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東方転犬録  作者: レティウス
幻想郷生活篇
66/115

霊脈2

上げるほうの小説を間違えていた><

「静かだなぁ」


「お前の周りはいつも騒がしいからな」


「嫌いじゃないがな」


 今日は麻耶は天狗の会議でどうしても抜けられないらしく来てなく、玲央もたまには帰ってきてくれと萃香から連絡が来て帰っているために、現在家にいるのは俺と清明くらいなもんだ。


 あとりはあとりで、趣味の菜園の手入れで庭に出ているし椛もにとりのところに遊びに行っているためにいない。


「そういや、また変なのがきてなかったか?」


「ああ、前鬼たちに始末させたが……多いな最近」


 何か外から来る連中が多いな本当に。前まではそこまで多いってほどではなかったような気がするが。


「そこで、相談があるのよ」


「行き成り現れるな」


「思わず滅しそうになってしまったわ」


 最初からいたように紫が卓につきながら言って来る。清明も気が付いた瞬間に懐から札を取り出していたし。


「本当にここ危なすぎるわよ……」


「違いないが、行き成りやってくるお前が悪い。せめて玄関からこい」


 ただ、不精な俺が出向くとは限らんが。俺の考えが分かるのか清明はため息をついている。


 てか、うちにやってくる連中なんて挨拶なんてあってないようなもんだ。大体が勝手に上げって来るし。


「そんで、相談ってのは?」


「この幻想郷を完全に隔離しようと思ってね」


 とりあえず、いつまで放置はかわいそうなので用件を尋ねると結構重要なことをさらっと言ってきた。


「現状でも隔離されてないか?」


「ええ、それで迷い込んだ人間は妖怪の餌って話だったんだけど……ただの人間だけじゃなくて変なのが多くなってきてね、困っているのよ」


 茶を啜りながら気楽に言っているなこいつは。大体が、誰が始末していると思っているんだ?


 妖怪は基本的に清明か妹紅あたりが始末しているが、変な人間は大抵が麻耶か玲央が始末しているんだぞ?


 特に酷いのは人間だ。下手に強かったり鉄砲持っているせいで、適当な妖怪を宛がうなんてことも出来なくあの二人が出張る結果になっている。


 まぁ、二人とも人間食いの妖怪じゃないからいいんだけど……ああ、たまに始末した人間をルーミアが食ってるとかあの二人が言っていたな。


「そんで、なんで俺のところに来たんだ?」


「そこよ。あんたって結界術得意だったわよね?」


 困っている理由は分かったが、ここに来た理由まで分からなかったので更につついたら、そう尋ねられた。


 結界術?確かに得意だが何の関係があるんだ?


「まぁ、得意だが。清明辺りなら余裕で破れるぞ」


「流石に能力使われたら無理だがな」


 こいつのチートの能力の前では術という術が全て無に帰すから性質が悪い。


「だから、その能力ってなんなのよ……」


「教えん。知りたきゃ自力で調べろ。合っていたら正解といってやる」


 清明も凡そのあたりをつけてから尋ねてきたからな。麻耶は何故か一発で正解だったんだが、玲央辺りが教えたのかね?


「まぁ、いいわ。貴方の結界術でこの幻想郷を完全に隔離してくれないかしら?」


「だが、断る」


「そう、ありが……えぇっ!?」


 俺が素直に了承すると思ったのか紫が礼を言おうとして俺が言った言葉に途中で気づいて驚きの声を上げる。


「この狭いようで広い幻想郷を囲む?ドンだけの維持が必要になると思っているんだ」


 結界術は一度発動すればある程度の期間は問題ないのだが、なんかのきっかけで解ける可能性もあるんだ。もし、ずっと維持するならかなりの力を必要とする。


「出来ないといわないあたりが恐ろしいな」


「お前も出来るだろうが」


 他人事の様に言って来る清明だが、俺が作るよりもお前のが強固なのを俺は知っているんだぞ?


