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東方転犬録  作者: レティウス
放浪篇
34/115

2度目の対決

「そういや、真理はいつまでその首輪をしているつもりなの?」


「はい?」


 酒を呑みながらノンビリしていたところに諏訪子様がそんなことを言ってきた


「いつまでって、外す気ありませんよ?」


「だって、その首輪って犬の状態で変な名前をつけられないようにってしたんでしょ?」


「ええ、まあ」


「聞けば真理って最近はずっとそっちの姿が多いらしいじゃん。必要ないよね?」


 諏訪子様の言うとおり最近どこか行くのも人化したままだからなあ


「でも、俺の元は犬ですからね、やっぱり外すことはないですね」


「そっか」


 あっさりと引き下がる諏訪子様、どうやら純粋に気になったということだろうな


「諏訪子様ーーーーっ!」


 スッパーン!と効果音が聞こえながら襖を開けながら入ってきたのは諏訪子様の子孫の東風谷早雪


「諏訪子様、ついに!遂に出来ました!」


「マジで!?」


 なんか、諏訪子様が素で驚いているがどうしたんだろう?


「はい!霊力と神力を合成し、通常の威力の10倍の弾幕が作れました!!」


「危険すぎるだろう!?」


 早雪の言葉にツッコミを入れてしまうが、なんて危険なものを作ってんだこの娘は


「フフフ、私に不可能はありません!」


 胸を張って誇らしげにする早雪に諏訪子様はマジでビックリして固まっている


「アタタ・・・やられてしまったよ」


 腰をさすりながら早雪の後ろから入ってくる神奈子様・・・てか、お前は神奈子様ほっぽいといて報告にきたんか


「お疲れ様です」


「ああ、ありがとね真理」


 杯を渡しながら神奈子様に労いの言葉をかける


「プハーッ!生き返る!」


 酒を一気に呷って親父くさい発言をする神奈子様


「神奈子様!何ですかその言葉使いは!」


「いいだろう別に、見てるのなんていないんだから」


「そこの妖怪がみてるでしょう!!あと、昼間からお酒を呑むのをやめてください!」


「真理に見られてるって言われてもなぁ、諏訪子と戦った時からの知り合いだし今更?あと、酒を呑むなというのは断る!」


 いやまぁ、早雪の意見は正しいし間違っていないが相手が悪い、良くも悪くも相手は神様だからね


「だ・か・ら!なんでお二方はこの妖怪をそこまで信用しているんですか!!」


「「だって、真理だもん(だからね)」」


 答えになっていない二人の回答に早雪の怒りは頂点に達したのか俺に対してビシッ!っと指を突きつけてきた


「いいでしょう、我が神社の神を誑かす悪しき妖怪よ先ほど作った必殺技で滅してあげましょう」


「どうでもいいが、人に対して指差すな。親に言われなかったか」


「あっ、失礼しました」


 指を突きつけていたポーズから一転、頭を下げてきたのでやんわりと上げさせて盆の上に載っていた菓子を前に突き出す


「いや、気にすんな。ほれ、さっき巫女さんからお菓子を貰ったから食べようぜ」


「はい!・・・って、違います!」


 チッ、誤魔化せなかった


「真理って結構あくどいよね」


「これでも妖怪ですしね」


「それは、関係ないんじゃないか?」


 ごもっとも


「てか、あんな危険な技を聞いてやると言うとでも思ってるのか?あと、俺に負けたこともう忘れたか?」


「だまりなさい妖怪!あれは、そう!たまたまです!」


 たまたまって


「まぁまぁ、真理やってやりなよ」


「そうだね、真理がどれだけになってるか私も興味あるし」


 渋っていると諏訪神奈コンビが言ってきたが


「あんたら、それを肴に酒を呑む気だろう」


「「当たり前じゃん(だ)」


 ですよねー、昔俺もやったから人のこと言えないけど


「さあ、妖怪早くしなさい!」


「一回だけだぞ~」


「フッ、その一回で滅ぼしてあげましょう!」


 な~んでこの子はこう物騒かねぇ?


「まっ、いっか」






「さぁ、行きますよ!」


「どうぞ~」


「二人共ガンバレ~」


「いい試合を期待しているよ」


 やる気満々の早雪にやる気のない真理、それを応援している諏訪子と神奈子がとある場所にいた


「食らいなさい!」


 早雪がお払い棒を振るうと同時に出てくる大量の霊弾・神力弾は狙い違わずに真理に向かっていく


「ほう、2~3日しか経ってないのにここまで変わるか?」


「フン!私に不可能はありません!」


 素直に感心する真理が気に入らないのか早雪はそんなことを言いながらも手を休めずに攻撃していた


「どうした、その程度か?」


「クッ、なぜ貴方は先ほどから攻撃しないんですか!!」


 早雪の攻撃を全て避けたりしている真理に口調を荒々しくしながら質問をした


「なぜってそりゃ、お前の必殺技だったか?それを俺に打ち込むんだろ?だったらそれを待ってるだけさ」


 あくまで余裕の態度を崩さない真理に早雪のイライラはさらに増大していったが、早雪はピタッと攻撃をやめた


「いいでしょう、そんなに言うのなら見せてあげましょう!」


 すると早雪は御札を取り出して何かを呟きだした


「さぁ、受けなさい!」


 早雪の体から感じる霊力と神力、それを肌に感じながら真理はただ攻撃がくるのを待っていた


――奇跡の片鱗


 早雪が何かを呟いたと同時現れる数多の弾幕は五芒星の形となりながら真理の周りに現れ、襲い掛かった


「全方位型の弾幕か、だがそれだけじゃ俺に当てるのは無理だな・・・5尾解放」


 感心しながらも自身の勝ちが揺るぎ無いと言いながら真理は5尾を開放し全ての弾幕に対して同質の弾幕を作り迎撃していった


「だから、甘いのはそっちです!」


「なぬ!?」


 一つ一つから連なる弾幕の星が膨れ上がりはじけると同時に真理へと襲いかかる

 

