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東方転犬録  作者: レティウス
放浪篇
27/115

宴会の一幕

珍しい連続更新!?


私自身ビックリ

「さ、どうぞ真理さん」


「悪いな」


 大広間にて鬼に混じって宴会が開始された。玲央は甲斐甲斐しく俺に酒を注いでくれたのでそれを口に含む


「これはっ!?」


「お口に合いませんでしたか?」


「逆だ。ウマイ!」


 アルコール度数はかなり高いが飲みやすく、口当たりもいい。それに、喉越しがなんともいえないくらいにウマイ


 こんなに酒に感動したのはお神酒を飲んで以来か?兎に角ウマイ


(流石真理さん。鬼のお酒を飲んでもケロリとしているなんて…それに、やはり綺麗な顔です♪…ハッ!?そういえば、こうやってお酌している私ってまるで奥様…クスクス)


 なにやら、横で玲央がうんうん唸っているがどうせ禄でもないことだろうがから、放置して紫に話しかける


「紫」


「げほっげほっ…なにかしら?」


 どうやら、紫は鬼の酒はきつすぎたのか咽ていたのを整わせてから此方に向き直る


「玉藻はどうしたよ」


「ああ、忘れてたわ」


 忘れてやるなよ。そして、紫が空中に手をなぞらせるとスキマが開きそこからボトッという効果音と共に玉藻が落ちてきたが…目のハイライト消えてるな


「大丈夫か?」


「ここはっ!?戻ってこれたのか!!」


 なにやら、感動している玉藻だったので、そっと酒を差し出したら苦手なはずなのに一気に飲み干した


「大丈夫か、お前?酒苦手だろう?」


「これが飲まずにやってられるか!!」


 そう言って、自棄酒の如く二杯目を飲みだした


「んくんくんく…ふぅ…」バタッ


「玉藻?どうした?」


「すぅ…すぅ…」


『潰れるの早!?』


 全員異口同音で思ったのを口にした。お前はガキか!まさかの二口で潰れるとは思わなかったぞ


「寝てしまいましたか…ここで寝かせるのもあれですし、客間に寝かせておきますね」


「すまんが、よろしく」


「いえいえ、真理さんの友人・・をそのままってのもかわいそうですからね」


 やけに友人を強調して玲央は玉藻を抱いて一時退出していくと、入れ違いに萃香がやってきた


「さあ勝負だ!!」


「飲み比べか?負けんぞ」


「私だって負けないよ…って違う!」


「違うのか?飲まないならお前の分も飲んでやるが?」


「飲むよ!私の酒は私のだ!ってだから違う!」


「??? 何が違うんだ?」


 この酔いどれ(酒臭い)はなにが言いたいのかさっぱりだ


「真理、本当に忘れちゃったの?」


「紫もか、一体なんだ?」


 マジでこいつ等何を言ってるんだ?


