かつて聞いた子
「ほら、真理早く行ってよ」
諏訪子様がシッポに抱きつきながら俺を促すが、早くしたいなら自分で歩いてくれ。俺はこの景色を見ながらノンビリ歩くのも悪くないと思うから
「諏訪子様!そんな妖怪に抱きつくなんて神としてどうなのですか!!」
後ろから早雪が諏訪子様に注意しているが、どうせ無駄だろうな
「え~、だって真理のシッポって凄っいサラサラで気持ちいいんだよ?早雪も触ってみる?きっと分かるよ」
「ぐ・・・け、結構です!!」
「未練たらたらだな」
凄い羨ましげに諏訪子様を見た後シッポを凝視している早雪
「だ、黙りなさい!!」
「へえへえ」
「なんですか、その返事は!」
ぎゃいぎゃい言っている早雪を無視しつつ目的地に到着
「あ~う~、もう着いちゃったの?」
「あんた、さっきと言っている事と全く逆のこと言ってるからな?」
「なっ!?諏訪子様に対してなんて物言いですか!!」
だまれ、俺だって出来れば敬いたいわ
「まっ、いっか。ほらほら入って」
諏訪子様が障子を開けて俺を招くのでそのまま入っていくとそこには・・・
「ぐごご・・・ぐぅ・・・Zzz」
一升瓶を抱えながらいびきを掻いている神奈子様がいた
「なんていうか・・・女として終わっているね」
「うん、私もこんな見た目だからなんとも言えないけど、大きくなってもああはならないよ?」
諏訪子様はそのままでいいんじゃない?おっきいお友達が泣いちゃうよ?
「さてと・・・起きろ神奈子!!」
「あだーーーっ!?」
諏訪子様が寝ている神奈子様に鉄の環で頭を叩きあまりの痛みに跳ね起きた
「うん、いつもどおりの光景だ」
「なっ、ななな」
ん?早雪が何か衝撃を受けているがどうしたんだ?
「あたた・・・諏訪子ぉ、いつも言ってるがそれで起こすのやめてくれない?」
「あんたが、もう少し淑やかになったら考えるよ。それより、珍しいお客さんが来てるよ」
「客?んん?・・・おお!真理じゃないか!!」
「どうも、お久しぶりです」
よっと手を上げて神奈子様に挨拶をする
「いや、すまないな。恥ずかしい格好を見せてしまって」
「いや、別になんとも。昔に見た光景そのままですし」
いや、ここで暮らしていたころが懐かしい。真昼間から酒を呑むおれと神奈子様だったが最後は大抵あんな感じでつぶれてたし
「それはそれで、どうなんだろうね」
「今更ですよ」
「そっか」
納得してそこら辺に転がっていたゴミを風で端っこに追いやった・・・神の奇跡ってか力をこんな所で使うな馬鹿らしい
「そういう真理だって片付けめんどくさがると能力で終わらせるよね」
「俺の場合は消えるのでより衛生的です」
「どっちもどっちだよ」
違いない
「な、なななんて格好で寝てたんですか神奈子様!!」
今まで固まっていた早雪が大声をあげて神奈子様の元へと向かっていった
「なんて格好と言われてもね、私は寝てたから分からないよ」
「だとしても、片付けもしないで酒瓶を抱えて寝ているなんて神の前に女性として考えてください!!」
「ああ、うん。それは悪かったね。だけど、酒を呑んでいると眠くなるだろう?」
「神奈子様はいつも呑みすぎなのです!!飲む量を減らしますよ!!」
「そ、それだけは!!」
なんか、早雪と神奈子様のやりとりって結構やってる?なんか、二人ともかなり遠慮がない
「おっかしいな?祝にせよ巫女にせよ神主にせよ、神に仕えている身のはずなのに普通あんなに遠慮がないもんか?」
「ま~ね~、あの子は正義感が服を着て歩いているような子でね、神奈子はおろか私にも神として威厳ある態度でいてくれって頼むよ」
「諏訪子様の場合はきちんと使い分けできてるから別にいいんじゃないですか?まぁ、正義感強いけど若干純粋すぎる感じですがね」
「あ、分かった?」
「まぁ、舌戦も嫌いじゃないですからね」
「真理の場合は舌戦というより屁理屈こねて話を自分の都合のよい方向に持っていくだけよね」
「それが舌戦でしょ?そんなことより、なんであの子は神力もってるんです?」
「ああ、真理が不思議がるのも当然だね。あの子はなんたって」
「私が諏訪子様の子孫だからです!!」
今まで神奈子様とやりあっていたはずの早雪が突如としてこっちに現れて声高らかに言ってきた
神奈子様のほうを見てみるとなにやら絶望しきった顔になっていたから、恐らく酒の量を減らされたんだろう・・・いい気味だ、いつも一緒に呑むが絡み酒だからなあの人は
「子孫って・・・ああ、昔に神奈子様と作った子ですか」
「なんで、お前はその話題にこだわる!?」
「もう、真理も相変わらずだね」
俺の言葉にツッコミをいれる神奈子様に相変わらずの俺に苦笑いの諏訪子様
「えぇっ!?私って諏訪子様だけじゃなくて神奈子様の子でもあったんですか!?」
「「「純粋にもほどがあるだろう!!」」」
もはや天然の理論だぞそれは
「ふぇ?」
可愛らしく首をかしげる早雪、こうしてみると歳相応の少女だな
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「えぇ!?この妖怪は男性なのですか!?」
酒の席にて早雪が大声をあげて俺の性別に驚いていた
「ああ、なんかこのやり取り懐かしいな」
「へぇ、昔は切れていたのに大人になったね真理」
「いや、なんかなれちゃって」
「はっはっは!そうだ、こいつは男だ!そこらの女より綺麗だろう?」
「ぐ、ぐぬぬ・・・綺麗な肌に髪もサラサラ・・・さらにサラサラなシッポとは・・・く、くやしいですが完敗です」
勝手に言って勝手に負けている早雪
「てか、シッポは関係ないだろう?」
「いや、あるね!」
そんな一人ごちていたら諏訪子様が遮る
「いいかい真理?真理のシッポはね触ればサラサラで心地よく、嫌な匂いもせず、触っていれば心をほぐされる優れものなんだよ?」
俺のシッポはセラピーかなんかの道具か?まぁ、どうでもいいが
「と、いう訳で!あ~、気持ちいい」
「ずるいぞ諏訪子!私だって触りたいんだ!!」
「ああ、騒ぐな酔っ払い共、あと引っ張ったら触らせんぞコノヤロウ」
「「はい、スイマセンでした」」
弱っ!?神様弱っ!?どんだけ触りたいんだよ
「3尾開放・・・お好きにどうぞ」
「「「ひゃっふーーーっ!」」」
変な声を上げて3人が俺のシッポに飛びついた。会話に参加してなかった早雪だったが神奈子様に無理やり酒を呑まされたら酔っ払い俺のシッポを見つめていたので3尾開放してみたら案の定飛びつきやがった
「ああ、気持ちいいよ~・・・・ぐぅ」
「はぁはぁ、これだ、これを待っていたんだ!!・・・がぁ」
「ぐぬぬ・・・こ、これほどとは・・・すぅ」
そして、三人ともシッポに抱きつきながら寝やがった
「しゃあない、俺も寝ますかね」
酒も全部呑み終わったことだし、追加をお願いしないと追加は無い、昔ならいざ知れず今は無理だろうからな
「お休み」
いつものように獣化して寝るのだが・・・頼むからお前等引っ張るな




