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東方転犬録  作者: レティウス
誕生篇
3/115

修行と鬼

最初に言います・・・


縄文時代スタートは昔過ぎたと思いました

 さて、あちらこちらを気ままに渡り歩いている俺だが実は結構な年数が経過している


 その年数500年だ。500年・・・普通の人間の生ではまずありえない長きにわたる時間だが妖怪が基本的に長寿(もはや長寿ってレベルじゃないが)だから500年と言っても人間の10年の感覚だったりする


 さて、この500年の間に気づいたことだったが俺の戦闘能力である。500年を生きたので妖力も大きくなり基本的には敵対するものに負けることは無いのだが・・・それでも、ある程度強い奴や能力持ちに対しては苦戦を強いられる


 理由は単純でありそれは・・・接近戦である。妖力弾を弾幕としてかなりの数を撃ったりして倒したりすることは出来たりするのだが中にはそれをかいくぐってくる奴など多くいたりしたのであった


 それで、接近されることにより俺は基本的には避けることしか出来ないのである。当然手を出し攻撃を試みようとしてはみたものの、転生前の俺は喧嘩なぞ無縁の生活だった(ナンパばっかだった)ので、パンチを出しても大振りで簡単に受け止められるか避けられてしまい、それが悪循環となりてんぱってしまったのであった


 そこで俺は接近戦闘の練習をしようと噂に聞いた妖怪の元へとやってきたんだが・・・


「お前が俺の嫁になるならいいぞ?」


「くたばれ」


「ちょっ!?」ピチューンッ!


 まさか、女に間違われる+嫁になれ宣言をされたので弾幕を張りこれでもかと言うぐらい叩き込んでその場を離れてしまったのだ


 さて、接近戦闘を考えるのはいいとして目標というかスタイルをある程度決めたほうがいいと判断したんだがどうしよう


 剣・・・ゲームなどでは主人公や主要人物が必ずといっていいほど使っているが今はまだ縄文時代・・・完全な製鉄技術などなく鉄の剣等無い(最近は石器のほかに木製の剣を作り出しているらしいが)から却下。


