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東方転犬録  作者: レティウス
幻想郷生活篇
45/115

あいさつ回り―蓬莱人2

今回は衝撃の事実が!?

「しっかし、久しぶりだな」


「ええ、あの時は本当に助かったわ」


 永琳の案内で竹林をさらに奥へと進むと見事な邸宅が存在し、居間へと案内されお茶が出されそこでかつてのことを世間話で話している。


「それにしても、お前等がここに住み込んで長いってのは驚きだな」


「といっても、ここ100年くらいだけどね」


「追われている身として考えれば異常だろ?」


「ええ、けどこの竹林は外界からは視認はおろか気配も遮断してくれるからひっそりと暮らす分には十分よ」


 なるほどな。確かにあまり鼻が利かないからたとえ空を飛んできたとしてもただの不気味な竹林としか思わないだろうし。


 逆に興味本位で来るような場所でもないからな。


「それにしても貴方を見ていると思い出すわ」


 永琳がジーと俺を見ていたら突如ポツリとそんな言葉を零した。


「誰をだ?」


 これといってやることもないし、こいつ等のことはあまり知らんからここは話に乗ることにする。


「かつて私が地上にいたときにあった妖怪よ」


「かつて?お前は月の住人じゃないのか?」


「月の住人はかつては地上に住んでいたのよ?地上に穢れが多くなってきたから地上を捨てて月へと移住したの。

 穢れの大部分は妖怪のことね」


「へぇ、それは初耳だ。俺が生まれたときには人ってのはいたにはいたが、お前等みたいな知性はなかったな」


「恐らくだけど、妖怪が進化するのと同じように地上に人がいなくなったから神が再び作ったんじゃないかしら?私達みたいな知識を持たないようにして」


「それは納得できるな。もし、お前等のような奴等が再び現れたとしたら妖怪なんていなくなっちまう」


 かつて見た光線銃なんてものが普通に装備されてりゃ妖怪は立つ瀬なくなるな。能力がいんちきもほどがある俺とか存在がいんちきの玲央や麻耶を除けばだが


「貴方の頭も可笑しいわよ。普通こんな話は冗談かなんかと思って笑い飛ばすんじゃないかしら?」


「紫あたりも納得するだろうよ。あと、俺が普通とはかけ離れているのは自覚しているよ」


 むしろ俺が元人間だったとか言ったら信じるかね?しかも、はるか未来の人物って。


「そういえば、幻想郷の管理者がそんな名前だったわね」


「そういうこった。この前のごたごたはあいつが月へと攻め込んだしっぺ返の結果だな」


「月へねぇ。無謀じゃないかしら?正直、どんなに強く能力が高くても月の技術は想像を絶するわよ」


「みたいだねぇ。俺も行って見たいが」


 未来都市とは面白そうだ。いざとなったら能力で隠密に徹すればどうにかなるだろ?


「やめときなさい。月には玉兎って妖怪がいるだけで、後は人間を捨てた人間よ」


「人間を捨てた人間とはね。面白いことを言うじゃないか」


「事実ですもの」


 永琳の顔はなにやら黄昏ているようなそんな感じに見えるが


「まぁ、どうでもいいや。俺にはまだまだ見たいものがこの地上に五万とあるし」


 てか、そろそろ大陸っつかヨーロッパのほうもかなり文明が発展しているだろうから時期を見て行ってみたいものだ。


「さてと、俺を見ていると思い出す奴とは?しかも妖怪なんだろ?」


「そういえば、そんな話をしていたわね」


 忘れていたわけではないだろうが、忌々しい思い出だったのかそっちの愚痴っぽいのが続いたようだ


「そうねぇ、姿形が似ているってわけじゃないわ、なんというか雰囲気かしら?あちらは傲岸不遜を地でいっていたような妖怪だったけどね」


 まて、俺はそこまでじゃないだろ?まぁ、若い妖怪相手だと結構そんな感じで接することもあるが…


「後は犬妖怪だったというのも一緒ね。あちらはなにやら万年発情していたけど」


 万年発情とな?幾ら妖獣だからといって発情期でもないのにそんな年中発情しているわけじゃ…いやまて、何かそのキーワードで当てはまりそうな奴がいたような…


「名前は何だったかしら?確か…森羅だったかしら?」


「ははおやぁぁぁぁぁっ!」


「え?」


 永琳からありえない単語が飛び出して思わず叫んでしまった。てか、お前等知り合いだったのかよ!!


