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東方転犬録  作者: レティウス
幻想郷生活篇
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あいさつ回り―冥界2

「待っていたわよ~」


 語尾が何となくノンビリとした口調な少女のような女性。その見は人には在らざる雰囲気を有しており、着ているものも死装束である。


 といっても、白いわけではなく何故か水色っぽい色をしているからどういった存在かは良く分からん。


「それで、そっちの人は誰かしら~?」


 紫となにやら話していたが、こちらを見て微笑む女性。


「ほら前に言ったでしょ?私の友人の真理よ」


「本当のことだったのね~」


「どういう意味よ!?」


「そのまんまの意味だろ?」


 横でギャースカと騒ぐ紫をほっといて改めて自己紹介するとしますか。


「初めましてだな。犬妖怪の風由真理だ」


「亡霊の西行寺幽々子よぉ~。ここ白玉楼で冥界の管理をやっているわ~」


 はっ、まさか人ではないと思ったが亡霊だったとはな。


「まぁ、話はうちでしましょう?」


 そういって家の中で案内されるまま通される。


「っと、忘れていた…ほれ」


「うっ…」


 未だに足を引っ張ってつれてきていた中年に気付けをして起こす。


「あら、何かボロ雑巾を持っていると思ったら妖忌だったのね~」


「知り合いだったのか」


 悪い事したかな?しかしだ、刀なんて向けてきたらしかたないだろう?