 もとよりこの身は犬だし格闘戦のが向いているような気がするしな


 さて、どうするかなぁ・・・


「ぐるるるるぅ」


森で考えていたもんだから気がつけば下級の妖怪が俺の周りにうようよ湧いていた


「とりあえずは、お前等相手に考えよう」









「はぁ・・・はぁ・・・」


 肩で息をしながらあたりを見回す。そこには地にはいつくばっている奴等。因みに殺していない


 別に殺す事に関して言えば、糧を得るために絶対にしなければいけないことなので経験はしているが意味も無くやる必要も無いと考えているからだ


 そして今の戦闘を振り返る。とりあえず自分に枷をかして妖力弾を使わずかつ能力を使わないでの戦いをやってみた


 流石に年季の差というか生きた年数が違うので身体能力自体は負けなかったが、やはり慣れない戦闘方法だったために非常に疲れた


 また、やはり拳での攻撃は何故か知らんが大振りになってしまうので途中から蹴りを混ぜてみたらこれが上手く扱えるのだ


 ・・・もしかして犬の影響?いや、無いか。流石に犬状態での用を足すこともあるからって足のほうが動かしやすいとかどんだけーって感じだしな


 しかし、足が扱いやすいとなれば手で回避と妖力弾を作るのは楽になるからな


「そうと決まればある程度練習をしたいな・・・どうしよ?」


 ここ、数百年は村などに立ち寄ったりはしたりするが一人でいることが普通となり独り言が増えた気がする・・・まぁ、気にしないけどな


「そうだ、能力で俺の気配やらなんやら消しつつここら辺に近づかないようにしとけばいいじゃん」


 俺の能力は結界と違い違和感なども感じられないから便利だ・・・ただ、問題があるとするならば、まだ能力を完全に使いこなすことが出来ないだろうことか


○効果範囲は最大で半径300m

○ルールをつけられるのは2個まで

○操れる空間は1種まで


 現在できるのがこれしかないのでまだまだである。強すぎる能力ゆえの弊害といってもいいのだろうか、空間を支配できるのだがそれ以上に制限が多いのがこれである


 また、戦闘中に弄ろうとしてもまだ出来ないのである。能力を使おうとすれば最低でも1秒は必要である。下級妖怪ならば問題ないが俺と同じ位の妖怪だと完全に命取りである


 とりあえず、これからの修行は接近戦の練習と能力の発展を目標にがんばっていこう







 あれから、更に200年は経ったと思う。何故思うかと言うと・・・正直年数などいちいち気にしてないからである


 まぁ、それよりもとりあえず毎日欠かさずに自分が理想とおもう蹴りや型をイメージしそれを行うといった感じで修行をしていた


 途中どうしても厨二病みたいな技が浮かんできてその場でorzと崩れ落ちてしまったがそこは気にせずにと言った感じである


 また、能力に関してはルールの追加や範囲の拡大などは出来ないがその代わりに転移モドキが出来るようになった


 空間と空間をつなぎその場所に転移と言った感じである。これにより今まで行った所に直ぐにいけるようになったかな?と思いきやこれも出来る距離が俺の目視できる距離が限界である(因みに凡そであるが俺の目は1里先までは見ようと思えば見える)


 まぁ、相手の不意をついたりするのに便利だから習得できてよかった


「さてと、とりあえず練習相手を・・・お!あそこにいる奴に頼もう」


 森を出てあたりを見回してみるとそこには妖力を出しながら歩いている妖怪を発見したので声をかけてみる


「おーい!そこの人(妖怪)~」


「・・・私ですか?」


「そうそう・・・って、鬼か!?」


 声をかけて近寄っていくと声をかけた人(少女だった)が振り向くと同時にその頭には立派な角がついていた


「はぁ、鬼ですけどそれが何か?」


「いやまぁ、ちょっと戦ってもらおうと思ったんだが・・・やべ、死んだ俺?」


鬼に戦いを挑むとか完全に死亡フラグだよね俺


「面白い人(妖怪)ですね」


目の前の彼女はそういってクスクスと笑っているだけであった


「あ、ああ」


 やっべ、冷や汗が止まらないんですが。しかし!希望を捨てない!目の前の彼女は鬼であるが雰囲気がやわらかいし何より戦いがすきそうでないから


「さて、戦いですか・・・いいですよ?」


「いや、その~やっぱ無しに」


「鬼に正面から戦ってくれといってくれる方なんていないんで私疼いてしょうがないですよ」


 ダメだった・・・彼女も鬼だ。戦いが始まると分かったとたんに目がギラギラと輝いている・・・


「あの~、出来ればまだ俺生きたいんですが・・・」


「フフフ。本当に面白い方ですね。じゃあ、こうしましょう。お互い相手を殺さない程度で戦うということで」


「あ、ああ。ありがとう」


「いえ、私も久々の戦いですからね」


 あくまで軟らかく笑う彼女。しかし闘志は半端ない。今まで戦ったことのあるやつなんて比べられないくらいの緊張感が俺を支配する・・・


「さて、お互い自己紹介をしないといけませんね。私の名前は鬼神母きしも玲央れおと申します」


「俺の名前は真理だ・・・悪いが名字はないんでな」


 さて、どれだけやれるかな?別に戦い方自体は言ってないんで


「では、真理さん・・・参ります!」


 考える暇くれないんですね!!