「おばあちゃん?」


 未だに兎妖怪をもふりながら椛が俺の言葉に的確に指摘してきた


「貴方達親子だったの?」


「ああ」


 やっべ、何で万年発情期で思いつかなかったんだあのビッチ親を…


「それにしては似てないわね」


「人化の術だとその妖怪のイメージが出るからな。つっても、俺の場合はあの親が所構わずやりまくっているせいで犬状態でも似ていないが」


 弟達は似ていたのに俺だけ父方の姿に似ているだとか、どうでもいいが


「へぇ、そうなのね」


「ん?そうすると、億を越えるほど昔に地上にいたってことだよなお前?…って、アブね!?」


 言い切った瞬間に目の前におもっくそ霊力が篭った矢が通り過ぎていき、竹林を倒壊させながらある程度進んだら爆発しやがった


「何しやがる」


「女性に年齢の話を振っておいてよく言うわね」


「つか、蓬莱人で常に美人なら別にどうでもいいだろ!」


「あら、美人なんて…お世辞言っても何もでないわよ」


 だめだ、流石に分が悪い


『何よ今の音は!』


『うっせぇなぁ』


 永琳とがやがややっていたら奥から声が聞こえてきた。どうやら、ようやくあいつ等が起きたようだ


『って、何であんたが私の隣で寝ているのよ!』


『それはこっちの台詞だ!てか、なんだこの部屋?汚ねえな!』


『人の部屋で勝手に寝ておいて、何好き勝手言っているのよ!』


『部屋ぁ?ゴミ箱の間違いだろ?』


『殺す!』


『上等!やって見やがれ!』


 なんて、幼稚なやり取りなんだ…いやまあ、あいつの部屋は確かに汚かったが


「とりあえず、あそこで暴れられたら家が壊れるわ」


「しょうがねえ、迎えに行くか」


 俺と永琳は腰を上げて問題の部屋へと向かって行く。因みに椛は兎妖怪と一緒におねむ中であるためおいて行っても大丈夫だろう…あいつら、害ないし









「ほらそこまで」


「ふがっ!」


「ほがっ!」


 部屋まで来て、襖をあけてみるとそこにはキャットファイトをしている妹紅と輝夜の姿があった


 二人共相手の髪の毛や口を引っ張り合ってかなりアホ面をかましている場面であった


 部屋へとやってきた永琳の声に姿勢そのまま視線だけ此方に向けると、なにやら瞳が大きく開かれるが何があったんだ?


「「真理!!…あ゛あ゛?」」


 二人が同時に俺の名前を呼んだのはよかったのだがどうやら被ったのが不満だったのかお互いメンチ切りし始めた


「なに被せてんだよ」


「それはこっちの台詞よ、何であんたなんかと言葉被せなきゃいけないのよ」


「やるのか!」


「5倍増しで買ってやるわよ!」


「いい加減にしろ」


「「がっ!」」


 同時に拳骨を落として黙らせる。火と油の関係とはこいつ等から生まれたのかと疑いたくなるようなやり取りだ


 しかも、沸点低すぎ


「とりあえず来い、お前等」


「がるる」


「ぐるる」


「迷惑かけるわね」


「どうでもいいさ」


 お互いの襟を掴んで引きずって居間へと向かう中、もこかぐは獣の唸り声みたいな唸りながら火花を散らしていた







「はい、お茶」


「すまんね」


「ほら、貴方も」


「こいつにやる茶なんて小便で十分よ」


「なんだとゴラァッ!」


「お前等?」


「「さーせんしたーっ!」」


 再びやりだしそうだったので流石にイラついてしまい、ついついすごんでしまったら仲良くジャンピング土下座しやがった…すでにこの時代から存在していたとは


 てか、輝夜は下品だぞ


「それにしても、久々だなお前等」


「何事も無かったように話し始めた!?」


「真理なんてこんなもんだよ」


 輝夜が俺がさっきまでのことを無かったことのように話したら驚き妹紅がなにやらフォローしていた


 お前等実は仲いいだろ?


「「仲良くなんて無い!あ゛あ゛?」」


「おい」


「「チッ」」


 そこが仲がいいというんだよ。行動がそっくりだぞ


「それにしても、真理いつ来たんだ?」


「んと、1ヶ月前くらいか?ほれ、あの騒動の時に紫に呼び出されたんだよ」


「ああ、そういえばそんなことあったな。こっちに来たのは全部燃え散らかしてやったからな」


 物騒だねぇ


「てか、あんたこいつと知り合いだったの?」


「ほれ、あれだ藤原不比等の娘だよ」


「不比等?…ああ、あの」


「つか、前に言っただろうが」


「忘れていたわ」


 キリっとした表情で言い切った輝夜にビキリと額に青筋を浮かべる妹紅だが


「いい加減学習しろ」


「くっ…」


「やーい」


「テメエもだ」


「けっ…」


 マジでこいつ等手のかかるガキだな。コレなら椛のが手がかからんぞ


 つか、マジで話が進んでねえな


「そんで、何しにきたの真理?昔みたいにお酒飲みに?」


「まぁ、酒盛りは大歓迎だが今回はあいさつ回りだよ」


「あいさつ回り?」


「そ、あいさつ回り。幻想郷に居つくことになったからな、昔からの知人に会いに来たんだよ」


「私がここにいるの知っていたの?」


「うんにゃ、紫が知らん振りしている連中がいるって言っていただけでお前等とは知らなかったさ。最初にここに来たのはその情報と妹紅がいるって慧音が言っていたから来ただけだし」


