真相と謝罪
一度書いた内容が消えました
書き直しなのでテンション駄々下がりです
「ちょっと待て」
「何よ一体」
いざ話し始めるという場面で俺が待ったかけたもんだから紫からのジト目が酷いが気にならん
「椛」
「なーに?」
「これから、難しい話して退屈と思うからあいつのシッポでももふっとけ」
玉藻を指差しながら言うと椛の瞳が輝きだす
「いいの?」
「かまわんだろ」
「勝手に決めるな!」
勝手に決められたことが不愉快なのか激高する玉藻
「…だめ?」
「うっ…少しだけだぞ?」
「わーい!」
椛のゆれる瞳を見た玉藻は罪悪感に駆られたのか折れた
玉藻から許可が下りた椛はぴょーんと飛びついて玉藻のシッポに埋もれる
ううむ、さすが玉藻のシッポだな俺ならああは行かない
「んじゃ、始めてくれ。あいつにはまだ酷な話だ」
まだあれから1週間しか経ってないから聞かせたくはない
「いいえ、私も気が効かなかったわ」
「気にすんな」
紫がそんなことを言うが、別にそういうのは親の務めだろう
「んゅ!あっ!あぁんっ!根元は…根元はやめっ!んっ!」
「もふもふ」
玉藻が徐々に離れていきながら嬌声を上げているがどうでもいいだろうあれは
「じゃあ、話し始めさせてもらうわ
事の発端は今から約600年くらい前よ」
600年つーと大体玉藻にあう少し前ぐらいか?
「貴方達は知っているかしら?月にはここなんかと比べ物にならないくらい文明が発展しているということを」
紫の話に大体のやつらはなにを馬鹿なっていう表情だが
「ああ、そういやそんなこともあったな」
「…あんたは本当に何でも知っているのね」
俺のそういやって顔に紫がうんざりした表情で見てくるが、別になんでも知っているわけじゃない
俺の同意にとりあえず回りの連中もそういうものだということを納得したようだ
てか、元気にしってかな輝夜は
†――――――――†
「へっぷし!」
「あら風邪かしら?」
「ううん…どうだろ?」
「いい薬があるわ。さっき出来たばかりの新薬よ?」
「ねぇ、永琳?」
「何かしら姫さま」
「私で実験しようとしてない?」
「まさか。幾ら姫さまが不老不死だからってそんなそんな真似するわけないじゃない。いやねぇ」
「そういって注射器構えながら近寄ってこないで!!」
「大丈夫よ。怖いのは一瞬だけだから。後は天へと上る気分になるわ」
「そのまま、天へ上ったらどうするつもり!?」
「さっきも言ったじゃない。不老不死なんだから死ぬことは無いわ…死ぬことは」
「何それ!?ちょっ!?やめっ!?アーーーーッ!」
†――――――――†
「それで?」
「ええ、当時の私は月の文明がどんなものか興味もあったし技術が盗めるなら盗もうとならず者の妖怪達を集めて月へと進攻したの」
ならず者を集めたってことは恐らくは使い捨てる気満々だったな?こいつ、目的のためなら手段選ばないし…ただ、甘いけど
「結果は惨敗。私は命からがら逃げることが出来たけど、連れて行った奴等は全滅したわ」
まぁ、SFみたいな光線銃を持つような連中にいまだ物理的な手段が主な妖怪じゃ相手にならんだろうな
俺や玲央、麻耶みたいな奴等が相手になれば違いはでるだろうけど
「まぁ、これといって必要な妖怪達じゃなかったってのもあったからそこで放置したんだけど…それが、今回のことに繋がるとは思わなかったわ」
「どういう事だ?連れて行ったのは全滅したんだろう?」
紫の言葉に疑問を覚えた慧音が質問をする
「ええ、全滅よ。ただ、連れて行った連中の家族が私に復讐と言う名目で襲ってきたのが今回の真相よ」
珍しいな、妖怪だとあまり家族の敵討ちってのはしないもんだが
…目の前にする奴等がいたな。鬼にしろ天狗にしろやられたらやり返す連中だ
特にトップにいる二人がともに大事にしているからな
言い終わると紫は卓から少し離れ、姿勢を正した
「このたびは私の不始末に巻き込んで申し訳ありませんでした」
綺麗に体を折り俺達に頭を下げる紫
恐らくだが、自分が大事にしている幻想郷なのに自分で危機に落としてしまったのに責任を感じているんだろうな
「気にするなとは流石に言えないが、責任を感じてくれているならばそれでいい」
慧音の言葉を聞いて紫が頭を上げながら礼を言う。そんなやり取りが終わると麻耶が俺に向かってある程度の場所で先ほどの紫同様に姿勢を正していた
「うちから真理さんにお礼を言いたいんや。
このたびは、大事な場面で席を外しうちの家族を家を救ってくれてありがとう」
綺麗にお辞儀をする麻耶
「気にするな。俺の家もあったことだしな。それに、椛の家族など被害を出さなかったわけでもない
もし、謝るならあいつにしてくれ」
「わかった。ありがとな真理さん」
そう言って再びお辞儀をする麻耶
「かねて、責任を持ってうちが真理さんの嫁に…」
「いらん」
「ひどいわー。よよよ」
着物の袖で涙をぬぐうそぶりを見せる麻耶だが後ろの奴を処理してからにしたほうがいいぞ?
