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東方転犬録  作者: レティウス
幻想郷生活篇
40/115

久々の家と同居人

「おっし、ついたぞ」


「何もないよ?」


 椛を連れて家までやってきたが、周りの状況を見ると特に荒れていないので大丈夫だと確信できた


「まあ、待っていろ」


 指を弾いて結界を解くと500年くらい前に玲央たちに立ててもらった家がそのままの状態で表れる


「え?え?」


 椛は突如として家が出てきたことに驚いているようだ


 途中までルーミアもついてきていたが、襲った連中の一人なので流石に家に入れるのは当分はばかれたので紫にまる投げしといた


 あいつも女好きだし問題ないだろう








「くしゅんっ!」


 スキマで家の前に降り立った紫一行だったが突如として紫がクシャミをして近くにいたルーミアは凄く嫌な顔をしていた


「ちょっと、唾とか鼻水飛ばさないでよ」


「ずず…飛ばしてないわよ。真理がまた私のことを馬鹿にしたからね」


 鼻をすすりながら紫はイラついた顔をする


「…名指しなのね」


「私を馬鹿にするのなんてあいつくらいしかいないわよ」


「それで紫様。こいつはどうするのですか?」


「ちょっと、指差してこいつ呼ばわりしないでよ」


「藍」


「はっ」


「よろしくね」


「はっ…は?」


「疲れたから寝るわ」


「ちょっと、紫様!?」


 そういうと、紫は家にはいりそのまま自分の部屋へと向かっていってしまい残されたのは藍とルーミアだけだった


「えっと、どうすればいいの私」


「いいか?絶対に、絶対にだ…面倒を起こすなよ」


「分かっているわよ。真理とも約束したし」


 ずいっと肩をつかみながら迫ってきた藍に何とかルーミアはそう返す


 今さっきの藍の迫力はある意味で先ほどの真理以上であった


「ちっ、またあの男女は女を連れて」


 藍は藍でブツブツと呪詛を吐きながら家の中に入っていってしまい、またルーミアは取り残される形になってしまったのであった


「だから、私を放置するなー!」








「くっしゅん」


「大丈夫?」


「ああ、どこぞの誰かが俺のことについて文句いったんだろ」


 どうせ、紫か玉藻だろうが


「さてと、500年くらい放置しているから外装綺麗でも中はホコリっぽいかもな」


 あくまで外敵とかが入らないようにしていただけだったからなぁ


「えぇ…」


 とたんに椛が嫌そうな顔をするがしょうがないだろ?


「なんで、お家に帰んなかったの?」


 ああ、そっちか


「俺の趣味でなあっちこっち歩き回るんだ。だから気づかずに何百年と過ぎてしまうんでね」


 いやぁ、ついつい忘れるんだ。紫に請われて帰ってきて家の存在も思い出したくらいだし


「私を置いていくの?」


 とたんに椛の顔が暗くなった…そっか、一人にさせられ家族が出来たと思ったらまた一人にさせられると思ったんだな


「安心しろ。お前が大きくなるまでは出て行かないさ」


「うん…」


「何はともあれ入るぞ」


 そう言って戸を開いて家に入る


 鬼が作った家凄いな。何百年たっていても老朽化してないなんて


「ただいま…思ったよりホコリまみれになってないというか、ないな」


「ほんとだ。それにとっても綺麗」


 そうなのだ。一体全体どういったことだ?家に入ると綺麗に拭かれた廊下に家具の一つ一つ


 ためしに居間へと入ってみてもそこはとても清潔感があふれるものであった


「まぁ、いいか」


「ふわぁぁ」


 考えることを放棄すると椛が大きな欠伸をして目をごしごしとこすりだした


 ああ、そういや襲撃からまる一日たったんだもんな。椛は隔離されていたけどその間も気が気じゃなくて眠れなかっただろうし緊張が解けて眠いのだろう


「とりあえず、俺の部屋に行くか…布団あったっけなぁ?」


「用意する」


「よろしく」


 とりあえず、椛を俺の部屋(玲央たち曰く)に案内して布団に寝かせる


 布団に入って目を閉じると直ぐに寝息が聞こえたことから相当精神的にきていたんだろうな


 椛の頭を撫でて居間へともう一度向かう


「うむ、建てたときに一回だけ見ただけだったけどいいな」


 居間から続く縁側に出てポツリとそう零す


 縁側から覗く庭には池と花達が植えられておりとても優雅な色調を放っている


 それに、まだ朝方だが日があたりぽかぽかと気持ちいいし昼寝にはもってこいの場所だ


「お茶」


「ありがとさん」


 お茶を飲みながらさらに一息ついてから今後を考えよう


「とりあえず椛のことは承ったから何とかしなきゃなぁ」


「協力する」


「期待している」


 とりあえず大きくなるまでは育てなきゃいけないが本当にどうしよう?


 子育ての経験なんて妹紅以来は子供らしい子供とであったこと無いしなぁ


「大変?」


「どうだろうな、別にこれといって嫌なわけじゃないし」


 子育てってことは常に近くで見続けるから今後椛がどうなっていくか楽しめると言えば楽しめるし


「悪趣味」


「自覚している」


 ん?さっきから俺は誰と喋っているんだ?


 ふと横を見てみるとそこには日本人形のような可愛らしい外見の少女が俺と同じように座って茶をもっていた


「誰?」


「今更?」


 まぁな、別に敵意があったわけじゃないしどうでもいいけど


「それでも何で俺の家にいるんだ?」


「貴方の家と知らなかった」


「結界あったろ?」


「素通りできた」


「よく見つけたな」


「何となく歩いていたら見つけた」


 う~む、結界で被ったのは見つけられないようにしていたはずだが…


「ああ、そうか」


「どうしたの?」


 そういや、見えないようにしたついでに馬鹿が入ってこないように敵意がある奴は弾くようにしたけど絶対遮断にはしてなかったな


「まぁ、いいや。とりあえずここの家主の風由真理だ。見ての通り犬の妖怪だ」


家福かふくあとり。座敷童子」


 座敷童子とな?


「家に家主がいないのに住み着くのか?」


「流れだったから」


 いるの流れの座敷童子って


「まっいっか。好きなだけいるといい」


「いいの?」


「まぁ、椛も引き取ったしな正直手が足りるか不安だったし」


「だったらいる」


「よろしくな」


「よろしく」


 これにて家に家族と同居人が一緒に入った…これからどうなることかね、楽しみだ

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