「慧音は知っていたのか!?あいつ、黙って嫌がって」


「慧音を攻めるなって、俺が黙っておけって言ったからな」


「なんで!」


「いや、感動の対面って期待したんだが…はぁ、何をやっているんだよお前等」


「「殺しあい」」


「声をそろえて物騒なこといってんじゃねえよ」


 はぁ、溜め息が出てしまう


「つか妹紅よ」


「なんだ?」


「お前…その喋り方なんだ?」


「喋り方?…あ゛」


 俺の指摘に突如ばつが悪そうな顔になる妹紅。昔から喋り方がガサツになりそうになっては修正していたのだがなぁ


「いや、そのな?嘗められちゃいけないとおもってさ、その、な?」


 突如うろたえ始める妹紅。隣の輝夜は不思議そうな顔で首をかしげているけどしらんということは出会った時からこうなのか


「そうかそうか、俺が散々言った事をないがしろにしたと?」


「いや、その、さっきもいったけどなめられるわけにはいかないだろ?お前だって、そうじゃん」


「そうだなぁ、そこは百歩譲って認めよう」


「なら」


「だが!」


 さらに言い訳を続けようとする妹紅の言葉を遮る


「だが、俺とこうして普通の会話しているのにもかかわらず変えなかったのは?」


「なんていうか、ついいつもの癖で…」


「なるほど、なるほど、つまりは癖づくまで使い込んでいるということか」


「いや、その、ごめんなさい」


「ちょっと来い。永琳、なんか適当な部屋貸してくれ」


「だったら、出て行って角を曲がった部屋を使って頂戴。ああ、あと血で汚さないでね?掃除が大変だわ」


「汚さんよ。んじゃ、ちょっと失礼」


「た、助けてくれ!このさい、輝夜でも誰でもいい!」


 なんか、後ろで必死になって助けを求めている馬鹿がいるようだが


「「ガンバッ!」」


「白状者ぉぉぉぉっ!」


 助けるわけ無く、輝夜も永琳も親指を立てて送り出された



「アーッ!」ピチューン\(^o^)/





「皆様、今まで大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」


「「誰っ!?」」


 戻ってきた妹紅の謝罪に二人共驚いていた。いい仕事したな


「うにゅ、お父さんおはよー」


「おはようさん。こっちおいで」


「あーい」


 お昼寝が終わったのか起きた椛が俺に挨拶をしてこっちによこすと、とことことやってきて、胡坐をかいている俺の膝の上に納まる椛


「娘って真理結婚したの?」


「いや、この前のことで孤児になったから俺が引き取ったんだ」


「珍しいこともあるんだね」


 ようやく口調がまともになった妹紅が驚いている。まぁ、昔の俺を知っている人物ならみなそうか


「おとーさん、そろそろおなかが減った」


「起きたばかりで減ったと申すか。まぁ、そろそろいい時間だから帰るか」


「うん」


「あら、泊まって行けばいいのに」


 帰るという話題になったら輝夜がそんなことを言ってくるが


「すまんな、家に同居人がいるから帰るわ。夕飯は用意しているといっていたし」


 電話があったら伝えられただろうが今の時代にあるわけないしな


「そ、また来てね」


「そうだな、どうせやることもないし暇になったらくるさ」


 酒飲み友達だからな、今度は夜に来るのもいいかもしれん


「んじゃ、またな」


「あ、待ってよ。私も帰る」


「あんたは来るな」


「来たくて来たわけじゃないよ」


 輝夜の皮肉も軽く受け流しながら妹紅が後ろへとやってくる


「その、真理」


「ん?」


「今度は私が真理の家に言っていい?」


 此方を窺うような妹紅に頭を撫でてやる


「何すんのよ」


「ハハハ。遠慮するような仲かよ。来たければいつでもきな」


「うん!」


 その後、妹紅の家を見せてもらってから椛と一緒にあとりが待つ我が家へと帰った

衝撃の事実とは真理の母親の名前でした


番外編とは異なり、感動の再開がなくなりこんな再開になってしまい、もこたん泣かせられなかった

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