「だ・か・ら!戦おうって言ってるんだ!」


「ああ、喧嘩がどうこう言っていたあれか」


「そうだよ!本当に忘れてるなんて」


「いや、すまん。玲央のせいで完全にすっ飛んでいたわ」


「かあさまのせいにするな!!」


「えー…」


 なに、このマザコン…いやまあ、玲央はカリスマかなり持ってるから馬鹿にされたら怒るのも分かるが


「お、何だ戦いが始まるのか?」


「いいぞ、やれやれー!」


 なんか、周りの奴等も俺らが戦うというのが決定づいたのか煽りまくってくる…いかん、逃げ道なくなった


「しゃあねえな」


「お、漸く観念したね!」


「んじゃ、次はあたしが頼もうかね」


「まちな、勇儀次は俺だ!」


「いや、俺だ!お袋の昔からの知り合いだったら相当強いはずだ!」


「あーあー、うぜぇ…仕方ないな、戦うのは二人だ…星熊お前もついでだかかって来い」


「…どういうこと?」


「めんどくさいから、二人まとめてかかって来い。それ以外は戦わん」


「嘗められたもんだね私達も」


「ああ、後悔しないことだね」


「とっくにしとるわ」


 ああ、めんどくせ。玲央がいたら止めてくれたんだろうが未だに戻ってこないってことは客間ってのが遠いんだろう


「んじゃ、表いくぞ」


「そっちじゃないよ!」


「ありゃ」


 かっこつけて、出て行こうとしたら止められた…しまらないね





「さ、ここなら暴れても問題ないよ」


 連れてこられた場所はなにやら岩やら何やらが結構壊されている場所であった


「いつも、やるときはここら辺でやってるんだよ。ここなら、天狗たちにも迷惑はかけないしね」


 なるほど、だからあちこち壊れてるわけね…てか、広間にいた奴等全員茣蓙やらなんやら用意して花見気分で見学しているな


 …あ、あっちのほうでは賭けを行っている


「さ、あんたが言ったんだ後悔しないことだね!」


「手加減なんて期待するなよ」


「へいへい、かかってらっしゃい」


 そう言って手でくいくいと挑発すると星熊のほうが我慢の限界だったのか接近してきて力任せに腕を振ってきたのを後ろに飛んで避けた


「は?」


 避けたのはいいんだが、星熊の腕はそのまま地を文字通り砕いた…どんな馬鹿力だ?


「驚いているようだね、私の能力の【怪力乱神を持つ程度の能力】は予想外だったようだね」


「うわぁ…鬼の力にそれってどんな反則よ」


 タダでさえ馬鹿力の鬼にそんな力を持つってさぁ


「ほらほら、よそ見してる暇ないよ!!」


「っと」


 気づくと萃香がいつの間にか後ろにいて、その拳を振るってくるのを避ける


「チッ、すばしっこいね」


「犬なんでな」


「関係あるのかい?」


「妖獣は比較的身体能力高いぞ。まぁ、俺の場合は鍛えてここまでになったが」


「むぅ…」


「さてさて、んじゃ俺も本気でいきましょか…9尾開放」


 俺の言葉と共に、シッポが8本現れ9本となる…ううむ、これで勝てるか微妙だな…なぜ1対2OKしたんだろう?