「うわぁっ!?」


 突如として目の前に現れた彼女・・・玲央が振ってきた右腕を左手で前腕を弾くようにし起動をずらし後方へと飛びずさる


「へぇ、やりますね」


「し、ししししし死ぬかと思った」


「よく言います。私の攻撃を完全に見切って流したじゃないですか」


 いや、確かにとっさの判断でよく出来たと自分を褒めてやりたいところだが、それどころじゃない。とりあえずは高まっている心臓を落ち着かせないと・・・


「今まで私以上の型と戦った経験があるのですか?」


「・・・母親だけだな。あんた以上の妖怪がざらにいたんじゃ人間なんて滅んでいるだろうさ」


 まぁ、目のよさは一人で修行している時に自分自身で作った妖力弾を自分に向けてできる限りの速度で打ち出したりして慣らした


「さて、参ります!」


「やるしかないのか!」


そして、お互い地を蹴って駆け出すとそこには既に相手の顔が間近にある状態だ


「はっ!」


「ふっ!」


 相手の拳をいなした後此方の蹴りを放つも身体能力が優れているのかあっちは体をそのまま流して俺の蹴りを避けやがった


「フフフ、鋭い蹴りですね。私ったら胸がどきどきしてきましたよ」


「畜生!戦闘狂が!」


「鬼にその言葉は褒め言葉です!」


そう言って再び玲央は俺めがけて地を蹴って一瞬にして近づいてくる


「やぁぁっ!」


「らぁっ!」


 あっちの拳とこっちの蹴りが交差しお互い拳と足を突き出した状態でその場で止まる。因みに、周りは平原だったが既にあちらこちらでこぼこしだしている


「ぐぅぅぅっ」


「くぅぅぅっ」


 お互い引かずに足に手に力を込めて相手を押そうとする。普通ならば一旦引き相手の体制を崩すのがいいのだが意地かどうかは知らないがお互い引かない・・・しかし不利なのは俺である。


 あっちは2本足でこっちは1本足で立っているのだからバランス以外にも力の入り方は歴然である


「ちっ!」


「っと」


 俺は仕方なしに引き、相手の体制を崩そうとしたが玲央はすぐさまに体制を立て直したので追撃は出来なかった・・・しかし、今のは完全に俺の負けだな


「強いな、おい」


「ありがとうございます。貴方だって鬼に力勝負で劣らないとは凄いです」


 そう言ってくれるが、こちとらショックがでかいよ。妖力の値で分かるが、あいつは俺より妖力が低い。つまり遠距離を混ぜれば勝てるが近接では5分5分と言った感じか?


「一つ聞きたいんだがお前さんいくつ?」


「私ですか?今年で10になります」


「・・・」orz


「あら?」


まさか、10歳と同等とかショックで死にそう・・・


「さぁ、参りますよ!」


「負けてたまるか!!」


こうなったら意地だ!絶対勝ってやる!









「「はぁ・・・はぁ・・・」」


あれから何時間経過したんだ?未だに決着つかずにお互い肩で息をしている


「負けねぇ」


「負けません」


お互い息を整えつつ、相手を観察する


「「・・・」」


沈黙が場を支配する


「ふっ!!」


「!!」


先に動いたのは玲央であるが俺は固まって動かなかったんではなく・・・


「はっ!」


「・・・かはっ!」


 玲央がその場で崩れ落ちる。スタミナもそうだが力も戦っているうちに玲央のほうが少し勝っているのが分かったので純粋に相打ち覚悟で打ち込んだら負けるのが分かったのでカウンターを打ったのである


「・・・ふぅ」


 汗をぬぐいながら玲央を見る。お互い決定打を決めずに戦い続けたので酷い外傷は無いが最後のカウンターの蹴りが思ったより上手く決まったので当分の間起きないだろう


 とりあえず、鬼相手にここまで戦えたので俺の約200年は無駄ではなかっただろう。さてと、俺も汗を流したいし近くに森があったはずだからそこまで連れて行こう


Side End






玲央 Side


「ん・・・ここは?」


ふと気がつけばそこは森の中で私は木に寄りかかって寝ていたようですね


「確か・・・ああ、そうだ。なんか私に戦いをしようと話しかけてきた方と戦ったんですね」


 そこでふと思い出すのが最後の光景。私が最後の力を使ってあの方に一瞬で近づき殴ろうとした瞬間に頭に衝撃が走しって・・・そこからの記憶が無いことからどうやら私は負けたようですね


「・・・負けと言うものは初めてですがとても悔しいものなんですね」


ポツリと呟いた負けと言う言葉。これは初めての経験です


 まさか、鬼として生まれた私が負けるとは・・・そういえばあの方、確か真理さんは何処に行ったんでしょうか?


