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東方転犬録  作者: レティウス
幻想郷生活篇
78/115

みょん

どこをどう考えても誰の話か一目瞭然。


別タイトルとして庭師の後継とか考えましたが……結局変わらずだったので、ストレートに

「真理、白玉楼に行くわよ」


「行き成りやってきて、なんだ突然」


 縁側でのんびりと昼寝をしていたら、紫がスキマを使い庭へとやってきて起こされてしまった。あと、5秒遅かったら美味い酒が飲めたと言うのに……捻り潰してやろうか?


「何かは知らないけど、謝るから許して!」


「はっはっは。何に対して謝っているんだ紫。んん?」


「ひぃーっ!?」


 俺の周りには色とりどりの弾幕が浮かび上がる。五行の色だ。


「さて、これを耐えられるのは俺が知る限り3人しかいないが……お前も試すか?」


「やめて!3人ってことはいつもつるんでいる連中でしょうが!あんなのと私を一緒にしないで!」


 必死になる紫だが、何気に酷いなおい。まぁ、気持ちは分かる。俺も、あいつらと一緒にされたくねぇもん。


「あんたも、含まれているわよ!」


「遺言はそれでいいのか?」


「ごめんなさい!」


 終いには土下座する紫。紫弄りもこれぐらいでいいか。そもそも、最近はこいつをからかってないなぁって思い出してやっていただけだし。


「そんで、なんでまたあんなところに行かなきゃならんのだ」


「行き成り素に戻らないでよ……幽々子がね、あんたを呼んでって言ってきたから」


「ようは、使いっ走りか」


「その言い方はやめて……」


 どうしようもなく落ち込む紫の肩をそっと叩いてやり庭へと降りる。


「ほれ、とっととスキマを開け」


「なによ、いつもは自分で行くじゃない」


「ありゃ、椛がドン引きしていただけで、俺はどうでも。余計な労力はかけるのメンドイんだよ」


「ジジ臭いわよ」


「実際は爺も真っ青な年齢だからなぁ」


 1万と何千年かね。


「ほら、行くわよ」


「あいよ」


 紫がいつの間にかスキマを開いていたのでその中に入っていく。相変わらず目玉がキモイな。椛が子供の頃ドン引きしていたのはしょうがないだろ。


――クパァ――


「その効果音やめい!」


「どうしたの、真理」


「なんでもない」


 どことなく卑猥な効果音が聞こえてきたような気がするが、気のせいか。


「やぁぁっ!」


「おっと」


 白玉楼の庭に降りると、頭上から声が聞こえてきたのと殺気がこっちに向かってきていたので横に飛んで避ける。先ほどまでいた位置には白羽の刃が振り下ろされていた。


「あぶねえなぁ。行き成りご挨拶だな妖忌……妖忌!?」


 こんなことする奴なんて、一人しかいなく名前を呼んだのだが……


「おまっ!?いつのまに、若返りの術なんて学んだんだ!?しかも、ガキのころは凄ぇ女顔だったのか!?あのダンディな顔はどうやってなったんだ!?」


 俺が欲しくとも一向に変化で変われず、密かに嫉妬していたあの男らしさがかけらも無かった。


「真理、無理があるわよ」


「やっぱり?匂いからして違うんだが、行き成り襲い掛かってくるやつなんぞ妖忌しか知らなかったんでなぁ」

 

 あと、数少ない男の知人として。


「おじいちゃんをしっているんですか!」


「これ、刃物をこっちに向けながら問いかけるな」


「すいません」


 叱ってやると、素直に謝り鞘に収める妖忌もどき。


「半人半霊ってことは妖忌と同じ種族か?」


 あれは、妖怪でも人間でもない別種族にあたるはずだったよな?


「おじいちゃんと言っているではないですか!」


「??」


「だ・か・ら!!」


 俺が首を傾げると、妖忌もどきはそれこそ地団駄を踏む勢いでさらに憤っていく。


「真理は分かっていてからかっているだけよ。あなたも、落ち着きなさい」


「え?そうなんですか」


「ばらすなよ紫。こういう子はからかってこそ面白いのに」


「悪趣味よ」


 暇つぶしとしちゃ最高なんだがなぁ。


「そんで、お前さんは妖忌の孫なのか」


「はい。魂魄妖夢といいます」


「髪がそっくりだ」


「っ!?」


 俺が言った一言になにやら固まっている。そんなに嬉しいのか?


