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東方転犬録  作者: レティウス
幻想郷生活篇
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狂気

先週は昼寝のつもりがガチ寝して起きたのが23時で執筆時間がありませんでした。

 びっくりした。気配が突如現れたと思ったらふっとばされていたなんて。まだまだ俺もぬるいな。


「真理さん大丈夫ですか?」


 吹っ飛ばされた、俺の元に玲央たちがやってくる。


「まあな」


 埃を払いながら立ち上がる。


「もー、お姉さまったら私に黙ってあそんでいるんだから」


 声がしたほうを見ると、金髪に宝石を下げているような羽を持つ少女がいた。恐らく、あの子が俺を吹っ飛ばした子だろう。


「それじゃ、私とも遊びましょ」


「遊ぶのはかまわんが、行き成り人を吹き飛ばすのは感心せんぞ」


「だって、我慢できなかったんだもん」


 やれやれ、見た目相応の精神年齢しかもってないようだな。


「まぁいいや、お嬢ちゃんかかっておいで」


「珍しいですね、真理さんが相手してあげるなんて」


「普段なら、めんどくさい~ゆうて相手せんのに」


 俺が相手するのが珍しいのか、口に出して言って来る二人。口にこそだしてないが、清明も同意なのかしきりに頷いている。


「あの子の目を見てみろ」


「狂気ですか?」


 俺が言うと、直ぐに答えが返ってくる。どうやら全員気がついているようだ。


「あんな小さい子があそこまでの目をしているのをみていると、な。一人の父親としては見逃せん」


「あ~、もし椛ちゃんがそんな目になってしまったら?」


「………」


 想像したら末恐ろしくなってしまった。椛があんな目をしていたら俺はどうすればいいんだろうか?


「聞いたうちが悪かったから戻ってきてや」


「はっ!?」


 思考の海に溺れていたようだ。少し椛との関係を見直したほうがいいかもしれん。


「まっ、そういうわけで行ってくるわ」


「はい」


 3人にそういい残して、律儀に待っていてくれた少女の前までやってくる。


「お話は終わった?」


「ごめんよ、待たせたな」


 殺気は感じないが、それでもなお、先ほどから首筋がちりちりとする。


「それじゃ遊びましょ」


「遊ぶのはかまわんが、何をするんだい?」


「う~ん、お人形さんごっこ!」


 元気一杯に教えてくれるのはかまわんが、お人形さんごっことな?ここら辺はきちんとした感性を持っているのかね?