ポチャン


 ふと、水がはねる音が聞こえたのでそっちのほうへ向かってみるとそこには湖がありそこで見覚えがあるしっぽと耳をつけたあの方がいました・・・あの尻尾はいいですね。今は水にぬれて纏まってしまっていますが、水さえ切れればあのもふもふした状態で非常に気持ちよさそうです


「さて、ここは一つ・・・え?」


 一つ驚かせてあげようと思って少し移動して真理さんの体を見てみたらそこには・・・わ、わわわわわ私も胸がまだ小さいですが、まだ10になったばかりですしこれから成長すれば大丈夫!・・・って違います。


 わ、わわわわわわ私には無くてし、しししししししし真理さんにはあるもの・・そ、そそそそそっその、こ、ここここここここ股間に、あ、亜あああああああれあれれあれがががががが・・・


「き・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「な、なんだ!?」


 真理さんがあたりを探っていますが私は再びその場で再び意識を手放してしまいました


Side End







「き・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「な、なんだ!?」


 突如として聞こえた悲鳴の後に聞こえてくるドサっという音のほうを振り向けばそこには倒れている玲央がいた・・・覗かれた?


「とりあえず、着替えて玲央を再び介抱しなきゃな」









「ん・・・ここは?」


「漸く起きたか?」


「はっ!?そうだ!し、しししし真理さん!!」


「お、おう」


玲央が戦い以上のとき以上の迫力で迫ってきたので思わずどもりながら返してしまった


「あ、あああああな、貴方!お、おおおおおおと、おと、男だったんですか!?」


「そこかよ!!」


また、間違えられたのかよ・・・もうヤダ


「わ、わわわ私をだましたんでしゅか!」


「とりあえず落ち着け。ほれ、深呼吸しろ」


「これが落ち着いて「いいから!ほら吸って」・・・す~「吐いて」は~」


何度か深呼吸を繰り返して落ち着いてから再び話をする


「さてと、とりあえずお前の質問だが確かに俺は男だが騙したつもりは無いぞ」


「だって、その顔に体つきを見たらどう見たって女ですよ!」


「うるさい。これでも悩んでいるんだ」


 くっそ、どうして会う奴会う奴は俺のことを女と思うんだ・・・女が顔と身長だろうな


「スイマセン・・・」


「気にしちゃいないさ、さて飯にするが・・・お前は人を食うか?」


「人ですか?食べませんよ?」


「それは重畳。じゃあ食おうぜ」


 そう言って俺は薪の前に木の枝にさしている魚を差し出して食べだすと玲央もおずおずとそれに手を伸ばして食べだした








「行ってしまうですか?」


「ああ、別にここに留まる理由も無いしな」


翌日俺は森の入り口――森と言うか山だった――で玲央に別れを告げていた


「でも、行く理由もないですよね?」


「と、言ってもなぁこれといってここに住む理由も無いから当分はやっぱ根無し草で旅を続けるさ」


「・・・また会えますか?」


「当然だろ?俺もお前も寿命は長いんだからな」


 700年くらい生きているが未だ衰えどころか停滞の兆しが見られない俺だからまだまだ死なんだろうさ


「分かりました。これ以上とめません。また会いましょう!」


いい笑顔で俺を送り出してくれる玲央


「ああ、また会おう!」


そう言って俺は手を振って玲央に別れを告げた


 ・・・まさか、玲央が結局ここに住み着きまた、はるか後であんな事になるなんて俺は思っても見なかった

さて、今回登場したオリキャラこと鬼神母玲央ですが名前を見れば分かるとおり彼女は鬼神母神です


本来は神様ですがここでは鬼として扱わせて貰います


また、「え?この時代からいるの?」という疑問もありますが、鬼神母神は全ての鬼の母なので最初に出さなければ意味がないと思いここで登場です(逆に産まれるの遅くない?という理由ですがこれもここで登場という形となります)


原作キャラの登場はもう少し後になるのでお待ちください

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