスルーして天照様は帰っていった・・・


「あの人あんなに飲んだのかよ」


 天照様がいた位置をを見ればそこには大量に空いた酒ダルが転がっていた・・・まぁ、俺も似たようなもんだが


「ふわぁぁ・・・俺も寝るかな」


片付け大変だろうなぁと思いつつも俺は獣化してそのまま寝た

あっるぅぇ~?2話で終わらせようとしたら終わらなかった


てか、宴会話がここまで長引くとは思いませんでした


そして、やってみたかった神が言う「神は死んだ」発現w


もう一話、神奈諏訪の話をしたら次の人物にいこうと思います


天照フラッシュ?某龍の玉の物語の技に物理的なダメージも付くとだけ言っておきましょうか

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