「わ、私の髪はあそこまで後退しているってことですか……!?」


 ああ、そういうことね。いや、確かに女の子としては後退しているって言われたら最悪だな。


「いやいや。髪色がってことだよ」


 まぁ、椛も白髪だがあれは種族的な特徴だからなぁ……


「まぁ、あれだ幽々子はどこだ?」


「ここよ~」


 とりあえず、呼び出した張本人の居場所を尋ねたら、妖夢ではなく、庭の先の縁側で一人饅頭片手にのんきに手をふって本人が答えてきた。


「相変わらずよく食うなぁ」


 呆れ混じりに言ってやるが、聞こえてないのか饅頭を咀嚼する幽々子。亡霊って飯食ったかなんていう疑問は既に過去尋ねて結局分からずじまいで終わったがな。


「ゴックン。………だって、美味しいものは後にとっておいて、忘れて腐らせましたなんてもったいないでしょ?」


「気持ちは分かるが、俺は量のことを……もういいや」


 気持ちはよく分かる。酒なんかも、後で飲むなんていう選択肢は俺にはない。しいて言うなら、熟成させるためにおいておく程度だな。


「そんで、呼び出した用件は?」


「もう、済んだわよ~」


「はぁ?」


「妖夢に会ってほしかったのよぉ」


「なるほどねぇ」


 つまりは紹介するために呼んだと。普通なら自分から来いと言いたいところだが、生憎と暇しているから別にかまわんか。


「幽々子様!それは、お客人がきてからお出しするといっていた奴ではないですか!」


「だから、もう来ているからいいじゃない~」


「それを、全てなんで幽々子様が食べているのですか!振舞うものとして買ってきた物ですよそれは!」


 ああ、すっごいデジャヴ。昔もよく妖忌がやっていたなぁ……


「そういや、妖忌は?」


「おじいちゃんは……」


 尋ねると、何故か妖夢が暗くなる。はて、何かまずいことでもいったか?


「おじいちゃんは、ある日突然いなくなってしまったんです……」


「ついに胃にでも穴があいたか?」


 幽々子に使えると苦労が耐えなさそうだからなぁ……俺なら1日でやめる。実際は、大方妖夢がある程度ましになったから武者修行と称した渡り歩きみたいなもんだろけど。


「あ、真理さんひどーい」


 かわいらしく、頬を膨らませる幽々子。実年齢は知らんが、様になっているのが腹立たしいような微笑ましいような感じだな。


「知らんよ。そいじゃ、俺は帰るわ」


「またね~」


「妖夢」


「はい?」


「あまり、考えすぎるなよ。胃に穴が開くぞ」


 妖夢に注意してやり、俺は空間を家の庭へと繫いで帰っていった。










「あれが、真理さんですか。幽々子様が面白い方だと言っていたのでどんな人かと思えば、人ではなくて犬だったとは」


 真理が帰っていったほうを見ながら、妖夢が口にする。


「普段は、とても綺麗な顔をしたお方よ~。今日はなんであの姿だったのかしら?」


「ああ、あいつ私が行くまで昼寝していたからそのせいじゃない?あと、私の出会いはあの姿だったわね」


 幽々子の隣に座りいつの間にかお茶を片手に、紫が理由を伝える。


「綺麗な顔ってあの方、男性……ですよね?」


 声で判断使用した妖夢だが、男と言おうとして、聞いた声を思い出し段々と自身がなくなりながら尋ねる。


「そうみたいよぉ」


「私も、実物を見たわけじゃないけど、あの鬼神が男と断言しているからね」


「鬼神ってあの鬼神ですか?鬼の総大将の」


「ええ、それであってるわよ」


 実際に真理が間違いなく男性だという確証を持っている人物は少ないが、それでも発言力がある人物が断言しているため、信じざるえなかった。


「鬼神と知り合いってあの人、そんなに凄いんですか?」


「幻想郷の理不尽の塊よあいつ等は」


 何処となく、哀愁が漂ってきそうな紫の表情に残りの二人はなんとも言えず、優しく肩を叩いてやることしかできなかったのであった。













「あ、いっけね。犬の姿のまんまだった。失礼にあたるかね?………まぁ、元が犬だからいいか」


 家に帰ってきた真理が自分の状態を思い出し、どうしようかと悩むもすぐに結論をつけたのであった。

先週はモンハン4デーだったので更新できませんでした。

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