あいさつ回り―地底3
先週は仕事していたら気づいたら0時超えていました
「あれが、そうか?」
「そうだよ、あれが鬼たちがすんでいるところだよ」
キスメ、ヤマメ、パルスィを連れて歩いていくと何やら繁華街みたいなものが見えてきて尋ねてみれば、期待通りの答えが返ってきた。
「んん?あれは繁華街というよりも…」
「ああうん、飲み屋だね」
見えてくる建物はどれもこれもが酒の字が入っている建物だ。更に言えば、何故か建物内で騒いでいるんじゃなくてその外で騒いでいる鬼ども…何がしたいんだ?
「真理さんがやってきました!」
段々と近づいて行くとなにやら鬼どもの中から聞きなれた声が聞こえて鬼どもをどかして一人がこちらに駆け寄ってきた。
「お待ちしていました真理さん」
「お招きに預かり参上した」
満面の笑みで出迎える玲央に挨拶をして輪の中へと誘われる。
ヤマメたちを連れてきたが問題なく参加してくださいと誘う。
「あー!」
玲央について行っていると輪の中から大声を上げるやつが出てくる。声を上げた主は輪を掻き分けて出てくる。
「真理アンタよくも華扇をいじめたね!」
小さい体全てを使って怒っていますと表現する幼女。
「幼女って言うんじゃないよ!」
ウガーと吠えるのだが、俺からすれば微笑ましい。
「てか、藪から棒になんだ」
華扇っていやぁ、なんか仙人がどうのこうのって言っていたやつだよな?
「虐めた記憶なんてないぞ?」
あいつがやっていたのを横で見ていただけだぞ俺は。
「鬼にとっちゃ酒が飲めないのに隣で飲まれたらそれすなわちいじめだ!」
ああ、あの時のことか。
「いいか、あれは般若湯と言ってな」
「屁理屈なんてきかないよ!」
酒じゃないと伝えようとしたのだが、失敗したか。振るわれた腕を回避して距離を取る。
「お、萃香が始めたぞ!」
「やれやれー!」
周りの鬼どもが戦いを始めた俺らを見ながら騒ぎ始める。ああ、酒呑みながら見るんじゃない。そこかわれ。
「どりゃぁっ!」
「っと」
よそ見していたら萃香が近づいてきて拳を振るってくる。相変わらず見た目と相反する威力だ。
「8尾開放」
「いいねぇいいねぇ!」
ギラギラと滾った目で俺の力を確認する萃香……やだ、なにこの戦闘狂どもは。周りを見ればほとんどの鬼共が似たような目をしてやがるし。
唯一の救いは玲央がそういった目で見てないことか。ここ最近は定期的に相手してやっているから大丈夫なのかな?
「四天王奥義【三歩壊廃】」
「ぬおっ!?」
萃香がでかくなりながら攻撃してくるのを全て裁く。
「いきなり奥義を放つか」
「難なく裁いて文句言うな!」
まぁ、それも玲央が作った奥義だし対処法なんて知ってるわ。まぁ、玲央は大きくなりながらの攻撃じゃなかったが。
「うら」
「ぐあぁっ!?」
側頭部に蹴りをくれてやり吹き飛ばす。もろに食らった萃香はそのまま起き上がってこないので勝利となる。
「ああ、めんどかった」
「相変わらずだねぇ」
1尾に戻し埃を叩いていると横から声がかりそちらを見てみるとどう見ても体操着の上を着て額の角には星のマークが入った鬼がケラケラと笑いながら立っていた。
「よ、久しぶり」
「ああ」
片手を挙げながら挨拶をすると、答えながら杯を渡してきてくれたのでそのまま受け取り酌をされた酒を飲み干す。
「うん、美味い」
「喧嘩が終わった後の酒は格別だろ」
俺としては喧嘩なんぞせずに普通に飲んでいたいわ。ここ最近はあとりに昼から呑むなと釘刺されているし。
「いやぁ、負けた負けた」
勇儀と酒を呑んでいたら萃香がからからと笑いながらやってきた。
「華扇はここにいるのか?」
「ん?いないよ。あいつは確か山の裏側でのんびりとやっているはずだよ」
「へぇ」
いないのか。あいつって反応面白いからからかいがいがあるんだよなぁ。
「それにしても、随分と昔のことを掘り下げてきたな」
「ん?ああ、あれは建前だよ」
華扇をだしにするとか可愛そうだなおい。
「んじゃ、俺はある程度見て回るかな。いろんな奴がいるみたいだし」
ほとんどは鬼なのだがちらほらと鬼以外も混じって酒盛りしている。
「ああ、母さまが盛大にやるからって言っていろんな奴を呼んでいたよ」
「そかそか。ほれ、これやる」
「おお!」
「客なのに悪いね!」
空間から酒を取り出して萃香たちにくれてやる。玲央すらくる鬼殺しだ。羨ましがっている鬼共にも数本投げ渡す。
玲央以外に呑んだらどうなるか見てみたいし。
「んじゃな~」
手を振りながら萃香たちから離れる。さて、どこに行こうかね?
「うひゃひゃひゃ!」
女の声なんだが笑い方が明らかに女のそれじゃないのが聞こえてきたのでそっちに向かうとそこにはぱっつんとした黒い服に背中から変な羽(?)をはやした少女がご機嫌に笑っていた。