「あなたがお人形さんね」


 はて?お人形さんごっことは人形で遊ぶんじゃないのか?ふと、玲央たちを見てみるが、ダメだあいつ等では参考にならん。


「直ぐに壊れないでね!」


 そういって、少女は致死性の高い弾幕を放ってきたのを同質量の弾幕で相殺する。


「おいおい、お人形さんごっこの説明が抜けているぞ?」


「あははははっ!」


 ダメだ、既に聞いていないなこりゃ。彼女にとって、人形とは遊び相手の総称なのかもしれんな。


「よっと」


「凄い凄い!私の魔法を簡単に避けるなんて!」


 狂気に彩られた目で嬉しそうにはしゃぐ少女。確かに、早いわ密度は高いわで当たったら痛そうだからすべて避けているんだけどね。


「ほれほれ、俺ばっかり見ていて周りが見えてないぞ?」


「ふぇ?」


 上を指差してやると少女はつられて上を向くと、そこには俺が展開した弾幕が待機しており、少女が上を向いた瞬間に降り注ぎ始めた。


「その間に、7尾展開」


 さっきからかなりぎりぎりで避けていたんで今のうちに展開しておく。


「凄い!尻尾が増えた!」


「簡単に凌いでくれたねぇ」


 まぁ、1尾の状態の弾幕だしそんなもんか。


「それじゃ、これでどう!」


 そういうと、手には炎で出来た剣。それを振りかぶって切りかかってくる。


「剣は凄いけど、太刀筋はなっちゃいないなぁ」


 ぶっちゃけデタラメに振り回しているだけである。この程度なら玲央の拳のほうが怖い。


「まだまだ行くよ!」


 本当に元気だねぇ。そんなに元気なのになんで狂気なんてもっているんだか。


「まぁ、玲央ほどじゃないから怖くともなんともないけど」


「私ですか!?」


 俺の言葉に驚く玲央。周りは頷いて同意している。お前の場合は禁断症状といったほうがいい気がするが、兎に角一定期間戦わないと、酷く不安定になるだろうが。


「あたんない」


「はっはっは!俺に当てたきゃ最低2000年は修行を積むことだな」


 流石に若い連中に早々攻撃を当てられるような間抜けではない。まぁ、避けるのめんどくさくて捌くことが多いけど、流石に炎を捌くなんて……


「とりゃ」


「あれ?」


 ために掌に妖気を集中して掴んでみたらなんだか温い程度だった。冬に欲しい温さだな。


「何で、何で!」


「術の練りが荒いせいだな」


 癇癪起こしている少女に対して清明が冷静に突っ込みを入れた。お前、そこまで分かるのか……いや、そういやこいつ見ただけでコピってたしありえない話じゃないか。


「まぁ、真理の妖力が尋常じゃない量というのも原因だが」


「相変わらずありえへん量やねぇ」


「あまり変わらない量を持っていて何を言ってるんですか。まぁ、真理さんはその膨大の量の殆どを体に纏わせて耐久力上げていますけど」


「それを前から崩すお前が言うか?術主体の私が相手だとあれを突破するのに苦労するんだぞ?」


 いや、お前等も大概だからな?隣の芝は青いってところかね。


「もーつまんない!」


 癇癪もここに極まり、少女はなにやら相当に頭にきたようで手を前にだしていた。


「もう壊れちゃえ!」


「っ!?」


 彼女がそういった瞬間にとてつもなくいやな感じがした。


「くっ」


「きゅっとして、どっかーん!」


 開いていた手を握るような動作をした瞬間に俺は爆発に包まれた。








「きゃはは、次はお姉ちゃんたちの番だよ」


 真理に対して何かしらをした少女がターゲットを玲央たちに変えるが、当の本人達は動く気配すらない。真理がいた位置は未だに煙が立ち込めていた。


「もー、せっかく遊んでいるのにノリが悪いよ」


 そんな玲央たちの態度に不満を言う少女だが、玲央たちは相変わらず動くことはなかったが、代表として玲央が答えた。


「まだ終わってませんよ?」


「え?」


 玲央の言葉に首をひねる少女。まだ終わってないという言葉を理解できなかったようである。


「おーいってぇ」


 煙の中から真理の声が聞こえてきた。少女はすぐさま煙のほうへと視線を向けた瞬間、煙が一気に吹き飛び中から五体満足の真理が現れた。


「な、何で壊れてないの?」


「何でって言われてもねぇ?自力の差じゃないか?」


 所々破けた着流しを見ながら少女に告げる真理。


「ったく、あとりにまたどやされるな」


 やれやれと肩をすくめる真理。


「だったら、もう一度!」


 そういって、手を前に出そうとしたが


「おっと、なんども当たってあげるほど優しくはないよ」


 それよりも早く前に出た真理が少女の腕を押さえていた。


「関係ないもん!壊れちゃえ!」


 腕の動作は少女がやりやすいための行為だけだったのか、再び手を握るが今度は全く爆発しなかった。


「ど、どうして!?」


 何も起こらない事態にうろたえる少女。


「残念。俺に能力は効かないよ」


 少女の力が能力であると断定して告げる真理。


「まっ、正確には今の一瞬発動できないようにしただけだけどね」


 そういって、離れる真理。


「それじゃ、おいたをしたお嬢ちゃんにはお仕置きだ。9尾展開」


 7つの尻尾から9つの尻尾に変わる真理。そしてそれと同時に真理を中心とした一体のみ重力が変わったような感覚を覚える。


「あ、ああ……」


 真理が噴出す妖力に完全に飲まれる少女。そんな少女の態度に目をくれずに真理は手を前に突き出す。さながら、先ほど少女がやった行動と全く一緒であった。


「たしか、きゅっとしてだったか?」


「そ、そんなことできるわけ」


「試してみようか。きゅっとして、どっかーん!」


 出来るわけないと言おうする前に、真理が少女と同じ台詞を言いながら手を握ると少女は爆発と閃光に包まれたのであった。






「よっと、回収完了」


 見た目のフェイクで気絶して落ちていく少女を回収して地に降りる。


「お疲れ様です」


「本当にな。見ろよ、ボロボロだぞ」


 しかも、爆発の影響でちょっと体痛いし。


「しかし、相手の能力をコピーできるとはな」


 清明が感心したように言ってきた。


「お前は嘘をつくな。見て分かっただろうが」


「あえて濁してやったのに……まぁ、ここにいる連中には能力割れておるからいいのか」


 玲央はガキの頃に教えたし、麻耶は玲央がうっかり口を滑らせ、清明は自力で当てたからなぁ。


「空間を圧縮してそれを爆破ですか。えげつないですね」


「いやいや、どちらかというと能力封じたほうがえげつないで?」


「それよりも、致死性の能力を食らってその程度の傷のほうがえげつないな」


 えげつないえげつないと失礼な。まぁ、能力に関してはえげつないけどな。


「まっさか、絶を破壊されるとは思わんかった」


「能力干渉を完全に防ぐのを壊されたんですか?」


 そう、この少女はどうやってかは知らんが、俺の絶を破壊して攻撃してきたんだよなぁ。それで、この少女が破壊系の能力を持っていると確定できたわけだけど。


 まぁ、驚きはあったけどそこまで脅威を感じなかったのは再展開が可能だったのと、玲央にしょっちゅう壊されているから慣れていたっていうのがあるかな。


 後の反省点としては、遊び感覚で戦いすぎて痛い目にあったくらいか。


 つっても、子供相手に本気を出す大人もかっこ悪いしこんなもんだろ?


「それは、私のことを言ってるんでしょうか?」


 やや落ち込みながら玲央が尋ねてきた。別にお前のことを言っているわけではないが考えを読むな。


「レミリアだったか?あの子は自分が大人であろうとしたんだから問題ないだろ」


 子供でいられるうちは子供のままでいいと思うんだけどねぇ。


 椛もある程度大きくなると、俺の呼び方がお父様に変わってかなり寂しい思いしたなぁ。


「まっ、つもる話はこの子たちを家に運んでからにしようか」


「そうですね」


 それぞれが一人を回収してこの子の家である紅魔館に入っていった。

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