「うっ、すごい妖力だねえ…だけど、負けないよ!」


「いいねいいね!」


 なんか、二人は一瞬俺の妖力に怯んだが、次の瞬間には歓喜の顔に変わっていた…戦闘狂が


「てか、この勝負って俺にうまみないな」


 やべ、気持ちが沈んできた


「えぇ、ここでやる気なくすのは無しにしてよ」


「あー…だったら、俺が勝ったらお前のその瓢箪くれ」


「これのこと?」


 萃香のもっていた瓢箪を指差すと萃香が持ち上げて聞いてくるので俺は頷く


「そ、それ。確か、鬼の酒瓢箪ってずっと酒が出てくるんだろう?」


「そうだよ。いやぁ、これがあるからどこにいっても酒が飲めるもんさ」


「俺も酒好きだからな、勝ったらそれをくれ」


「ん~、いいけど私が使ってる奴じゃなくて新しい奴でいい?」


「もらえるなら何でもいい」


「そんじゃ、上げるよ」


「うおっしゃー、やる気出てきた」


「単純ね」


 黙れ、紫


「それじゃー行くよー!」


「来い」





「ほれほれ、さっきから大振りで簡単に交わされてるぞ!」


「あだぁっ!?」


 星熊の攻撃を避けながら、秀一ちゃんに貰ったキセルで手をはたく


「だぁっ!!」


「おっと」


「いったぁっ!」


 さっきから、いつの間にか消えて、いつの間にか現れる萃香の攻撃をかわし額を星熊同様はたく


「ほれほれ~」


「「くっ!」」


 二人揃って一旦距離を置くので俺は追わずにその場に留まる


「はぁはぁ…全く当たらない」


「それに、なんであいつは萃香の居場所が分かるんだ?」


「そういや、いつの間にか萃香消えてるな」


 気配はずっとある…ってか、辺りに萃香の気配が充満してて分かりづらいが攻撃にくる一瞬に特に濃くなるので逆に分かりやすいのだ


「私の能力は【密と疎を操る程度の能力】って言って自分の体を霧にしたり戻したりできるんだよ」


「なるへそ、だから辺りにお前の気配があるのか」


「分かってたの!?」


「まぁ、気配とか探るの得意だし」


 正確に言えば能力だがね


「まさか、能力!?」


「半分正解で半分はずれ。能力は持っているがお前達相手には使ってない…てか、戦いには基本使わん」


 負ける気ないというか、負けないだろうし…いかんな、油断してたら負けそうだ


「くっ、だったら次の一撃で終わらせてやる!!」


「おお、いいぞ来い」


「その油断が負けだよ!」


「まずは、私だ!」


 そういうと、星熊が此方にゆっくり近づき力を溜めだした


「行くよ、四天王奥義…」


――――【三歩必殺】!


 これはっ!?玲央のやつか!!突如として溢れる力を拳にのみ集中させて襲い掛かるそれを俺は妖力を回して迎え撃った


「でえりゃぁっ!!」


 土煙が舞う中、相手が倒れる気配を確認して俺も構えを解いた…俺がやったのは単純にカウンターを叩き込んだだけだ


 一歩間違えれば負けていたのは俺だろうな


「勇儀!!」


 なにやら、馬鹿でかい声が上から聞こえてきたので視線をそちらに持っていったら


「でっかい、幼女だ!」


「この姿になってもそう言うか!!」


 うるせぇ…だってなぁ、おっきくなったと言っても等倍されただけだから同じ大きさになれば幼女には代わらない


「勇儀の敵と私を幼女と言ったこと後悔させてやる!」


「あぶねぇ!!」


 踏み潰されそうになったのをぎりぎりで避けるがどうしたもんかねぇ


「はっはっは!ごみのようだ!」


「そのネタつかってんじゃねえよ!!」


「へ?」


 飛び上がり、無理やりに角を持つ


「だりゃぁ!」


「うっひゃー!?」


 角をそのままに、萃香があおてんになるように力任せに引っ張る


「うらっ!」


「きゃんっ!」


 思いっきり頭を打ったのか、可愛い悲鳴を上げてそのまま萃香がのびた…あ、気絶したら元に戻った。どういう原理だ?


「うおぉぉぉぉっ!あいつ、あの二人相手に勝っちまいやがった!!」


「すげぇぇぇぇっ!」


 なんか、周りの鬼たちが騒いでいるが


「…すごいわね、貴方あんな余裕で勝てるなんて」


「は?余裕?」


 息を整えていたら紫が変なことを言ってきた


「違うの?」


「馬鹿言うな、9尾の状態でなんとかだよ。余裕の態度だったのは単純にあの二人あいてだと有利に進められそうだったからそうしただけだ」


「…それでも、勝っちゃうのね」


「まぁ、星熊の場合はあの技知っていたしね」


「そうなの?」


「ああ、ありゃ」


「私が教えた技ですよ」


 俺が答えを言う前に玲央が現れて答えを変わりに言ってくれる…ちょっと待て、お前のその目は何だ?


「さすが、真理さん。私が、唯一認めた男性です」


 ほんのりと顔を上気させている玲央だが、目だけは猛獣のそれだぞ


「さ、次はわたしの番です」


「言うと思ったわ!疲れてるから明日にでもしろ!!」


「だめです!私さっきの戦いをみてからうずいちゃって仕方ないんです!!もし、やめるなら結婚してください」


「どういう選択肢だ!!わかったやればいいんだろう!やれば!」


 畜生、だから戦うのが嫌だったんだよ…玲央と戦うとなるとマジでやらなきゃ瞬殺だぞ


「それじゃ、少しの休憩…1刻くらいでいいですよね?」


「ああ、それくらいありゃなんとかな…おい!誰か酒寄越せ!」


 とりあえず、酒飲んで回復だ


「どんな、回復よ…」


 だまれ、とにかく玲央と戦うならとにかくベストの状態にせにゃ

萃香と勇儀はまだまだ真理たち相手では若すぎるためにこういう結果になりました


次回は久々の真理VS玲央です

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