片腕有角
「えっもの~」
現在山にて狩猟なう
って言っても晩飯の調達だが。諏訪子様達の元を出てからあっちをふらふら、こっちをふらふらしているが面白い噂を聞かない
少し前に鵺が出たらしいが、会う前に退治されてしまった・・・ちくせう
「えっと、お願いしたいのですが?」
「ん?」
適当な獣を狩ろうと山を歩いていたらなにやら話し声が聞こえたのでそちらに向かってみたら
「ですので、あ!行ってしまいました・・・」
なにやらピンクの髪をお団子にした少女が動物に話しかけていたが動物はそそくさと森の奥へと行ってしまった・・・
「プツ」
「誰ですか!」
い、いかん、あの光景を見て思わず噴出してしまって見つかってしまった
「ククク、すまんすまん」
謝りながら出て行く、警戒はされているが行き成り攻撃されることは無いだろう
「行き成り笑うとは失礼ですね」
「すまんね、微笑ましくてな」
改めて目の前の少女を見てみると左腕に錘をつけ、右腕は何故か袖だけと言うことは無いと言うことか
「それで、お前は一体全体何をやっていたんだ?」
「み、見てたのですか?」
「だったら、笑わんだろう」
自分がやっていたのを思い出したのか目の前の少女は顔を赤くした
「そ、それはですね・・・」
「ふむ」
「ど、動物と話をしようと」
「それで?」
「それだけですが」
はて、動物と話をするとか言っているが
「何故そんなことを?」
「それは・・・仙人になるのに必要なことかと」
「仙人?」
仙人って死んでなったりするんじゃないのか?
「はい、山と一体となり会話することでなると言われています」
「へ~、俺の知っている仙人とはまた違った仙人だな」
「仙人を知っているのですか!?」
「まぁ、数百年前にあった事があるだけだがな」
なっつかしいな、そういや今度墓参りではないが行ってみるのも面白いか?
「そ、それでその仙人とは」
「今は眠りについているぞ?」
「そうですか・・・」
がっかりと肩を落としている少女・・・ここであったのも何かの縁(ぶっちゃけ暇)だし少し付き合ってみよう
「しかし、動物と話せたら仙人になれるのか?」
「いえ、あくまでも一つの要素です」
「そうか」
そういって、近くにいたタヌキを手招きして膝の上に乗せる。うむ、やはりシッポがもふもふなのはいいな
「あ、あの」
「どうした?」
腹までだして気持ちよがるタヌキをそのままに少女が話しかけてきた・・・って、いつまでも少女だと呼び辛いか
「そういや、自己紹介をしてなかったな。お前さんのいうことよりまずは自己紹介と行こうか」
「あ、そういえばそうですね」
「俺の名前は風由真理だ。少し長生きしている犬の妖怪さ」
「私の名前は茨木華扇と言います」
「ああ、お前が玲央が言っていた華扇か」
「お母様を知っているのですか!?」
「古い友人だよ」
っと、少女改め華扇に気をとられていたらタヌキが撫でろとせっついてきたので撫でてやる
「そういえば、お母様が愛しの男性がいると言っていて名前が・・・真理」
「あいつは、そんな馬鹿なことを言っていたのか」
頭が痛い。てか、どうしてそうなった
「で、では貴女は男性!?」
「そうだが?」
「なんという、世の奇妙さですか」
どういう意味だ
「ん?そうか、じゃあな」
タヌキが俺の膝の上から飛び降り森の中へ帰っていった
「そ、そうだった!貴方は今あの動物と会話をしていませんでしたか!?」
「してたが?」
「ど、どうやって!?」
どうって言われても
「元が犬だからな、何となく言っていることが分かるだけだ」
まぁ、そのせいで動物を狩る時に軽く罪悪感があったりなかったりするが
「出来れば私に伝授を」
「知らん、何となくでやっているからな」
まぁ、妖術とか使えば出来なくなさそうなのが怖いが
「てか、鬼のお前が何故に仙人になる必要があるんだ?」
「そ、それは・・・」
「話しづらいならば無理に聞かないが」
「いえ、そうですね・・・お母様のお知り合いならば知っていてもいいかもしれませんね」
そう言って話し始める華扇
「つまりは、騙された挙句に右腕を切り落とされてそれが直らない傷としてあるが人間を憎みきれないために山にこもりたいと
さらに言えば、人間を攫ったりする欲を消したいがために仙人となりわけだな?」
「はい」
ふむぅ、玲央も言っていたが最近の人間は小狡賢いだけでつまんなくなってきたとも言っていたからな
「まぁ、その場合はどちらかと言うと禅宗の教えを受けるといいんじゃないか?」
禅宗だと確か座禅を組んで頭から雑念を振り払い悟りを開くといった感じだからな
こいつが言った山と一体となるという感覚も悟りを開けば何とかなるんじゃねえかな?
「禅宗ですか?スイマセンが、聞いたことありません」
「ああ、そういや禅宗ってまだ間もないっけ?」
確か鎌倉時代から伝わったはずだが、この世界の場合は神様が普通に存在しているからかいまだ神道が栄えているし
「まっ、無くはないから探してみるか」
「あ、あの?」
「悪いな勝手に話を決め込んで」
「いえ、それはいいのですが・・・貴方は一体何を」
「暇だからな、お前に付き合おうと」
「そうですか」
「そ、暇つぶしさ。長生きしているとコレといってやることが少なくてね。それに趣味も入っているし」
「私よりも貴方の業のほうが深そうですね」
「違いない」
二人でひとしきり笑いあった後、とりあえず禅寺がどこにあるかを調べて向かった
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2やめいボケ