「お茶です」


「悪いな」


「いえ、お客人ですのでこれくらいは」


 あの後普通に居間へと通されて座っていると先ほどのボロ雑巾もとい中年がお茶を俺達に差し出してくれる。


「妖忌ーお茶菓子は~?」


「幽々子様自重してください」


 お客そっちのけでお菓子を要求する幽々子を華麗にスルーする。


「改めて私はこの白玉楼で剣術指南役件庭師をしている魂魄妖忌と申します」


 全員にお茶を配り終えて自己紹介をしてくるのでこちらも丁寧に挨拶を返した。


「悪いな気絶するくらいの攻撃をしてしまって」


「いえ、私もまだまだ未熟と自覚できたので」


 ううむ、若干脳筋理論が入っているなぁ。むしろ玲央とは気が合いそうだが。


「妖忌ーお菓子ー」


「ああもう、幽々子様は!お客人がいらっしゃってるのですからお待ちください」


 未だにお菓子をねだる幽々子にそれを疲れたような顔で窘めながら腰を上げて下がっていく妖忌。恐らくはお菓子を取りにいったのだろう。


「それで、貴方は本当に紫の友人なのかしら?胡散臭いわよ~」


「それはこっちの台詞だ」


「ねえ、貴方達は私を虐めて楽しいの?」


「「もちろん」」


「うわぁーん!藍ーーーっ!」


「あーはいはい。お二方もあまり紫様を虐めないでくれ。あと、胸揉むな」


 かなりおざなりな感じで紫をあやしながら此方に注意してくる藍。あと、紫お前はマジで百合属性だったか。


「いや、いつもいい反応示してくれてなぁ」


「そうなのよ~、ついつい弄っちゃうのよ…ご免ね?テヘ」


 おお、この時代に既にテヘペロが存在したのか。幽々子がほんわかしながら謝る。


「幽々子は許すけど真理は許さない!」


 なんという差別社会だ…俺はただ理由を教えてやったのに。


「それで、どうしてかしら~?」


「う~む、ことの始まりは紫が幻想郷を作りたいから協力してくれって言いながら俺を式にしようとして身の程を教えて………あれ?友人になる理由あったか?」


「何かあれば協力してくれるって言ったじゃない!」


「……ああ、それで友人となったのかな?」


「なるほどね~」


 うんうんと頷く幽々子。色々なやつと会って大体のことは覚えているけど細かいことは流石に忘れてきたなぁ…コレが歳か。


「そんでお前さんは?」


「私?私は簡単よ~」


 そういって言葉を区切ると同時になにやら背筋がゾワリとする。なんだ?幽々子からなにやら強烈な死の気配が漂ってくる。


「私の能力で死なないんですもの~」


「お前さんの能力?」


 なんだ?この感じは。まるで暴走状態の玲央と遣り合っている感じだ。………まぁ、玲央の方がもっときついけど。


「そうよ、私の能力は死を操る程度の能力と言うのよ。あまりに弱い存在は能力を使わなくても死んじゃうのよ~」


「そりゃまた厄介な能力もっているな~」


 どこからか蝶が舞い込んだのかふわふわとあたり一面を飛び回るが椛のほうに寄っていく。


「わぁっ!」


 目を輝かせて蝶を掴む椛だったが…


「あ、あれ?」


「………」


 なにやら幽々子が驚いた表情をしている。


「なんでかしら?能力はきちんと発動しておいたのに」


 ボソボソと呟いているようだが俺にははっきり聞こえた。


「まぁ、お前さんの能力のようだが俺にはきかんよ。お前さんの能力事態を無効化されるからな」


 能力の応用で他者からの干渉を完全に防ぐことができるために椛には常日頃からつけている。


「あんたの能力なんなのよ…」


「私も教えて欲しいわ~」


 紫は呆れながら、幽々子は興味深々に聞いてくる。


「教えんよ。紫に近くて遠いとだけ言っておく」


 紫のやる事の大半は出来るから強ち間違ってはいないだろう。


「さてと…一尾展開」


 椛に丁寧に結界を発動して俺の妖気が当たらないようにしてから一尾を展開する。


 一尾にしたことにより、白玉楼は愚か冥界全体に俺の力の解放によって生まれた圧力がのしかかる。


「あ、あ…」


「く…あ…」


「な…」


 居間にいる三人のうち二人はまぁ巻き込まれた形だが後で謝ってやろう。


「さて、幽々子よ」


「っ!?」


 俺が幽々子に目線をあわせるだけで幽々子の息が止まるのが分かるがこの時ばかりだけは止まらない。


「俺に何しようが構わんが、むやみやたらに椛に危害を加えたらどうなるか……それが今の状態だ。

 普段は必要もないから力を封印しているが……必要とあらば俺はこれを使うのを厭わない。

 俺が何を言いたいかは分かるよな?」


 問いかけると何とかと言った感じで首を縦に振るのでシッポを封印すると俺の力の圧力から解放された三人は手を床についてい息切れを起こしていた。


「前に言ったでしょ…無闇に手を出したらマズイ奴だって…」


「ここまでとは思ってなかったのよ~」


 紫が責めるような感じで幽々子を避難すると幽々子は紫が多少誇張していると踏んで調子に乗ったようだった。


「幽々子様ご無事ですか!?」


 襖から勢い良く妖気がやってくるが手に持っているのは山盛りの饅頭だった。


「無事よ~。話が分かる人で助かったわ~」


「そうですか…」


 ほっとして手にもつ大量の饅頭を卓袱台の上におく妖忌。


「すまんな、娘に手を上げられそうでついついかっとなってしまった」


 しかし、後悔も反省もないがな。


「いえ、そういうことならばいたし方ありません」


 理解が早くて助かる。どれ、妖忌が持ってきた饅頭でも…


「は?」


 これでもかというぐらいに山盛りにあったはずの饅頭がいつの間にかなくなっていた…


 神隠しかと思い紫を見てみるが手にもつのは一個だけで隣の藍も何事もなかったように一つを食べようとしている。


 椛を見てみれば、椛もなんとかという表情で一つだけ胸に抱くように持っていた。


 最後に幽々子を見てみれば何やらハムスターの如く頬を膨らませ、更に自分の両手には饅頭を持っている幽々子が…


「はぁ…幽々子様。お客人の分まで食べるとは何たることです!」


「おかわり~」 


 皿を差し出しながら妖忌のお小言をスルーする幽々子?あれ?亡霊ってもの食べたか?


「くっ!?…分かりました。真理殿の分まで持ってきますのでお待ちを…」


 何か言いかけてやめた妖忌は再び出て行き、その後小さな更に俺のためと思ってくれたのか一つだけ特別に確保してくれ漸く食べれたが…


 幽々子の食べる量を見て食欲がかなりなくなってしまったのであった。

ゆゆ様大好きですが、真理のパパっぽさを書きたくこうなってしまったorz


あくまで怒ったのは椛に被害が及びそうだったためで自分だった場合は起こらずに笑って許す真理です

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