「なに寝言をほざいているんですか麻耶さん?調子に乗っていると縊り殺しますよ?」
ニッコリと笑いながらそういう玲央
「寝言なんて言ってないわ~。お昼寝は好きだけど、真理さんにだらしない姿を…いや、見せて襲ってもらえば」
襲わんから俺の前で寝るなよ?天狗たちが文句いうのをかわすのがめんどくさい
ぎゃいぎゃいと殺気をばら撒くあいつ等を放っておいてそれ以外の奴に姿勢正しく向き直る
「さて、今回の件だが俺にも責任があった」
その言葉にさっきまで言い争っていた玲央麻耶も止まり向き直る
「どういうこと?」
代表として紫がこちらに尋ねてくる
「まず、あの妖怪達だが関係性は無いとだけは言っておく」
益々わからんないといった表情になるがそれを無視して話を進めよう
「まず、妖怪達を見た奴は覚えているか?あいつ等の体や顔に変な紋様が浮かんでいたのを」
「ええ、浮かび上がった奴等を相手にするのが大変で貴方を呼んだんだもの」
「なるほどなるほど」
確かに、あれを使われたら紫や玉藻といえど手に余るだろうな
「アレは妖術の一種でな。使えば身体能力や妖力が最大10倍程度になる術だ」
「なによそれ!?」
「真理さんそれってもしかして昔に真理さんが考えたやつじゃないですか?」
今まで黙って聞いていた玲央が俺に質問をしてきた
「その通りだ。ただ、アレには副作用があってな、使えば使うほど、使う時間が長ければ長いほど寿命を削る」
「なんで、そんなものを考えたのよ」
紫の質問はもっともだが
「玲央に負けたくなかったからだな」
「いやん」
玲央がクネクネとしているのをなんか麻耶がイラついた風に見ている…いつフラグを建てた?
「こいつと出会ってから何年かに一度は試合いやこの場合は死合か?まぁ、していたんだがな…
最初のころこそはこいつは生まれて10年ちょっとだったから勝っていたんだが、100歳くらいになった時には負けそうでな」
酷かった。元々素質の固まりのこいつと戦うのは無謀だったんだがそれでもガチンコは男して楽しかったし
「あんな、戦いを昔からやっていたの?」
なんか、紫がドン引きしているな、どうした?
「ん~、あの力で戦っていたら回りの迷惑もすごいな~」
ああ、そういうことね
「最初に言っておくが、俺や玲央だって普通の妖怪くらいの力だったからな?今の力は単純に年月がたったからだ」
それでも、大妖怪として数えられる俺に対して中級妖怪程度の玲央が対抗できたほうが可笑しいが
「話がそれたな。兎に角として、負けてられないから何とか力を増幅できないか悩んで編み出したのがあの術だ」
「よく出来たわね」
「恐らく大体の連中が勘違いしているから言うが、俺は玲央見たく肉弾戦が得意じゃないからな?俺の本領は妖術だ」
俺がきちんと学んだことは弾幕と妖術だけだったからな
生まれつき妖力は多いほうだったらしいから使い込めば相当なものだったようだ
「体術のほうは妖術などの遠距離戦をやっていてもかいくぐってくる奴がいて対抗できなかったから急遽鍛えたんだ」
なつかしいな…何年前だ一体?
「兎に角、あの術は危険が多すぎて途中でやめたんだ」
「その頃には真理さんも攻撃の裁き方が上手でしたからね」
「んで、最初に戻るがあの術はかつて俺が誰かに教えた術だろう。術式も変わってなかったからな」
むしろ、あの術を見て思い出したくらいだ
「あの術の最大の欠点は使い続けて紋様が体全体に回ると理性が飛んで体が壊れるまで止まることが無くなるという事だ
紋様の広がる速度は個人で変わるからどうなるかわかんないがな」
「そういえば、結局真理さんあれって2~3回使ってやめましたもんね」
「ああ、思った以上に反動がでかくてな。それに、お前が言ったように慣れたからな」
こいつとの戦いはこゆかった分、上達は早かったと思う…死が隣り合わせだったが
「さて、かつてとはいえ俺が迷惑をかけてしまった、心から謝罪する」
紫や麻耶に習って俺もきちんと頭を下げてから頭を上げた
「それじゃあ、椛ちゃんの仇って最終的に言えば真理じゃないの?」
「いたのかルーミア」
「いたわよ。てか、あんたがこっちに送ったんでしょうが」
今まで影になっていたから忘れてたんだよ
「まぁ、そうだな。もう少し大きくなって強くなってから話すさ」
いくら強い子とは言ってもまだ子供だ。これ以上のことを言ったら壊れてしまうかもしれないしな
「さて、これで話すことは終わったかしら?」
紫があからさまに肩から力を抜いてそんなこと言う
「いや、できれば今の幻想郷の状況を教えてくれないか?何で鬼が地底にいるのかとか、関係なさそうな慧音がいたり、この紅白巫女のこととか」
「そうね、そうしましょう。ただ、お昼を取ってからね」
紫に言われて外を見てみれば日がかなり高くまで昇っていたのをみるとどうやら大分話し込んだようだ