 まぁ、こいつってあまり結界は使わないけど。敵の攻撃に対しても攻撃で迎撃するなんていう玲央と同じようなことをしでかすからなぁ。


「そ、それじゃどうすればいいかしら。私がやろうにも、既にここと外の境界を曖昧にしているから、出来なのよ……」


 そういや、ここと外の行き来ができないのはこいつの能力のおかげだったな。


「てか、完全に隔離なんてしちまったら、妖怪どもが暴れないか?」


 俺達のような古い妖怪なんか別として、比較的若い連中なんて人食いの性質を持っているんだし。


 食う食わないは個人の理由として放置しているが、それで厄介ごとが飛び込んできたら目も当てられない。


「そこは大丈夫よ。神隠しって知っているかしら?」


「ああ、なるほど」


「あまり、私の前ではやるなよ」


 紫の言いたいことが分かり思わず納得してしまう。清明は自分の立場的に物凄く微妙な顔して言っている。


「それで、どうすればいいかしら?」


「う~ん……」


「霊脈を使ったらどうだ?」


 紫に尋ねられてこれといって方法を思いつかずに唸っていたら清明から助言が入った。


「ああ、それがあったな」


 掌に拳を当てる。


「霊脈ってこの前言っていた奴よね?いいの?」


「いや、妖怪の山の霊脈は使えん。ただ、幻想郷には二つの霊脈が存在する」


 そうだ、そうだ。何故に思い浮かばなかったんだろ?


「え!?」


「お前が作ったのに何故驚く?」


「知らなかったんだろ?」


 てか、こんな近い場所に二つの霊脈があるほうがおかしいんだがな。古来より存在する霊脈はかなりの力を持っている。


 大体はこの山の様に自然豊かに豊穣の土地や、金鉱なんかも霊脈になっていたりする。


 ただ、金鉱の場合は需要と供給のバランスが悪くて直ぐに枯れてしまうけど。


「ど、何処にあるの!?」


 紫が尋ねてきて清明がこちらをちらりと窺ってきたので頷く。


「「博麗神社」」









「それで、ここに来たってわけ?」


「随分と愛想の悪い巫女だな」


「まっ、妖怪が二人もいるんだ、仕方ないだろ」


 紫と共にやってきて説明が終わるとかなりめんどくさそうに言ってきた。


「そんで、どうするって言うのかしら?」


 相変わらず眠そうな目で尋ねてくる博麗の巫女さん。


「ちょこちょこっと霊脈を弄って結界を発動して後はお前さん達、博麗の巫女さんが代々維持すればいいよ」


「そんなに手間にはならんだろうから、待っていてくれ」


 そういって、清明が神社の中に入っていく。


「ったく、何てメンドクサイことしてくれんのよ」


「文句は紫にいいな」


「言っても聞かないから、ここで愚痴ってんのよ」


「しゃあねえな。ほれ」


「お賽銭!」


 懐から財布を取り出し、中に入っていた小銭を賽銭箱に放り投げると巫女は目を輝かせて賽銭箱にダッシュしていった。


「まっ、メンドクサイ仕事してんだから金くらいよこせーっていうお前の意思が分かったから今回はやるよ」


「アンタは神様か!」


「ただの犬妖怪だよ」


 てか、賽銭入れただけで神扱いかよ。どんだけ貧困な神社だ。


「終わったぞ」


 巫女を適当にあしらっていると中から清明が戻ってきた。その後ろには紫もいる。


「なんで、あんな簡単に……」


「私の【術を極めし程度の能力】の前ではどんな術でも児戯に等しいもんでな」


 あれ?あいつの能力ってそんな名前だったっけ?


「何その極悪な能力……」


 紫もその能力の恐ろしさが分かったのか顔が青ざめている。


「てか、能力変わってね?前は【術を扱う程度の能力】じゃなかったっけ?」


「ああ、100年くらい前に突如変わったわな。そのおかげで、今まで扱うにも負担があったものまで軽く扱えるようになった」


 うっわぁ……前まではある程度手を抜いても勝てる相手だったけど、ガチで戦わんと勝敗が分からなくなってやがる。


「さて、博麗の巫女よ、とりあえず維持方法を教えるから付いてきてくれ」


「分かったわ」


「んじゃ、俺は帰るとしますかね」


「私も帰るわ……なんだか、疲れた」


 清明に別れを告げて家へと帰った。


 こうして、幻想郷は完全に外とは隔離され、外界との接触は困難となった。また、博麗神社の霊脈を使ったからなのか参拝客がいなくなったとか何とか……あそこの立地条件が悪いだけだと思うんだけどねぇ。


 ちなみに、博麗の巫女が管理することから博麗大結界とかいう大層な名前だそうだ。

霊脈の話は捏造です、結構適当なことを言っています。

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