 真理の放った弾幕は膨れ上がり破裂した余波により大半が狙いを外されてしまっていた


「さぁ、消えなさい!」


 勝利が確信したのか早雪の顔には笑みが出たが


「あ~、こりゃすごいね。相手が真理じゃなきゃ」


「そうだねぇ、霊力と神力を融合して質を極端に上げたあの子は凄いよ。大体の妖怪にも早々遅れを取ることはないだろうね。だが、今回は相手が悪かった」


 そんな戦いを見ていた二柱は早雪には申し訳ないがと言った表情で真理の勝ちで終わると言い切った


「ふむ、技に名前をつけるね。如何せん、そういったことを今までしなかったからいい名前が浮かばんが・・・」


 すると真理は突如として手を上げた


――亜空転間


 真理が何かを呟いたと同時に真理の周りには空間が歪んだ穴のようなものが現れて攻撃全てがその中に吸い込まれていってしまった


「なっ!?」


 流石の早雪もこれには驚きを隠せなかった。絶対の自信をもってして放った技があろうことか敵に当たる前にかき消されてしまったのだ


「さて、改めて名乗ろうか。空間を操るちょっと長生きしている犬妖怪の風由真理・・・東風谷早雪、お前の技しかと見せてもらった」


 少し古めかしいい方をしながら真理は両手に妖力を溜めだした


「ほうびだ、受け取れ。はっ!」


「くっ」


 右手から放たれた極太の光線を早雪はかろうじて避けるが避けた先には真理が待っていた


「これで、終いだ」


 残っていた左腕からの攻撃に早雪は避けたくとも体性が不十分で光線に飲み込まれていった







「ふぃ~、疲れた」


「おっつかれ~」


「相変わらず反則くさい能力だねぇ」


 早雪を小脇に抱えながら降りたらお二柱から労いの言葉を貰った


「まぁ、普段は使わないですけどね」


「てか、真理ならあれ当たっても生きてたんじゃないの?」


「否定はしませんが、死にかけるくらいはするんで」


 マジで威力だけならあいつなみの威力が出てたよ


「そういや、こいつが口癖のように不可能は無いといっていますが」


「ああ、それはねこの子の能力からくるもんなんだよ」


 ふと思ったことを聞いてみたら神奈子様から返ってきた


「この子の能力はね【不可能を可能にする程度の能力】なんだよ」


「そりゃまた、人には過ぎた力ですねぇ」


「かもね~、だから早雪は私達ばっかに会いに来るんだよね」


「もともとが諏訪子の子孫ってことで少しばかり人から逸脱した力を持ってるからね忌避されている節があるのさ」


「なるほどね」


 まぁ、人間に限らず妖怪でもなんでも基準から離れれば離れるほど孤独になるからな


「そういや、真理って苗字あったの?」


「良くぞ聞いてくれました!」


 そんな暗い雰囲気の中だったが諏訪子様が話題転換してくれたので乗っかろう


「実は妖怪の山というところに家を建てましてね」


「「妖怪の山だって!?」」


 なんか、二人がビックリしているな


「妖怪の山と言えばあの鬼神が住んでいるところじゃないか」


「それだけじゃなくて、あの天魔もいただろう」


 ああ、あの二人か。確かある意味で神として祭られていたんだっけな?


「まぁ、いますね。俺が家を建てたのは麓ですが」


「よく無事でいたねぇ真理」


「ああ、あそこは妖怪では珍しい社会を築いているって噂だからよそ者には厳しいかと思うんだが」


「まぁ、鬼神とは知り合いだったので」


「「マジで!?」」


 さっきから驚きっぱなしの二人だな


「ええ、鬼の知り合いがいるって話したことありませんでしたっけ?」


「「ごめん、覚えてない」」


 ですよねー。流石に俺もぽっとした話までは覚えていられる自信ないし


「まぁ、それは分かったけど家と苗字になんの関係があるの?」


「実は家を建てたと同時に表札を作りましてね。ただ、表札に名前を書くのもと思って考えたのが【風由】という姓なんです」


「意味はどんな意味があるのさ」


「意味は『風のように自由な』です」


「「ぴったりだね」」


 さっきから声をそろえる二人、本当に仲いいね


「んじゃ、俺はそろそろ行きます」


「えー、もう行っちゃうの?」


「ええ、こいつが起きたらまたぐちぐちと小言をいいそうなのでそのまま勝ち逃げさせて貰います」


「ハハハ、違いない。次はいつ会えるだろうね」


「さぁ?俺もぶっちゃけ自由気ままにふらふらしてるんで分かりませんね」


「あれ?家を建てたんじゃないの?」


「あくまで基点として使おうかなと思った次第で」


「真理らしいね」


 そんなこんなで別れとなり出て行こうとしたら


「待ちなさい!」


 後ろからあの早雪が声をかけてきた


「次は・・・次こそは勝ちます!だから、またきなさい!」


「ハハッ、楽しみにしてるよ」


 片手を上げながら俺は懐かしい神様の家を後にしたのだ

実はすびぱる小説部でアンケートをとっているのですが、もしよろしければ此方でもお答えしてくれると嬉しいです


アンケートの内容は


1:番外編が好評だったから本編でも椛を娘にしちゃいなヨ☆


2:ざっけんな、椛は椛だ!娘なんかにするんじゃねえ!


です。


因みに現状では1になる感じになっています


よろしければ協力してくれると嬉しいです


また、1になっても番外編とはまた違った親子になるとだけ先にお伝えします


では、よろしければお願いします

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